<またいる!カメムシ>実はマッチョ!?ちいさくてクサイやつ、なぜ大量発生する?【第1回】

網戸やガラス窓、洗濯物にくっつき、触ると嫌なニオイを放つ「カメムシ」。春先、秋口といった過ごしやすい季節に見かけますが、対応に苦戦することもあるのではないでしょうか。特に大量発生すると至る所にカメムシがいて、「ここにもいるのか!」と言いたくなってしまいますよね。そもそもなぜカメムシは大量発生するのでしょう。そのような疑問を解決するため、KINCHOでおなじみの大日本除虫菊株式会社、コミュニケーション本部 宣伝部 広報室の加原朋子さんにお聞きしました。
秋のカメムシは越冬のために山から飛んでくる
――カメムシの大量発生は、どうして起きるのでしょうか?
加原朋子さん(以下、加原さん):カメムシは種類によって発生時期が異なりますが、なかでも春や秋に目立ちやすいのがツヤアオカメムシではないでしょうか。秋の大量発生についてお話しすると、この時期のカメムシの目的は越冬準備になります。
実はカメムシは、夏の間に家の近くにいてじっと秋を待っているというわけではありません。夏場は山にいて、秋になると冬を越すための場所を求めて飛んでくるんです。もちろん全てのカメムシが山にいるわけではありませんが、大体が山や林の中にいます。
――山から飛んでくるということは、カメムシはかなりの距離を飛べるということですか?
加原さん:カメムシは比較的小さな虫ですし、体型もズングリムックリしているのであまり飛べるイメージがないかもしれませんが、自力飛翔に加えて、風に乗って数十キロメートルは飛べます。また上にも飛べて、マンションの高層階(10階程度)にも飛んで行けるんです。
そして、カメムシが飛んできてガラスにぶつかると、硬い音がしませんか? あの音からもわかるように、カメムシは甲羅のようなものを身に纏っています。カメムシからすると結構な重さになりますが、それを着用したまま長距離を飛べるくらいの筋肉があります。つまり、カメムシはマッチョなんですよ。
冬を生き延びるカメムシも。大量発生するサインは春の花粉
――そんな重い甲羅を背負ったマッチョのカメムシが山からブーンと飛んでくるということは、山に近い地域の方が大量発生しやすいですか?
加原さん:多少は関係するとは思いますが、今は全国でカメムシが大量発生します。カメムシの主食はスギやヒノキの実です。現在は全国的にスギやヒノキの森や林がありますよね。昭和30年代から50年代にかけて、政府の植林政策により、山にスギやヒノキが植えられました。50年近く経った今、それらの木は大きくなって実がどっさりなります。カメムシにとっては食料に困らない状況です。
秋口に山から飛んできても越冬できないカメムシもいますが、温暖化の影響で冬が暖かくなり、冬を生き延びるカメムシも増えました。餌に困らないこと、気候変動で冬が暖かくなったことの2つの要因から、ここ数年はカメムシが増えてきています。
――カメムシが大量発生するサインのようなものはあるのでしょうか?
加原さん:春にスギやヒノキの花粉が多いとそれだけ、カメムシの食料である実もたくさんなり、結果、秋に大量に発生する可能性はあります。ただ台風の発生によって大量に死ぬなど天候の影響も考えられるので、正確に予測するのは難しいかもしれません。
編集後記
カメムシは重い鎧を身につけて長距離を飛べるということから、実はマッチョさんということがわかりました。また大量発生の背景には、全国的にスギやヒノキが植えられていることが一因としてあるとは……。都市だからカメムシがいないというわけではなさそうで、カメムシが全国的なお悩みになるのも納得です。
取材、文・川崎さちえ 編集・編集部 イラスト・吉田ぱんだ
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