後藤真希(2):第2回 娘が結婚する日を想像して、勝手に感動しています
連載2回目は、ママとしてスタートした日々についてお聞きしました。
甥っ子を赤ちゃんのときからお世話をしてきたという後藤さんにとっては、出産後の初めての育児が「初めて」と感じなかったそうですよ。
産後の入院生活の思い出はありますか?
私が出産をした病院は、ご飯がすごくおいしかったんです。だから、毎日、ご飯の時間が楽しみでした。あとは「入院してると、こんなに楽できるんだ!」と思いました(笑)。だから産後の入院生活は、すごく居心地が良かったですね。
産後の入院生活のなかで驚いたことや、印象的だったことを教えてください。
入院中って部屋で寝ていると、夜中でも突然看護師さんが部屋に入って来たりするじゃないですか。
最初は、「何!?」ってびっくりしちゃいました。けれど、いつでも赤ちゃんのことや私の産後のケアなどいろいろお世話してくれるから、「あぁ、産婦人科って夜中も関係なく、24時間人が動いてるんだなぁ」と改めて感じましたね。
入院生活があまりに快適過ぎて、まるでホテルにいるような気分になっていましたが「授乳の時間ですよ」と、真夜中に看護師さんが部屋をノックして呼びに来るたびに、なんだか不思議な感覚があったのを覚えています。
入院生活は、母子同室ですか?
本来はそうなんですが、娘は黄疸(おうだん)が出ていて保育器に入っていたんです。
なので、病院では私が退院する前日の夜だけ、母子同室で過ごしました。翌日私が先に退院し、その次の日に改めて病院に娘を迎えに行って。入院中は、ミルクやオムツ替えで、新生児室へお世話をしに行くのがとても新鮮でしたね。
初めての出産を経験して、後藤さんが産後に大変と思ったことはなんでしたか?
トイレですね……(笑)。笑っちゃうんですけど、本当に、どこに力入れて良いのかまったくわからなかったんですよ(笑)。
「あれ? これ、どこをどうしたら良いの?」みたいな(笑)。あれは、本当にびっくりしましたね。
あとは、胸がパンパンに張った時に「あ、これが噂の“パンパンになる”ってことなんだ!」と感動したり。
何もしていなくても、娘のことを考えるだけで、ジワーっと母乳が出てきたりして、「母性ってすごい!」と驚いていました。
噂に聞いていたことが、実際に自分の身体に起こることも不思議だし、「なにこれ!?」って思うこともたくさんあるから、産後は驚きの連続でした。
産後のホルモンバランスの影響で“産後クライシス”に悩むママも多くいるようです。後藤さんは産後にホルモンバランスの変化で悩んだことはありましたか?
あまりなかったかもしれないです。というのも、娘を生んだのが12月7日だったのですが、1ヵ月しないうちにお正月休みが始まって、旦那さんが家にいる時間が多かったんですね。
最初からすごく協力的だったので、仕事が休みなぶん、娘をみてもらえる時間もあったから、気分の浮き沈みもなかったですね。
そういう意味で、12月のすごく良いタイミングで出産したのかな? とは思いましたね。
産後、旦那さんにイライラはしなかったですか?
イライラはします。それは、今でもしますね(笑)。
育児にはすごく積極的な旦那ではあるんですけど、それでもやっぱり日々の育児の中で、「自分で産んでみたまえ」って思うことが何回もあります(笑)。
イライラすることはあるけど、男と女は違うからいくら言ったところで理解できないんだろうなぁという気持ちもあります。なので、イライラしても、最終的にはあきらめて、自分の気持ちを落ち着かせてます(笑)。
出産後、ご自宅に戻られて赤ちゃんとの生活がスタートしたときの気持ちはいかがでしたか?
私、「子育て」が初めてという意識が、そこまでなかったんですよね。
お姉ちゃんの子どもが小さなときからずっと面倒見ていたし、お風呂に入れたりもしてたから、赤ちゃんのお世話をすること自体は、初めてという感覚でもなくて。
ただ、やっぱり「赤ちゃんってすごくかわいいな」というのはありました。
「ずっと見ていたくなる」という気持ちがわかると思ったし、やっぱり「自分の子どもってすごい」という感動がありましたね。自分の子どもって特別ですよね。
この愛おしい気持ちは、今もずっとあります。
ご主人は、育児に積極的に参加してくれますか?
します、します!
逆に、旦那さんの友達に、「オムツ替えなんて1回もしたことない」とか言う人がけっこう多くて。
そういう話を聞くと、「はぁぁぁぁぁ!?」ってなります。
例えば、「ウンチだとオムツは替えない」と聞くと、驚きます。
もし、うちでそんなこと言われたら、「即離婚だね!」って (笑)。
だって、子育ては夫婦2人でするものだと思うので。旦那は、自分で気がつけばオムツも替えるし、私が手を離せないときに頼んだらやってくれるし、それは「ありがとう」と思うけど、やって当然のことだとも思っています。
「ママになりたい」とずっと思っていたという後藤さんが、実際、ママになって嬉しかったことはなんですか?
娘が、ちょっとずつ成長していくのがすごく嬉しいですね。
今あることに対して感動するというよりは、先のことを考えて勝手に感動することがあるんです(笑)。
ふとしたときに、「あぁ、この子も結婚するんだよなぁ」とか、「ということは、私がおばあちゃんになる日がくるんだなぁ」とか。
もう少し近いことだと、「この子が、運動会でがんばって走ったりするのを、下の子と一緒に応援するのかなぁ」とか。
そういうことを想像できるのも嬉しいですね(笑)。
娘さんが成長した日を想像して感動してしまう、と語る後藤さん。パパが育児に積極的に関わってくれるのも素敵ですよね。次回は「育児をしていく中で大変だったこと」についてお話を伺っていきます。お楽しみに!
(取材、文・上原かほり 撮影:chiai)