<PTAにNOと言える?>役員決めで想定外のルールが発覚。辞退した人はかっこいい?わがまま?

PTAの役員決め。あの会場に漂う「誰がババを引くか」とでも言いたげな重苦しい空気は、何度経験しても胃が痛くなるものです。特にルールが不透明だったり、事前の説明と食い違っていたりすると、不信感はピークに達するでしょう。
『PTAの役員決めで、ハッキリと自分の意見を言うママがいました』
投稿者さんのお子さんはもうすぐ小学5年生。PTA役員決めで驚くべきことが判明しました。なんと事前説明にはなかった「5年生は免除特典なし」という後出しルールが存在したのです。会場全体が騒然とするなか、ひとりのママが「納得できないので辞退します」と宣言。そしてそのまま帰宅しました。投稿者さんはそのママの潔さを「立派だ」と感じたのだそう。ところが周囲の反応は「わがまま」「神経を疑う」と批判的。結局、空気に飲まれて面倒な係を引き受けることになってしまった投稿者さん。正論を貫いたママを悪く言う周囲の反応に、強い違和感を抱いてしまいました。
事前説明にないルール。騙し討ちなんてひどすぎる
騒動のきっかけは、学校側が提示したルールの矛盾でした。「旗当番の係をやれば翌年は免除」という誰もが知るルールがある一方で、小学5年生の親がそれをやっても「小学6年生では必ず専門委員をやってもらう(免除なし)」という謎の優先ルールが、当日口頭で告げられたのです。
『「5、6年の保護者は免除の適用はせず、通年でやってもらいます」って書かないのは学校側が卑怯だよ。まあ、そうしたら誰も来ないからわざとやってるんだろうけど』
『この場合はシステムが穴だらけで選出役が不親切。暗黙の了解的なことって「みんなに同じ説明をする」のが大前提で成り立つもの』
『私も「じゃあ来年引き受けます」って帰るかも。ちょっと騙し討ちみたいな感じだもんね。そのママさんはカッコいいし筋が通ってる。そして不公平感が生じる現状のルールに一石を投じた発言だと思った』
事前に配布されたプリントに記載がない以上、参加者が「話が違う」と反発するのはもっともです。しかしPTAという組織では、なぜかこうした「後出しジャンケン」がまかり通ってしまうことが少なからずあるもの。運営側が意図的に伏せていたのか、単なるミスかはわかりませんが、受け手からすれば「騙された」と感じて当然です。そんな不当な要求に対し、毅然と辞退したママの判断は、筋が通っているといえるでしょう。
「かっこいい」or「神経を疑う」?
興味深いのは、その場に残ったほかのママたちの反応です。投稿者さんは辞退したママの勇気を称賛しましたが、ほかのママたちは陰で非難しました。なぜ同じ行動を見て、ここまで正反対の感情が生まれるのでしょうか。
『私は、その方の行動は大人げないと思いますよ。PTAだから許されるだけで、会社ならかなり問題行動です』
『そのママさんは気にしない人なんじゃないかな。文句を言ってた人たちは羨ましかったんだろうなと。PTAは仕事じゃないしね』
『「神経を疑う」なんて負け惜しみにしか聞こえないね。やりたくないからこそ、行動する人に対しては批判しかできないなんてみっともない』
『私は意見を言って帰るタイプだなぁ。陰で何て言われてもどうでもいいし、損をしたくないし時間も無駄にしたくない』
空気を乱したことを罪とする人たちは、ハッキリと意見を言ったママの行動を「和を乱すわがまま」と考えます。一方で「おかしいものはおかしい」と言える人を「かっこいい」と思いつつ羨ましく思い、非難してしまう層も確実に存在するでしょう。今回のコメントでは辞退したママを称賛する意見が目立ちました。「半ば強制参加のボランティアだからこそ、個人の意思決定や納得感が尊重されるべきだ」という現代的な価値観が透けて見える結果となったのでしょう。
不満を陰口で終わらせない!勇気ある一歩とは
私たちは場の空気を壊すことを極端に恐れがちです。しかし不条理なルールに黙って従い、後で陰口を叩くことが本当に「大人の振る舞い」なのでしょうか。ママたちの間では、沈黙を破ることの重要性についても議論されました。
『誰かが言葉にすることで、すぐではなくても流れは変わっていくかも。不満はあるくせに言わずに、発言した人を悪く言う人たちは、ルールが変わったときシレッとそれに乗っかるんだよね』
『保護者は移り変わっていくんだから、誰が読んでも「?」となる表現がないようにするべき。声をあげた人が陰でゴチャゴチャ言われるのはなんだかなぁ』
結局のところ問題の本質は、辞退したママの性格ではなく「不備のあるシステム」そのものです。そのママが声をあげたことで、少なくともその場の全員が「このルールはおかしい」と再認識したはずです。もしそこで投稿者さんや他のママたちが「私もそう思います」と一歩踏み出せていたら、学校側のルール改定へとつながったかもしれません。誰かひとりを「変わり者」として切り捨てるのではなく、その声を「システム改善の種」として拾い上げる。それこそが風通しのよいPTAをつくる第一歩ではないでしょうか。
和を乱さないことは確かに大切です。しかしその選択肢だけが必ずしも正解ではありません。現代のパパやママたちはみんな、家庭や仕事、介護など、分刻みのスケジュールのなかで生活しています。そんな貴重な時間を割いて参加するPTA活動が、不透明なルールによってさらに負担を強いられるのは、あまりにも不条理です。
「みんな我慢しているから」「ここで言ったら浮いてしまうから」……。そんな理由で自分を押し殺すことは、結果として不条理なシステムを延命させることにしかなりません。勇気をもってNOを言ったママは、決して身勝手なのではなく、自分の時間と意志を大切にする姿を示してくれたのではないでしょうか。「それ、おかしいですよね」という小さなささやきが重なれば、PTAという名の古いルールも少しずつ変わっていくかもしれません。
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文・motte 編集・いけがみもえ イラスト・Ponko
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