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田中裕二:第4回 妊婦検診には毎回一緒に行けたので、奥さんに褒められました!

2017年の「イクメン オブ ザイヤー」のイクメン芸人部門の受賞者に選ばれたのはお笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さん。スペシャルインタビュー最終回は、奥さん・山口もえさんの第3子出産に家族全員で立ち会ったお話を伺いました。育児を頑張るママたちへメッセージもいただきましたので、ぜひ最後までご覧くださいね。

3人目のお子さんの誕生に、ご家族全員で立ち合ったそうですね。どのように決まったのですか?

「私も立ち合うからね」と一番上のお姉ちゃんが突然言ったんですよ。そしたら息子も「僕も~」となって(笑)。そもそも僕が出産に立ち合うのが初めてで、どういう状況かわからなくてドキドキしているから、「子どもたちが立ち合って、変にトラウマになったら怖いな」と思っていました。
子どもがどんなことになるのかわからないから、奥さんに「大丈夫かな?」と聞いたら、「大丈夫じゃない?」って言われて。うちの奥さんはそういうタイプなのね。全然心配してなかった。

実際に立ち合ったお子さんたちの反応はどんな感じでしたか?

田中裕二
うちは無痛分娩だったので、ママが陣痛で叫ぶとかはなく、話して笑いながら、という感じで過ごすことができたんです。子どもが見て引いちゃったり、怖がったりするような状況ではなかったから、僕が心配していたトラウマになるようなことはなかったです。
そして、赤ちゃんを最初に抱いたのは長女なんですよ。「私が抱っこする」と言って、すぐに抱っこしてましたね。今はお姉ちゃんもお兄ちゃんも、赤ちゃんのことがかわいくてしょうがないみたいですよ。ただ、ちょっとおもちゃみたいになってて、見ていてハラハラするんですけどね(笑)。もう少し大きくなったら、2人に立ち合ったときにどんなことを感じたのか聞いてみたいですね。

初めての立ち合い出産、田中さんはどんな感想でしたか?

一番動揺していたのは僕だったかもしれないですね。
生まれたときは泣くかな?と思っていたんだけれど、想像していたよりも割とあっという間で「もう出てきたの?」という感じだったので。感動したんだけどその時は「本当に産まれた……」という気持ちでした。とはいえ、今でもジワジワ感動を思い返すことがあります。

奥さまの妊娠中には、どのようなサポートをされましたか?

奥さんの妊娠中、僕が自転車で下の息子の保育園の送り迎えをしていました。あとは、2人の子どもたちと出かけたり、買い物に行ったりとかですかね。奥さんは妊娠中に寝込むようなこともなくて、仕事も出産予定の2ヵ月前まで続けていたんです。
奥さんに褒められたことといえば、妊婦検診を全て一緒に行けたことですね。僕もエコーを見て感動してましたね。奥さんもトーク番組で話してましたけど、僕が階段を降りてくるのを下で構えてたら「余計に邪魔」と言われたことがありましたね(笑)。

“3人のお子様のママ”である奥さまは田中さんにとってどのような存在ですか?

いや、もう偉大! 偉大としか言えない。本当にすごい! 
母親じゃなきゃわからない本能とか、母性とか、そういうのがあるのかもわからないけど、なんでこんなにできるんだろうと思います。
毎朝、起きない子どもを起こして、食べない朝ごはんを食べさせて、横で赤ちゃんは泣いてて……という毎日を過ごしている姿を見ると、とてもじゃないけど勝てないと思う。
仕事より全然大変だから、世のママたちが「365日休みがないんだ!」と言うのは、まさにその通りだと思いますよ。だから、ほんとうに”偉大“!

ご自身のお母さまに対しての考えも変わりましたか?

そうですね。うちのお母さんの時代はどうやっていたんだろうと思いますよね。
便利なものなんて、全くない時代なわけじゃないですか。僕が生まれた当時はティッシュなんてないんですよ。“ちり紙”だからね(笑)。紙オムツやおしり拭きもないし、ネットや携帯もないし。今は、子どもの様子がおかしかったらすぐネットで調べられたりして随分便利になりましたよね。
よく思うのが、戦時中でも子どもを育てられたわけじゃないですか。何も食べ物がなくて、一体どうやっていたんだろうと……。それでも子供がちゃんと成長していたんだと思うと、少々のことでびびっていてもしょうがないなと思うんですよ。僕は心配性だから、過保護にならないように気をつけなくちゃいけないなと思うんだよね。

最後に、現在育児を頑張るママたちへメッセージをお願いします。

田中裕二
偉そうにメッセージなんて言える立場ではないんですけど、子育ての大変さや難しさを今さら痛感しています。「今まですみませんでした」という気持ちです。

子育てにおいては、ママが一番すごいと思います。育児って自分を犠牲にすることが半端ないじゃないですか。もちろんかわいい子を育てているから犠牲とは思っていないんだろうけど、子どもへの愛情はとてもかなわない。大変なことも多い中で、毎日頑張っているママたちには頭が上がらないです。

少しでもママが楽にというか、自分の時間が持てたりするような世の中になれるように、「イクメン オブ ザイヤー」というアワードが、少しでも役立つといいなと思います。
ただ、「イクメンでござい!」と言ってる人ってあまりいないと思うんです。言っちゃダメだなとも思います。僕は、育児では絶対にママに勝てないと思っているので。
僕もこの立場にならなかったら気づけなかったことがたくさんあるから、こういう場で(育児や夫婦関係について)発信していくことはとても大事だと感じています。


取材中、全ての妊婦健診に同行して褒められたお話をされたときの田中さんの嬉しそうな表情がとても印象的でした。お子さんたちの成長とともに、”イクメン“としてこれからも経験を積んでいく田中さんに、またお話を伺える機会を楽しみにしています。

取材、文・上原かほり 撮影:泉三郎

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