<NHK・テミスの不確かな法廷>発達障害の裁判官。わからないことをわかろうとすれば見える世界 | ママスタセレクト - Part 3

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<NHK・テミスの不確かな法廷>発達障害の裁判官。わからないことをわかろうとすれば見える世界

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NHKで毎週火曜夜10時から放送の『テミスの不確かな法廷』。新聞記者である直島翔さんの同名小説が原作のドラマです。

「“普通”ならどうするだろう」「なんで“普通”にできないの?」。日常生活のなかで、そんなふうに考えたことはありませんか? 私たちは知らず知らずのうちに、ぼやっとした「普通」という見えない基準をもとに行動しているのかもしれません。でも、もしそんな「普通」がよくわからなかったら……?

主人公の安堂清春(松山ケンイチ)は、幼少期に発達障害と診断された裁判官です。

特性を隠し「普通」を探りながら生きる主人公・安堂

『僕は宇宙人。生まれながらにして地球人の普通がわからない』

主人公・安堂は、幼少期にADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)と診断され、「普通がわからない」ことでいじめを受けながらも、主治医・山路薫子(和久井映見)と共に一生懸命「普通」を探りながら生きてきました。明確なルールがないと混乱してしまう安堂にとって、法律は生きるための教科書。そして誰にとっても変わらないルールである法律をもって人を裁くことができる裁判官になったのです。

安堂は日常生活では、何とか地球人に擬態しようとしながら生きていますが、なかなかうまくいかない部分もあります。たとえば同僚との会話のなかでは、行間や冗談がわからず余計な発言をし、周りを戸惑わせることも。安堂の「やってしまった……」という表情はとてもチャーミングです。しかし失敗が重なれば、「なぜ“普通に”できないのか」という周りの目に晒されます。

そんな状況でも、検察ナンバー3の次長検事である父・結城(小木茂光)の「発達障害の君に裁かれる人はどう思うか?」という言葉によって、周りにカミングアウトもできずにいる安堂。わかってほしいのにわかってもらえない、そのことが安堂を苦しめている一方で、その特性である真実に対する強いこだわりによって、事件を解決していくのです。その様子にママたちからは、こういったコメントが。

『安堂さん、もっと自信持っていいのに。普通の人とは違うかもしれないけど、みんな普通じゃない部分って持ってない? 父親の「特性は隠せ」発言が許せない!』

『夫と息子がASDだけどすごくリアル。特性はいろいろだしそれぞれ違うけど、定型の世界で生きるために定型の人の3倍は努力して傷ついてる。見ていたら泣けてくる』

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驚かされる松山ケンイチさんの演技

この作品を観ていて驚くのは、安堂を演じる松山ケンイチさんの演技です。NHK×裁判官×松山ケンイチさんといえば、2024年の連続テレビ小説『虎に翼』の最高裁長官・桂場を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。ところが、このドラマはまったくの別人。やや猫背の立ち方に揺れる目の動き、体をつい動かしてしまう仕草など、その繊細で丁寧な演技の一つひとつが安堂清春を作り出しているように感じます。ママたちからもこんなコメントが寄せられていました。

『松山ケンイチ上手だね』

『やっぱり松山ケンイチ、演技うまいなー』

『松ケンは何気にああいうときの目の表情がすごくうまいと思う』

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安堂によって、変化していく周囲の人々

『わからないことをわかっていないと、わからないことはわかりません』

安堂がこう言いながら真実を知ろうとし、実直に事件に向き合う姿勢に、周囲の人物にも変化をもたらします。都内の大手法律事務所に勤めていたにもかかわらず、ある事件をきっかけに前橋に戻ってきた弁護士の小野崎乃亜(鳴海唯)。かつては「伝説の反逆児」と呼ばれていたのに、今は2年後の定年だけを楽しみに生きる門倉茂(遠藤憲一)。任官3年目にして、将来を嘱望されるエリート判事補・落合知佳(恒松祐里)。それぞれ表面上は今の自分を肯定しているものの、実際はどこか行き詰まりを感じている3人が一歩踏み出すきっかけになったのが安堂でした。とくにこれまで何事も穏便に、丸く収めようとしてきた門倉が、4話の裁判中に裁判官としての誇りを取り戻すシーンは必見です。

“わからない”ことを、わかろうとすること

また各回の事件の背景にあるのは、物流の2024年問題、ヤングケアラー、外国人への差別など、私たちの身近に潜む社会問題です。そしてそれらは、安堂がもし真実を求めなければ、「わからない」状態のまま、都合よく見過ごされていたかもしれないものでした。

そしてそのなかでも、学校で起きた暴力事件に関する第2話で、強く筆者の印象に残った安堂の言葉があります。

『多くの人間は、場の空気によって行動が左右されます。学校は社会の縮図。小さなコミュニティでは、きっかけ次第で、異常は時に正常となりうる』

自身がいじめられていたシーンを回想した後の安堂の言葉ですが、なんだか他人事とは思えませんでした。周りの空気を読んで、違和感に目をつむり、黙ってやり過ごす。それはおそらく子どもの話だけではなく、大人の社会でも程度の差はあれど日々繰り返されていることなのではないでしょうか。そしてそのきっかけは、“わからない”ことをわかろうとしないことから生まれるのかも……。そんなことを考えずにはいられませんでした。

「わからないことをわかっていないと、わからないことはわかりません」

残すところあと3話。安堂は、父・結城が死刑判決を下した一家惨殺事件の再審と向き合うことになるようです。事件の真相とは。そして、安堂は裁判官を続けていくのか。続きが楽しみです。

文・佐藤さとな 編集・編集部 イラスト・Ponko

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
NHK ドラマ10 「テミスの不確かな法廷」