<愛情不足>親からきょうだい差別を受けてきた人たちの心の傷。少しでも癒やす方法はある?
ふと子どもの頃の記憶がよみがえってくること、ありませんか? 幸せな記憶なら良いのですが、嫌な記憶が頻繁によみがえってくるのであれば、辛いことですね。ママスタコミュニティのあるママは、きょうだい間の差別があったそう。子どもにとって親は甘えたいし頼りにしたい存在ですが、それさえもできないとなると、辛い過去になってしまうでしょう。こんな投稿がありました。
『姉と弟がいて私は真ん中。同じことをしても姉と弟は怒られないのに、私だけ怒られていた。例えば、母が唐揚げを作って弟がつまみぐいをしても「もう~(笑)」なのに、私には「やめなさい! あんたは本当に卑しいんだから」と怒られた。部活も、姉と弟は許可されていたのに私だけダメと言われていた。今は穏やかになった母でも、やはり自分だけ差別されていた記憶があり、モヤモヤする』
姉と弟がいる投稿者さんは、子どものころに母親から差別を受けていたそう。あからさまに対応が違うので、子どもながらに悩んだのかもしれません。今では年を重ねたからか母親の差別もおさまっているようですが、投稿者さんの記憶の中から消えることはありませんね。思い出すたびに、スッキリしない気持ち、そして苛立ちもあるのではないでしょうか。母親にきょうだい差別をされていたママは他にもいて、コメントが寄せられています。
きょうだい差別、どんなことだった?
『兄はいつもおかずが一品多かったし、教育面でも違った。長男で後継ぎだからか、着るものも部屋の広さも全部違った』
『私の場合は母親が弟溺愛。小さい頃から家の写真立てには弟の写真のみが飾られ、恋人みたいな感じだったよ。部屋の暖房器具も弟の方が高価なもの。私だけ大学は奨学金。私の目から見て母の眼中に私はほとんどなかった気がする』
『姉と弟がいる真ん中。私だけ大人扱いで放置かな。毎日母の子育て(姉と弟の)相談、姑問題や父の愚痴の聞き係をして、私だけ掃除炊事買い物の手伝いをさせられていた』
兄や弟がいるママのなかには、男のきょうだいだけが優遇されていて、女であるママはあまり愛情を感じずに育ってきた人もいるようです。その背景には、男の子は家の跡継ぎという意識があったから、単にかわいげがあるからなどの理由があるようですね。また投稿者さん同様に真ん中で生まれたママは、家事の手伝いをさせられていたそう。姉や弟は子どもとして見られていましたが、そのママの場合には母親と対等の大人のように思われていたのかもしれません。
親が子どもを差別する理由
真ん中の子は放置されやすい
『女女男、男男女の真ん中はいろいろ大変なのかな。義兄の家が男男女で、長男は待望の第一子、長女も待望の女の子で可愛がられ、真ん中は放置されていた』
初めての子が生まれると大切な存在になり、初めての異性の子の場合は待ちに待った女の子という立場になるようです。すでに同性のきょうだいがいる中での真ん中の子は、親にとっては「2人目」の意識が強くなってしまうのかもしれません。3人目はいつまでも子どもで手がかかるイメージになり、真ん中の子は放置されやすいのかもしれませんね。
母親も差別を受けてきたのでは?
『お母さん自身も、きょうだいの中で差別するのが当たり前な親の環境で育ってきたんじゃない?』
母親自身、子どもの頃に親から差別を受けていたのであれば、それが当たり前になってしまう場合もあるでしょう。男のきょうだいを優遇するのが当たり前になっていれば、同じように兄や弟を優遇してしまうのかもしれません。
上の子は親を独り占めする時間があった
『金銭的にも愛情も、私はろくに与えてもらえなかったよ。どうして妹だけ可愛がるの? と何度か聞いた。「お前は2年早く生まれて、それまでは愛情を独り占めした。今は妹の番だ」と言われた。その後何十年もずっと妹の番』
上の子は親にとって第1子となり、愛情をもって育てられることも多いのでしょう。一方では下の子が生まれるまでは親と独占していたという理由で、親から冷たくされることもあるようです。「お姉ちゃんなのだから」と言われてしまい、妹ばかり可愛がられることも。きょうだいの順番を変えることはできないので、下の子が生まれた後はずっと「お姉ちゃん」になり、寂しい子ども時代を送ることになってしまいますね。
子どもの頃の経験を子育てにいかして、自分も癒やす
子どもの頃から母親にきょうだい差別をされていたママたちは、今でも心に傷を負っているのでしょう。子どもであっても、なぜ自分だけと悩んだり、悲しい思いをしたりしたのであれば、母親に対して憎しみが生まれることもありますね。その気持ちは、今の子育てにいかそうと前向きに考えることで、少しは楽になるのかもしれません。自分がされて嫌だったことは、子どもにはしないと心がけることもできます。
『性格もそれぞれ違う、年齢も違う。相性もあるし、きょうだい全員が何もかも平等というのは難しい問題ですよね』
『自分の子どもとも相性があって、本音ではどっちかを可愛いと思っているのは子育てでは「あるある」な話だと思う。でもそれを子どもに悟らせるのは違うよねと思う』
一方でママも人間ですから、全員の子どもと同じように接するのは難しいのかもしれません。子どもの中にも自分と相性がよい子、いろいろと気をかけてしまう子もいることでしょう。親子にも相性はありますが、その気持ちは心のなかに留めて行動に出さないようにしておきたいもの。親になった以上、子どもの前ではあからさまに態度を変えないよう、努力は必要になってきそうですね。
文・こもも 編集・いけがみもえ イラスト・加藤みちか
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