<好きなタイプは酒豪!?>「飲んでも変わらない」穏やかな父が私の理想【第2話まんが:妻の気持ち】
前回からの続き。私は48歳のキョウカです。2歳年上の旦那ユウイチと、21歳のひとり娘リコとの3人家族です。リコも大学生になり、日々穏やかな日常を過ごしています。こんな幸せな日々を過ごせているのは、ユウイチと出会えたおかげ。ある日リコが「私もお父さんみたいにお酒が強い人と結婚したいな」と言い出し、私は就職したばかりの頃のことを思い出していました。
その日は同期のカスミと仕事の後、居酒屋で飲んでいました。実は私の両親はめちゃくちゃお酒好きです。とくに父の飲む量はすごいです。しかもどれだけ飲んでも顔色ひとつ変わりません。私はそんな父の血を受け継いでいるのかもしれません。
急に好きなタイプを聞かれ、戸惑ってしまいました。これまであまり考えたことがなかったのです。でもしいていうなら、うちの両親みたいなカップルや夫婦になれたらいいな〜。そんな思いだけは、子どもの頃からずっとあった気がします。
私はさりげなく横目で居酒屋の店内を見渡しました。すると彼女の前で延々と自慢話をしている彼氏らしき人、部下に説教をしだす上司らしき人……。向こうの方には酔って机に突っ伏して寝ている人。店員に「おい! 注文が来ないぞ!」と怒っている人もいます。
私の父はどんなにお酒を飲んでも変わらず、言葉が荒くなったり寝てしまったりなんてことも絶対にありません。ただただニコニコと楽しそうに「うん、うん」って相手の話を聞いています。私はそんな父と一緒に過ごす時間が大好きでした。
私はカスミに伝えました。「お酒が強い人がいいかな~。お酒のせいなのか、お酒のせいにしているのか、飲んで人が変わるような人は苦手なの。飲んでも飲まなくても変わらない、そんな人がいいな」
「伝えるね」? カスミの言葉に一瞬「ん?」と思いましたが……。私たちはその後も恋バナに花を咲かせたのでした。
同期のカスミに好きな男性のタイプを聞かれて私は悩んでしまいました。そんなときふと周りに目をやると、酔っぱらって人格が変わってしまったような人たち……。ふいに頭に浮かんだのは、穏やかにお酒を飲む両親の姿でした。できれば父のような人がいい。酔った相手を介抱したり心配したりする必要がなければいいなと思ったのです。楽しく穏やかに一緒にお酒を飲める男性がいてくれたら、きっと楽しく人生を歩めるはず。大好きな父を思い浮かべたときに口から出てきたのが「お酒が強い人がいい」だったのです。
原案・編集部 脚本・物江窓香 作画・ももいろななえ 編集・井伊テレ子