<NHK・テミスの不確かな法廷> ネタバレ注意!ラスト第8話に込められた安堂の決意 | ママスタセレクト - Part 3

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<NHK・テミスの不確かな法廷> ネタバレ注意!ラスト第8話に込められた安堂の決意

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NHKで毎週火曜夜10時から放送の『テミスの不確かな法廷』。安堂(松山ケンイチ)の父であり、次長検事の結城(小木茂光)はなぜ亡くならなければならなかったのか。前橋一家殺人事件の犯人は誰なのか。司法界の正義は守られるのか。安堂のカミングアウトにママたちも思わず涙した最終回の第8話を振り返ります。

結城の死と「前橋一家殺人事件」の真相

ドラマの開始早々、結城を殺した犯人として部下の前田(角谷良)が捕まります。結城は、前田と口論となり突き飛ばされ、頭部を打って亡くなっていたのでした。しかし、詳細な理由は明かされないまま。「何があったのか知りたい」という安堂は、結城の最後の1日を辿ることにするのです。

そんな安堂を心配して、待ち伏せしていた弁護士の小野崎(鳴海唯)。ひとりで大丈夫だという安堂に、「ふたりだともっと大丈夫ですよね」とさらっと言う小野崎に安堂がどぎまぎする姿に、このバディを見られるのももう最後なのか……と寂しくなりました。

一方、25年前の「前橋一家殺人事件」で死刑が執行された秋葉(足立智充)の再審請求。裁判所の職権を用いた捜査で、防犯コンサルタントの木内(矢柴俊博)が犯人として浮上した第7話でしたが、引き続き事件とのつながりについて調査を進めます。すると、前橋一家殺人事件の被害者が持っていた名刺の不動産業者・辰巳俊樹と木内は同一人物で、「多和田満」という人物だったことが明らかになります。そして、安堂が得た情報を含めてたどり着いた真相は……。

2007年に秋葉の死刑が執行されたあと、2008年に別の事件で逮捕された多和田の指紋を採取したことで、結城は「前橋一家殺人事件」の犯人は秋葉ではなく、多和田だったことに気がつきます。けれど、すでに秋葉の死刑は執行されている……。真実を知った結城や一部の検察は、この事実が明るみに出れば「司法は終わる」と組織のために沈黙を選んだのでした。

本当のことは言えないけれど、殺人犯の多和田を野放しにもできないと考えた結城。定期的に多和田の動向を探り、「前橋一家殺人事件」の再審請求のタイミングで木内が関わる事故の情報を匿名で裁判所に送り、真実を明らかにすることを安堂に託したのです。

しかし、今回も検察が出した答えは、「前橋一家殺人事件の不明指紋(おそらく多和田の指紋と一致するはず)が見当たらない」というものでした。

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安堂のカミングアウトと司法の正義のあり方

それでも、他の新証拠をもとに、門倉(遠藤憲一)・安堂・落合(恒松祐里)の3人の合議によって決まった再審開始。これまで「発達障害の裁判官に裁かれたくないのでは」という思いから、周囲にも伝えられなかった安堂は、再審請求の決議の場で、発達障害であることをカミングアウトします。13歳で出あった六法全書を頼りに生きてきたこと。そして、自分も社会の役に立ちたい、必要とされたいと思ってきたこと。そして、みんなの“普通”を守るこの仕事が好きなこと。

そして、安堂には安堂の志した理由があるように、司法に携わる人間一人ひとりにその道を志した理由があり、その根底にある「正しいことをしたい、正しくありたい」という気持ちは同じなのでは、と問いかけます。それでも、誰もが正しいことをしていても、間違いが起こることはあるし、でも個人の正義、理屈や正義感は、組織の理屈で塗りつぶされてしまうこともある。だからこそ、

『わからないことをわかっていないと、わからないことはわかりません。わからないことをわかっていないと、わからないことはわからないんです。わからなくてはいけない。何があったのか、明らかにしないといけない』

『起きてしまったことは変えられない。そこから始めるしかないんです』

安堂の6分を超えるひとり語りに込められた切実な思い。安堂が問いかけるのは、おそらく、フィクションのなかだけの話ではなく、現実にも通じる部分があるのでは、と考えさせられました。

再審開始の裁判所の決定に対して、検察は異議申し立ての即時抗告をしないと決め、真実に向き合う覚悟をしたのです。

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特性と個性

安堂を取り巻く人々は、小野崎も門倉も落合もそれぞれが個性的で、その違いをお互いに認め合える温かいチームでした。安堂のカミングアウトについても、「個性だと思ってた」「みんなどこかで“普通”ではない。線引きをすることは難しい」「裁判官はみんな変わってますからね〜」と口々に話します。
一方、安堂は、「特性を個性と言い切るには高いハードルがあります。私はそうは言い切れません。今でも怖い。ただ、いつか、いつの日か特性を個性だと言い切れるように、なりたいと思います」と正直な気持ちを伝えるのです。

人はみんなそれぞれ“普通”ではない個性があって、だからこそ面白いし、お互いに影響し合えるのだということを、このドラマを観て改めて感じました。そして、現実の世界もこんなふうにお互いを尊重し合える世の中だったら、と思わずにはいられません。同時に、当事者だからこそ感じるハードルがあるのだということも、忘れないでいたいなと思いました。

そして安堂が本当のことを伝えられたことに涙するシーンには、ママたちからもこんなコメントがありました。

『すごく良かった! 泣いた〜』

『お父さんが亡くなったときでさえ涙が出なかったのに、ホッとして泣くなんて』

最後に、安堂が道端に落ちていた綿毛を拾い、花壇の土に返すシーンがあります。1話の冒頭では、子どもの頃に「普通じゃない」と周りに言われたことを思い出し、拾えなかった綿毛。父である結城と直接和解をすることは叶わなかったけれど、安堂はその先に踏み出したのでしょう。

そしてさらに安堂は、裁判所のテミスの像の前で小野崎にこんな言葉を話します。

『人間は転びながら、転びそうになりながら、歩く。僕はこれからも転びます、転びそうになります。でも、それでも前を向いて、歩いていきます』

かつて結城が安堂にかけた「前を向いて歩くんだぞ」という言葉に応えるようなこの言葉にも、胸が熱くなりました。この先の安堂をもっと見てみたいな、とついつい続編を期待してしまう、そんなドラマでした。

文・佐藤さとな 編集・編集部 イラスト・神谷もち

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
NHK ドラマ10 「テミスの不確かな法廷」