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田中裕二:第1回 僕のイメージする「イクメン」に、僕は全く当てはまってないです(笑)

10月19日は“イクメンの日”。10(トウサン=父さん)と19(イクジ=育児)の語呂合わせが由来です。毎年この時期に開催される「イクメン オブ ザイヤー」では、その年を代表して、育児を楽しみ、頑張ったパパが表彰されています。
2017年の「イクメン オブ ザイヤー」のイクメン芸人部門の受賞者に選ばれたのは、お笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さんです。2015年にタレントの山口もえさんとご結婚され、現在は3児の父となった田中さんがこの度、ママスタのインタビューに応じてくれました。第一回目のインタビューではパパとして変化した部分や、「イクメン」のイメージなどを語っていただきました。

田中裕二

このたびは、「イクメンオブザイヤー」の受賞おめでとうございます。受賞された感想を聞かせてください。

ありがとうございます。受賞の感想は……、自分のことをイクメンだと思ったことがないので、恥ずかしさ半分、驚き半分という感じです(笑)。

子だくさんの知り合いがけっこういて、子育てについての話はずっと聞いてたんですよ。そのときはまだ子どもがいなかったから、「大変だなぁ、信じられないなぁ……。今仕事でこんなにがんばって、家に帰ったら何人も子どもがいて、休みの日は遊びに連れていかなきゃいけないなんて……」と感じていたし。「子どもが初めて家出をしました!」なんて話を聞いたときには、「いやぁ、無理、無理!」って。まさに他人事だと思ってました。

でも今では僕も3人の子持ちになって、まさか自分がこういう賞をもらうという発想がなかったので本当に驚きました。

田中さんは、“イクメン”という言葉にどんなイメージを持ってらっしゃいましたか?

爽やかな良いパパというイメージですね。なんだろうなぁ、真面目で優しいお父さん、“イクメン”って、まさにそういうイメージですよね。そこに僕は全く当てはまらない感じです(笑)。あと僕の中では若いイメージがありますね。

ご自身が“パパ”になり、“イクメン”と呼ばれる立場になったことについてはどう感じていますか?

父親になって思うのは、「ママがこんなに大変なのか」ということですね。やっぱりそれは身に沁みます。僕にできるのは、やれるだけのことをやるというくらいです。だから「イクメンです!」なんて胸を張れるような状況は全くないし、何度も言いますけど、自分をイクメンだと感じたことはないからね(笑)。

田中さんの中で、育児に関して持っていたイメージや気持ちに変化はありましたか?

うちの場合は僕がパパになるまで、子どもたちと仲良くなっていく過程というのがあったんですね。

知り合ったころ、上の子は5歳でした。結婚をする前から徐々に交流を深めて、結婚をして、父親と娘としてやっていくまでに関係を築く過程があったのは、すごく良い経験だったと思っています。

とはいえ僕も初めての子育てだし、はじめから父親として接してきたわけではないし、もちろんこれからも大変なことはあると思うんです。僕の責任や影響力はどんどん大きくなっていくわけで。もちろん叱ることだってあります。

“子育て”とはこういうことを言うんだろうけど、改めて難しいなと感じますね。「みんな子育てに悩んでる」「子育てに正解はない」、そういうことが本当によくわかるようになりました。

田中裕二

ではパパになったことで、ご自身が変わったなと感じるのはどんなことですか?

そうですね。日常の生活、家での生活においては圧倒的に子どもが中心になりますよね。今までは1人で自由にやってきたことが、子ども中心になってできなくなったりする。でもそれが、そんなにイヤじゃないということがわかったんです。

たとえば子どもが忘れ物をして、僕が学校に届けるとするじゃないですか。以前の僕だったら、めんどくさいし、そんなこともするのか、子どもがいると大変だなというイメージを持っていました。だけど実際に持っていったら、子どもに感謝されて、嬉しかったんです。それに子どもは、学校という普段会うことのない場所で親に会うとなんかちょっと嬉しそうなんですよ。そんな子どもの顔を見ただけで、僕も嬉しい気持ちになったりするんです。

そういう感覚は、独身のころには想像もつかなかったことですね。

“イクメン”という言葉はさまざまな捉えられ方をしますが、田中さんはこの言葉がどんなふうに広まると良いと思いますか?

“イクメン”という言葉が、「もっと育児をしろ!」というイメージになってしまうのは、よくないと思いますね。

「旦那さんが育児に参加する意識を高めていく」ということを広めていくのは大事なことだと思うけど、「“イクメン”にならなきゃいけない!」と、パパが疲弊しちゃうのは本末転倒だよね。

僕は今のところ、育児を自分から楽しんで……と言って、大変なこともあるけど(笑)、使命感みたいなことでやってるつもりはないからね。奥さんの負担をちょっとでも減らしてあげたいという気持ちプラス、子どもがかわいいからもっと好かれたいという感じなのかな。


父親となり「ママがこんなに大変なのか」と身に沁みた田中さん。ご自身のことを「イクメンと感じたことはない」としながらも、子どもが中心の生活を楽しんでいると語る表情は、テレビに出演する田中さんとはまた違う“パパ”としての顔でした。次回も引き続き田中さんの育児について伺います。お楽しみに!

取材、文・上原かほり 撮影:泉三郎

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