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「子どもは女性が家で見たらタダ」保育園問題が解決しない理由はここにあった!「保育園落ちた! 選挙攻略法2016」で見る夏の参院選

子育てしやすい社会を実現させるため、選挙への投票をよびかけるイベント「保育園落ちた! 選挙攻略法2016」。登壇者の一人、民進党政調会長の山尾志桜里さんは、「保育園落ちた!」ブログを国会で取り上げ、今回の選挙の争点にまで押し上げた立者。「数字だけいじって待機児童をゼロにしても何の問題解決にもならない」といい、上智大学法学部教授三浦まりさんも「子どもは家で女性が見たらタダ。そもそも予算をつける気がなかったのではないか」とし、地道に保育園問題に取り組んできた日本共産党副委員長の田村智子さんは「人が一番成長できる乳幼児期にこそしっかりと予算をかけ、質の高い保育を行うべき」と訴えました(※その他の政党の方は都合がつかず欠席)

一連の保育園問題は母親たちの熱意が政策を動かした

「保育園落ちた!」ブログを国会で取り上げたのは、事務所にいた19歳の女子大生からの訴えがきっかけだった」と話し始めたのは、民進党政調会長の山尾志桜里さん。「『今はまだ学生だけど、いつかは結婚して子どもを産みたいし、仕事も続けたい。でも、このままでは安心して子育てできない。ぜひこの問題を国会で質問してほしい』。そこからこの試合が始まりました。ブログを書いた人、それを拡散した人、署名をした人、国会でのデモに集まってくれた人、プラカードなどを作ってくれた人。そして私はたまたま国会で質問する役をやらしていただきました。そうやって「声をあげれば政治は動く」という成功体験をみんなで1つ作りたいですよね。それが政治を変えていくのです」と訴えました。

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民進党政調会長 山尾志桜里議員

同じく、長年保育園問題に取り組んできた参議院議員副議長田村智子さんも「山尾さんが国会でブログを紹介してくれて、バッと世論に火がつきました。その実態を調べたうえで3月14日の参議院予算委員会で安倍総理に質問することができました。その後も山尾さんと一緒に野党で保育士の給料の引き上げの法案提出など、みなさんの世論が国会を大きく揺るがせたなというふうに感じております」と、母親たちの訴えが政治を一歩前進させたことを力強く語りました。

人が一番成長する乳幼児期にこそ予算をつけて質の高い保育を行うべき

この20年間待機児童問題が解決してこなかったことに対して、山尾さんは「数字の上でしかこの問題を見ていないということです。待機児童の数字をゼロにすることが目的だったらカウントの仕方を変えれば0になるかもしれない。でも本当の目的は苦しんでいる親や子どもたちに質の良い保育園を作ることではないでしょうか」と語りました。
上智大学法学部教授三浦まりさんは、「根底にあるのは、母親が家で見ていたらタダなのに、なぜそこに予算をつけなければいけないのか」というのが政治家の本音、つまり「子どもは家で母親が見るもの」という日本の社会構造と関係があるのではないかと話しました。

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参議院議員副議長 田村智子さん

田村さんも「少子化がひどくなれば女性に社会に出てこいといって男女共同参画をいいだし、それで保育園が足りなくなると今度は3歳児神話を持ち出す」としたうえで、「人が一番成長する乳幼児期に質の高い保育を行う必要があります。そのためにはGDP比で最低でも1パーセントは保育と幼児教育の予算にとるべき」と訴えました。子どもたちを取り巻く保育の環境、女性の働きやすさ、生きやすさを整えていくためにはどんな政策が必要か、しっかりと考えたいですね。

選挙は福袋ではない。政策の中身を確認し、本気度と実績を見極めるべし!

今回の選挙について上智大学法学部教授の三浦まりさんは、「選挙は福袋ではありません。各党、候補者がどんな政策を持ち、なにを重視しているのかがわからないのに、名前や政党だけで投票するのは非常に危険。おそらくどの政党も保育園問題に対してなんらかの形を示してくるでしょう。それに対しての本気度はどれくらいか、過去どれだけの実績があるのかをしっかりと見極め、自分の支持する政党に投票してほしい」と語りました。

選挙の投票日まであと一週間を切りました。今回の選挙で子育て世代がどれだけ投票に行くかによって、今後の政策が変わってくる可能性があると思うとしっかり投票に行きたいですね。

取材、文・長瀬由利子

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