<難しくない!こどもNISA>教育資金作りに使えるけれど…学資保険や貯蓄との違いは?【第2回】

0歳〜17歳までを対象としているこどもNISAを、教育資金づくりのために活用を考えている人も少なくないでしょう。教育資金はほかに、貯蓄や学資保険でもつくれますが、こどもNISAとの違いはどこにあるのでしょうか。そこでこの2つと比較したこどもNISAのメリット・デメリットなどを社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格を持つ井戸美枝事務所代表の井戸美枝さんと、なかのアセットマネジメント代表の中野晴啓さんにお聞きします。


学資保険とこどもNISA、どちらを選ぶ?
――教育資金づくりとして学資保険や貯蓄があります。まずは学資保険とこどもNISAの違いを教えてください。
井戸美枝さん(以下、井戸さん):学資保険は子どもの教育資金を積み立てることを目的とした貯蓄型の保険です。保護者が契約者となって満期保険金や受取時期を決め、満期になったらお金を受け取れます。契約者が死亡した場合や高度障害状態になった場合は、それ以降の支払いが免除される商品もあります。
一方こどもNISAには、満期という考えはなく、学資保険のような保険料払込免除の仕組みはありません。ただ積立を途中でやめられないわけではなく、家計の状況に応じて積立額を減らしたり、一時的に積立を停止したりして運用を続けられます。
――自由にお金を引き出せるか引き出せないか、にも違いがありますね。
井戸さん:必要なときに自由にお金を使えないのは、学資保険のデメリットと言えるでしょう。満期になる前にお金が必要になり解約をする場合、元本割れをしてしまう可能性もあります。こどもNISAは、一定の条件を満たせば、12歳からお金を引き出せます。
――他に注意したいことはありますか?
井戸さん:学資保険は加入するときに、支払う保険料と満期に受け取る金額を決めます。満期には決めた金額を受け取れるため安心感はありますが、その間に学費も上がり、教育資金が足りなくなる可能性もあります。
こどもNISAも相場の動きで増え方は違いますし、選ぶ投資信託によってはもしかしたらマイナスになるタイミングもあるかもしれません。しかし長期で運用することで、短期的な相場変動の影響を抑えることは期待できます。
もうひとつ、金融機関は変えられないので、こどもNISA口座を作るときは慎重に選んでください。
――こどもNISAには、学資保険のように、親に万一があった場合に保険料の支払いが免除されるという制度はないと思いますが……。
中野さん:支払いの免除に相当する備えが欲しいなら、生命保険を利用する手もあります。年齢にもよりますが、掛け捨てなら費用が安くなるでしょう。
――ズバリお聞きしますが、学資保険とこどもNISAどちらかを選ぶとしたら、どちらをすすめますか?
中野さん:こどもNISAですね。学資保険を選ぶ人にその理由を聞くと、自分の親が学資保険を使っていたからという人が少なくないんです。当時は学資保険が主流だったかもしれませんが、幸い今後新しい制度ができます。視野を広げて、よりよい制度を取り入れて欲しいです。
貯蓄とこどもNISA、どちらを選ぶ?
――貯蓄とこどもNISAを比較するといかがでしょうか?
中野さん:貯蓄の場合、いつでも引き出すことができるため、必要なタイミングで使うことができます。一方で利息はまだまだ低いですから、ほぼお金は増えないと思っていいでしょう。これからの日本では、貯蓄はインフレに最も弱いお金の置き場所になります。
――こどもNISAは運用によって減ることもありますが、貯蓄は減ることはなく安心ではないでしょうか?
中野さん:貯蓄してもお金自体は減りませんが、昨今の物価上昇ではお金の価値が減ってしまいます。例えば、数年前まで1,000円で買えていたものが1,100円になったとします。1,000円を貯蓄していても、同じものを買うにはあと100円足りません。同じものを買うためには貯蓄も1割増やしておく必要があります。学費に関しても上昇傾向ですから、現在の金利ではその上昇に追いつかず、貯蓄をしていてもお金が足りないという可能性はあります。
いつからこどもNISAを始めればいい?
――こどもNISAで子どもの教育資金を作るとなれば、少なくともどのくらいの期間があるのが理想でしょうか?
中野さん:私としては、少なくとも10年は見てほしいです。年齢で言うと、7歳までには始めてほしいですね。最も理想的なのは0歳から始めて、約17年の時間を使うことです。子どもが産まれたら、この先にいつお金を使うタイミングがあるのかを考えて、それに向けてお金の計画を立てることはとても重要ですね。
――しかし、2027年の時点で子どもが中学生や高校生という家庭もあると思います。その場合、こどもNISAは活用しない方がいいのでしょうか?
中野さん:もしあと1~2年しかないとなれば、こどもNISAで投資をしてもマイナスになってしまう可能性はあります。貯蓄を中心にせざるを得ないですね。
ただこどもNISAは、18歳以降は現行NISAに移行しますから、引き続き非課税制度の活用はできます。こどもNISAで考えると期間は短いですがその後は長いので、学費目的でなければ残り時間は気にしなくてもいいでしょう。NISA3割、貯蓄7割などというように、分散させる方法もあります。
井戸さん:教育資金を使いたいときでも、相場が下がっているときは貯蓄から、相場がいいときにはこどもNISAから引き出すという方法もとれます。家庭によってお金の事情やリスクの取り方も異なりますが、こどもNISAを活用するならできるだけ早い段階で始めてほしいですね。
編集後記
子どもの教育資金をつくるためには、貯蓄や学資保険の活用もあります。しかし、それでは「増やす」ことが難しいとの指摘が。投資を行うこどもNISAも相場の動きに影響されるため、時間をかけることが重要になってきますね。中野さん曰く、少なくとも10年。小さい子どもがいるならば、できるだけ早くこどもNISAを活用するのがカギになりそうです。一方、すでに子どもが中学生や高校生であっても、貯蓄と併用していくとよさそうですね。
取材、文・川崎さちえ 編集・編集部 イラスト・善哉あん
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