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小池百合子東京都知事 第1回「出会いから結婚、出産、成人までシームレスに子育て支援を」

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「子ども1人に対して毎月5,000円の給付」「出産のお祝いに10万円のカタログギフト」「第2子の保育料無償化」「卵子凍結への支援」など、次々と子育て支援策を打ち出す東京都。そこには、子育てをしているママやパパたちが安心して子育てに取り組めるよう、「切れ目ない子育て支援をしたい」という思いが込められています。小池百合子東京都知事に、子育て支援策の具体的な内容と意図についてお話を伺いました。

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家事育児サービス品など10万円相当がもらえる「東京都出産応援事業」

――「チルドレンファースト社会の実現」を掲げ、子育て世代への月次給付金の支給や、第2子の保育料無償化について発表した東京都。小池都知事の思いを聞かせていただけますか?

小池百合子都知事(以下、小池都知事):子ども政策、子育て支援、そして女性活躍について、東京都では以前から積極的に取り組んできました。たとえば「東京都出産応援事業」は、ママパパを応援するために、家事育児サービスやベビー用品、生活支援品、キッチン雑貨など、子育てに必要になるものをカタログの中から10万円分相当選んでいただくことができます。
「ベビーカーがほしい」といったとき、自分たちで買おうと思ったら、けっこうな金額になりますよね。「カタログの中から選ぶことができて助かった」とママやパパから大変喜ばれました。子どもを産み育てるためにはお金がかかります。
子育てをしているママやパパたちが安心して子育てに取り組めるよう、子育て支援をシームレスに行っていきます。

1人の子どもに対して月額5,000円を給付する「018サポート」

――シームレスというのは、どのような意味でしょうか?

小池都知事:「シームレス」とは「切れ目ない」という意味です。新たな取組として、1人の子どもに対して月額5,000円、0歳から18歳までのお子さんがいる全ての家庭へ所得制限なしでの給付を行います。2023年度分については、来年1月に一括して1人あたり6万円を給付する予定です。ここには「お子さんが18歳になるまで私たち東京都は後押ししていますよ」というメッセージを込めています。

第2子の保育料、全額無償化がスタート

――2023年10月から始まる保育料の無償化について教えてください。

小池都知事:現在、東京都では子どもを保育園に預ける際に、第3子以降は無償化になっています。第2子を無償化にすることで、第2子以降の保育料が全額無償になります。こちらは2023年10月から開始予定です。子育てによる金銭的な負担を軽減することで、ママやパパの安心につながるのではないかと思います。

「卵子凍結」への費用支援。不妊や不育、がん治療の女性をサポート

――東京都では、卵子凍結などの支援も行うそうですね。

小池都知事:都はこれまでも、AYA世代(Adolescent&Young Adult)といって思春期・若年成人の女性たち、具体的には15歳から39歳のがんの患者さんの卵子凍結に係る費用を支援してきました。最近は健康な女性が将来の妊娠に備えて行う卵子凍結(社会的適応)への関心が高まっています。今後の本格的な支援に向け、今年度からは都の調査に協力した方への凍結費用の助成等をしていきます。

私が国会議員だったときも不妊治療の助成について取り組みましたが、なかなか進みませんでした。それを都知事になってからは、不妊治療へのサポートや補助を矢継ぎ早に行ってきました。

出会いの場を増やし成婚率を上げるために婚活イベントを支援

――現在、未婚化、晩婚化が問題だといわれています。小池都知事はどのようにお考えでしょうか?

小池都知事:未婚化、晩婚化についても私が国会議員のときから取り組んできたことです。日本は「あれが問題だ」「これが問題だ」と議論ばかりしています。だけどこれでは時間だけが過ぎてしまい、もったいないですよね。

日本では人口減少が問題になっています。その対策として保育園の待機児童問題などに取り組んでいますが、そもそも婚姻数自体が減っていることも問題です。

婚姻数を増やすために若者の出会いの場を増やし、そこから子どもの出生数も上がっていくのではないかと考えています。国会議員時代には「婚活・街コン推進議員連盟」を作り、若者の出会いの支援を行ってきました。

「小池百合子」の署名入り婚姻届けも!

――どんな婚活支援を行っているのでしょうか?

小池都知事:婚活・街コンイベントのお土産として婚姻届けもお渡しし、証人のところには私がサインをしていました。東京都では「TOKYOふたりSTORY」というポータルサイトをつくり婚活支援を行っています。そして、婚活・街コンイベントの開催や婚約または新婚カップルが協賛店で見せると割引やサービスが受けられる「TOKYOふたり結婚応援パスポート」の発行などを行い、サポートをしています。これまでにカップルから「結婚しました」と私のところに報告もありました。

出会いから結婚、妊娠、出産、成人まで切れ目ない支援を

――それは嬉しいですね! 雇用が不安定で結婚できないカップルもいます。

小池都知事:少子化については、不安定な雇用であるとか、仕事と育児の両立の難しさ。未婚化、晩婚化、住宅費が高いなど、さまざまな社会的なハードルがあります。例えば、住宅費については今後、都営住宅・公社住宅で年間300戸を結婚予定者などに提供していきます。住居の優先枠を作ることで、結婚しやすい環境を整えていくことが大切です。

さきほど申し上げた「東京都出産応援事業」、それから第2子以降の保育料無償化、卵子凍結の支援。私立高校の授業料の実質無償化も含め、すべてパッケージで支援を行っていきます。

少子化対策は、まさに国を挙げてやるべき課題なのではないかと思いますが、東京都は若い女性も多く住む街です。都知事として、都民のみなさんに対してしっかりと後押しをしていくことが必要だと思っています。
第2回へ続く。

取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子

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本記事は2023年3月に取材を行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

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