生後半年で「病」にかかった娘。家族の闘病生活を支えてくれた”ある施設”の物語
わが子が病気になったときのことを考えたことはありますか? こんなに元気に見えるので病気なんて……と、想像できないママのほうが多いのではないでしょうか。
ここに生後半年で「病」を宣告された、あるママと女の子が病気と共に立ち向かう実話をご紹介します。
生後半年で「クローン病」と診断
娘に異変を感じたのは2012年、生後3ヶ月頃のことです。おしりが化膿して皮膚科を受診したところ、小児痔瘻(じろう)(※1)という診断をされました。しかし薬を飲んでも症状は治まるどころかひどくなるばかり。痛みも引かず夜も泣き続ける日々が続き、高熱も続いて娘はとてもつらそうな顔をしていました。
「娘を治すためならどこへでも行く」という気持ちで日本中の病院へ電話をかけ続けました。似たような症例を扱っていると聞けば訪ねる日々。しかし小児科や肛門科、大学病院にも行きましたが治らず、治療法を探す日々が続きました。
発症から3ヶ月後、クローン病の権威として知られる先生に出会い、正式にクローン病(※2)と診断されました。いろいろ調べる過程で「クローン病かもしれない」と想像していたものの、あらためて診断が下ると、やはりショックは大きかったです。
「育て方が悪かったのかな」「なんでうちの子が」と自分を責める言葉や世界の理不尽さを憎む言葉が溢れ出ました。
*2大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患
闘病生活に疲れ果てたときに出会った「ドナルド・マクドナルド・ハウス」
本格的に始まった国立成育医療研究センターでの治療は、7週間ごとの投薬治療のために入院しなければなりませんでした。2ヶ月間の入院生活と1ヶ月鹿児島生活を行き来する生活が始まったのです。
治療を続けていたとき、担当の先生から病院に隣接された「ドナルド・マクドナルド・ハウス せたがや」の存在を教えていただきました。
ドナルド・マクドナルド・ハウスを初めて利用したときの印象は、ホテルとも違う、病院とも違う、家庭的な香りがする温かい場所でした。しかし正直、最初の1ヶ月はハウスを利用することに対して、病気の娘を病室へ置いていく罪悪感とどうしようもない不安がありました。看護士さんに「帰っていいですよ」「ママが倒れたら困るから」と声を掛けられても、「夜、泣いているかも知れない娘から離れてもいいものだろうか」「離れているときに悪化したらどうしよう」と、ついつい考えてしまいます。
入院中に心が休まることはなく、常にいっぱいいっぱいでした。しかし、ドナルド・マクドナルド・ハウスではその心を解きほぐしてくれる場所でした。クリスマスの日、ハウスに帰ると、ママたちにクリスマス料理が用意されていたことを鮮明に覚えています。娘に季節の楽しみを与えたいと思うことはあっても、自分自身にクリスマスなんて考えてもいませんでしたので、心から嬉しく思いました。
それからは、ドナルド・マクドナルド・ハウスで1クッション置くことで「娘の入院に向けて頑張るぞ!」とモードを切り替えられるようになりました。
心に溜まっているものを吐き出すことができた“出会い”
他にも、ドナルド・マクドナルド・ハウスのボランティアスタッフの方々は、荷物運びを手伝ってくださったり、タクシー乗り場まで見送りにきてくださったり、今まで自分ひとりで頑張るしかなかった私を頼もしく支えてくれました。
私は娘の治療のことで頭がいっぱいで、何でうちの子ばかりがこんな目に会うの……と塞ぎこんでしまうことが何度もありました。そんな暗くなってしまった心をボランティアの皆さんの温かい心遣いで何度も救われました。
鹿児島にいるときは悩みを打ち明けても「かわいそう」と言われるだけですし、病気のことを相談できる理解者がいなくて、孤独でした。しかしドナルド・マクドナルド・ハウスでは子どもの病気と闘っている同じ境遇の方と話をし、悩みを共有することもできます。キッチンやランドリーでのささいな会話でも「今日の治療はどうだった」「娘の様子はこうだった」と何気なく心に溜まっているものを吐き出すことで気持ちが軽くなりました。新聞や雑誌に新しい治療法の記事を見つけると、お互いに教え合ったりもしています。
クローン病は現在の医学では完治が難しいと言われています。症状の変動も激しいので、状態が悪いときはひどく落ち込んでしまうのですが、他のママからもらった情報に光を感じて、元気になった経験もありました。
気持ちの切り替えをすることで「また頑張ろう」と前向きな気持ちになれる
親の私たちにとっては、個室のベッドでゆっくり眠れることが本当に助かります。これまでさまざまな病院で入院生活を共にしましたが、寝返りもうてない細い簡易ベッドや椅子で眠るため、いつも睡眠不足で気持ちに余裕のない生活でした。
しかしドナルド・マクドナルド・ハウスは病院のすぐそばにあるため、私は娘が寝静まるまで付き添ってからハウスに帰り、朝娘がおきる時間に病院へ向かいます。夜遅く帰っても、以前よりしっかり睡眠を確保することが出来るようになり余裕も生まれます。
娘のことも気になりますが、何かあったときはすぐに駆けつけられる距離です。看病疲れでくたくたでも、ハウスを利用することで翌朝には「また頑張ろう」と前向きな気持ちになって病院へ向かうことができています。
2018年、現在は治療を受けやすくするため関東近辺に引越し、月に1度2週間前後のペースでハウスを利用しています。私たち家族にとって、ハウスは大きな支えになっています。ハウスへの感謝を多くの言葉で表現したいのですが言葉では言い表せられません。心から感謝しています。娘と私たち家族はこれからも病気に立ち向かい続けます。全国には、かつての私たちのように困っている家族がたくさんいらっしゃるので、ハウスがもっと増えることを願っています。
病気と闘う家族を救うためにできることは?
病気と闘う子どもたちとその家族をハッピーセットで支援できる
わが子に最善の治療を受けさせたいと考えるママも多いことでしょう。しかしその病院が自宅から遠い場所にあったらどうでしょう。家族の負担は精神的にも肉体的にも、そして経済的にも大きなものになりかねません。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は多くの家族の闘病生活に寄り添いサポートをしています。1日1人1000円で利用ができ、病気で苦しむ子どもを近くで見守りたい家族の第二の家となるように作られた施設で、寄付・募金・ボランティアによって成り立っています。
10月28日(日)マクドナルド全店舗にてハッピーセットを購入すると1つにつき50円が「ドナルド・マクドナルド・ハウス」へ日本マクドナルド(株)およびマクドナルドフランチャイズ法人より寄付されます。一人ひとりの行動が「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を利用する、必要としている家族に寄り添う力に、そして、全国で頑張るママの支えにつながります。
ハッピーセットで、病気に立ち向かう家族の支援を。
この機会にお子さんと一緒に病気に立ち向かう子どもとママのためにできること、気軽にできるチャリティとして、“ハッピーセット”から応援してみてはいかがでしょうか。
マックハッピーデーとは?
提供:日本マクドナルド株式会社