【子どもと一緒に楽しむ家庭菜園04】野菜がうまく育たない?良い苗の選び方と植え方のポイント
日差しが暖かくなり、家庭菜園やプランター菜園の土の準備ができたら、いよいよ野菜の苗植えです。苗屋や花屋に並ぶ、育苗(いくびょう)用のポットに植えられた小さな苗。そのなかからお目当ての野菜の苗を選ぶとき、みなさんはどんなことに気をつけていますか? ママスタコミュニティに「野菜がうまく育たない」とコメントしたママさんに、こんなアドバイスが寄せられていました。
『ミニトマトやきゅうりは、接ぎ木の苗を買うとうまく育つよ。たしか病気に強かったはず』
筆者も家庭菜園をはじめたころ、近所の農家さんに「接ぎ木と書いてある苗を買うと育てやすいよ」と教わりました。
接ぎ木苗って、どんな苗?
接ぎ木苗とは、どんな苗なのでしょうか。農林水産省のホームページでは、このように紹介されています。
『接ぎ木(つ き)は、きゅうり、スイカ、メロン、なすなどで使われる栽培方法(さいばいほうほう)です。これから収穫(しゅうかく)しようとする植物(穂木)(ほぎ)と、病気(びょうき)に強(つよ)かったり生育(せいいく)の良い植物(台木)(だいぎ)とをつなぎます。台木(だいぎ)と穂木(ほぎ)は別々(べつべつ)の植物で、根っこは台木(だいぎ)、実のなるところは穂木(ほぎ)です。接ぎ木(つ き)した苗を使うことで、土からうつる病気(びょうき)を防(ふせ)いだり、寒さに強(つよ)くなったり、生育(せいいく)が良くなったりするので、良い野菜がたくさん採(と)れることになります』
筆者が初めて買った接ぎ木苗は、台木がカボチャで穂木がきゅうりの苗。ホームセンターの苗売り場できゅうりの苗を見たときには、普通の苗より接ぎ木苗の方が値段が高かったため「接ぎ木苗は高いけれどそんなにいいのかな?」と購入を迷いました。そこでホームセンターの販売員さんに聞いてみると「絶対病気にならないとは言えないですよ。でも病気になりにくいです」とのこと。「そうですよね。絶対なんて保証できないですよね」と思いつつも、接ぎ木のきゅうりの苗を買いました。
1つの接ぎ木苗から数十本のきゅうりが収穫できた!
「接ぎ木苗は、どう育てやすいのかな?」と疑問に思いながらも植えてみたわけですが、実際に家庭菜園で育てているうちに、やはり接ぎ木の苗は育てやすいと思うようになりました。子育て中のママは日々忙しく、菜園のお世話ができない日があったり、水やりをうっかり忘れてしまったりすることもあるでしょう。同じくこまめなお世話が難しかったわが家の菜園ですが、1つの苗から数十本ものきゅうりを収穫することができました。このように多少手抜きになってしまってもグングンと成長してくれる可能性の高い接ぎ木苗。あくまでわが家での体験にはなりますが、たくましくて育てやすい苗だと感じています。苗を選ぶときには育てやすさも考えて、接ぎ木苗も候補に入れてみてくださいね。
苗に付いているラベルは便利なミニ解説書
ホームセンターや苗屋で売られている苗には、植物の名称が書かれたラベルが付いているものがありますね。そのラベルをよく見ると、名称のほかにも水やりの頻度、肥料の与え方、支柱やネットなどへの取り付け方など、お世話の要点が書かれている場合もあります。野菜のお世話の仕方は、ネットで検索したり図鑑を調べれば詳しくわかりますが、忙しいときや菜園のお世話をしていて手が汚れてしまいスマホを触りたくないときなどに、チラッと見て確認するのに便利なのがこのラベル。筆者は苗を植えたあとはラベルを玄関に置いておき、いつでも見れるようにしています。たくさんの品種を少しずつ育てたい家庭菜園なら、いちいち調べなくてもお世話の要点がわかるラベルは、ちょっとした便利アイテムですよ。
子どもが苗の定植をするときのポイント
育苗用のポットに植えられた苗を、プランターや菜園に植え替える作業を「定植」と呼びます。定植するときには、大人なら片方の手を苗の根元に添え、もう片方の手でポットを引き抜き、根の部分を傷つけないように植えることができると思います。しかし、お子さんの年齢によってはまだ手が小さくて、片手で苗を押さえながら、もう片方の手でポットを引き抜く作業が難しいこともあるかもしれません。苗をうまくポットから引き抜くことができないと、根を痛めてしまう心配があります。植物の根は土の中の栄養や水分を取り込む大切な働きをしています。お子さんが大人の真似をして苗を植えたがったら、ぜひママが手を添えて一緒に苗を植えてあげてくださいね。お子さんはきっと自分で植えた苗を一生懸命お世話してくれると思いますよ。
せっかくの家庭菜園、たくさん野菜を収穫するためにも苗選びや定植の方法など、ぜひポイントをおさえて楽しんでくださいね。
文・間宮陽子 編集・Natsu
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