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<弁護士に聞く!離婚>別れを切り出す前に確認しておきたいお金・住まい・子どものこと【第1回】

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「この人と家族を続けていくのは難しいかも」。たとえ離婚が頭に浮かんでも、「子どもを抱えて、この先ひとり親で生活していける?」「生活費は足りる?」「どこから手をつければ?」と、今後の生活のことを考えると不安ばかりが募るのではないでしょうか。なかなか人には聞きづらい離婚までのプロセスと、離婚後の暮らし。自分と子どものこれからの生活のために、どんな準備をしておく必要があるのでしょうか。

今回は、自身もひとり親としての子育てを経験したアディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に、編集部に寄せられた「離婚を考えているママ」たちの悩みについて、アドバイスをいただきました。
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「離婚を考えています」あるママからの質問

『子どもがいますが離婚を考えています。住む場所や収入など、不安なことばかりです。養育費や財産分与についても、夫と落ち着いて話し合える自信がありません。別居や離婚を相手に伝える前に、最低限どんなことを準備しておけばいいですか?』

離婚を考えているママの切実な悩み。そんなママにかわり、離婚前に準備しておきたいことについて、編集部がアディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に聞きました。正木弁護士ご自身も、ひとり親としての子育てのご経験をお持ちです。

まず必要なのは、離婚後の生活を具体的にイメージすること

── 離婚を考え始めたとき、まず何から準備し始めたらいいですか?

正木裕美弁護士(以下、正木弁護士):まずは、離婚後の生活を具体的にイメージしましょう。特に、当面の生活費について考えておくことは重要です。

別居中は生活費(婚姻費用)、離婚後は養育費や財産分与を相手に請求できる可能性があるものの、必要なタイミングで確実に入ってくるとは限りません。

養育費も、将来、双方の収入や子どもの生活状況などの事情が大きく変われば、増額・減額が問題になることがあります。
そのため相手から受け取るものに期待を抱かず、まずはできるだけ自分の収入を中心にして、生活が成り立つかを考えておくことが必要です。

── 離婚後の住まいは、どうしたらいいですか?

正木弁護士:まず、「どこに住むのか」を考えましょう。自宅に住み続けるのか、実家に戻るのか、新たに賃貸住宅を借りるのか。賃貸住宅に移る場合には、毎月の家賃だけでなく、敷金・礼金、仲介手数料、引っ越し費用など、初期費用も必要になります。
持ち家であれば、名義や住宅ローンをどうするのか、売却するのか、住み続けるのかも検討が必要です。

転園や転校、習い事、預け先…。子どもの生活はどう変わる?

── 子どもがいる場合、何を考えておけばいいでしょうか?

正木弁護士:離婚によって、親だけでなく子どもの生活環境も大きく変わる可能性があります。転園先や転校先、引っ越し先の教育環境、子どもが小さい場合は預け先の確保など、離婚後の生活を具体的に考えておきましょう。その際は、「自分がどうしたいか」だけでなく、子どもの気持ちや幸せを大切にしながら検討することが大切です。

毎月の生活費と、「もしも」の出費を想定する

── お金については、どこまで考えておけばよいですか?

正木弁護士:公的な支援については、離婚前に役所へ相談しておくと、離婚後に慌てずに済みます。また、家賃や住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険料、教育費、医療費など、毎月の支出を細かく書き出し、自分の収入や公的支援で生活が成り立つか確認しましょう。
養育費や親族からの支援など、確実とは言い切れない収入は、あてにしすぎないことも大切です。

さらに、子どもの急病や養育費の支払いが遅れるといった不測の事態に備えて、ある程度の予備費も準備しておく必要があります。

養育費は、離婚前に決めておく

── 養育費は、離婚してから決めてもよいのでしょうか?

正木弁護士:離婚後、時間が経ってからでも養育費を請求することはできます。しかし、元配偶者との話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停や審判が必要になり、解決まで時間がかかることもあります。

養育費の支払いを受け取りやすくするためには、できる限り離婚成立前に、金額や支払方法などを取り決めておくことが大切です。養育費は親のためのお金ではなく、子どもの生活や成長のためのお金であり、親の責任として負担すべきものです。

お金だけでなく「頼れる人」も準備しておく

──お金以外に準備しておいたほうがよいことはありますか?

正木弁護士:いざというときに頼れる人や利用できるサービスを、見つけておくといいですね。働き方、働く環境についても見直しておくとよいでしょう。

私自身、シングルマザーですが、仕事を休めないなかで、子どもの入院の付き添いや自身の病気が重なったことがありました。その際は、家族に世話を頼んだり、シッターさんを探したりしました。

その経験から、子育てに理解のある勤務先を選ぶことに加え、お金だけでなく、頼れる人や利用できるサービスをあらかじめ見つけておくことが、いざというときの安心につながると実感しています。

仕事をしている方は、勤務先で利用できる制度がないか、離婚後も育児と仕事を両立できる環境か確認しておきましょう。仕事をしていない場合や、現在の仕事だけでは生活が難しい場合は、就職や転職、資格取得などを離婚前から考えておくと安心です。

困ったときは、早めに専門家へ相談する

── 離婚について一人で判断するのが難しい場合、どうすればよいでしょうか?

正木弁護士:離婚前後を問わず、不明な点や困ったことがあるときは、一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

弁護士費用を心配する方もいるかもしれませんが、無料相談を行っている法律事務所もあります。また、一定の条件を満たせば、「法テラス」による民事法律扶助制度を利用できます。この制度では、無料相談や弁護士費用の立て替え払い(弁護士費用を立て替えてくれる制度)を受けられます。
なお、DVやモラハラがある場合は、相手と直接交渉することを避け、弁護士や配偶者暴力相談支援センターなどに相談してください。

離婚前にまずやっておきたいこと

・離婚後に「どこに住み、毎月いくら必要か」を具体的に考える
・自分の収入を中心に、生活が成り立つか確認する
・子どもの転校・転園、預け先などを考える
・養育費・生活費(婚姻費用)を事前に取り決めておく
・急な出費に備えた予備費や、いざというときに頼れる人・サービスを確保する
・利用できる支援制度などを確認する


離婚後も安定した生活を送るためには、離婚前から情報収集を行っておくことが重要。お金、仕事、衣食住、子育てについて具体的かつ現実的な見通しを立て、準備しておくことが大切です。

※利用できる制度や必要な手続きは、家庭の状況や自治体によって異なります。実際に別居や離婚を進める際は、お住まいの自治体や専門家へご確認ください。

取材、文・長瀬由利子 編集・Natsu イラスト・金のヒヨコ

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