<「娘やめます」の10年後>「生きていても仕方ない」私が唯一望むこと【第2話まんが:母の気持ち】
前回からの続き。私(ヨウコ)は、パートをしながらひとり細々と暮らしています。ときおり長女のミユキが様子を見にきてくれます。次女のアヤに「娘をやめる」と言われてから10年。アヤに会わないことが今の私にできる精一杯の償いだと思い、連絡も一切とらずにやってきました。数年前にミユキから、アヤが結婚をして子どもを出産した話を聞きました。アヤは元気でやっているようです。もうそれでいいと思っていたのですが、ある日、私に病気が見つかるのです。
私はずっとアヤの気持ちに見向きもせず、自分の都合や自分の気持ちだけを押し付けてきました。そのことを忘れないために、アヤの小さい頃の写真を新しく部屋に飾ったのです。それを見ながら「ごめんね……」とつぶやく毎日でした。
もちろん手術をしてきちんと治療すれば助かる可能性もありました。けれど私はもう「生きていても仕方がない」という心境だったのです。「アヤのこと、ずっとないがしろにしてきたバチが当たったのよ。だから甘んじて自分の運命を受け入れるわ……」
会わなくなって10年、私はアヤのことを忘れたことはありませんでした。むしろ「今ごろアヤは何をしているのだろう……」と思いを馳せることが増えていました。聞けば会いたくなるので、ミユキにはアヤの様子を聞かないようにしていました。そんななか私の病気が分かりました。
手術や治療が必要と言われて最初はショックを受けましたが、いつしか私は「バチが当たったんだ」と思うようになったのです。これはアヤを傷つけてきた私への罰なんだ。これから始まる治療はきっと大変なものになるでしょう。それに立ち向かう気力は私にはなく、このまま命を終えても構わないとさえ思いました。
それでもミユキは私に生きていてほしいと願い、必死で治療を勧めてきます。そのときふいに私の口から出てきたのは「アヤに会えるなら考えてもいい」という言葉でした。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子