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乳腺炎でおっぱいが痛い!痛みを軽減する効果的な飲ませ方は?

育児書やインターネットの情報と異なり、実際に育児が始まるとうまくいかないことは多いもの……特に産後の慣れない授乳では、おっぱいが張ったり、乳首が傷つくこともあったりして、あまりの痛さに泣きながら授乳しているというママもいるのでは? 今回は、おっぱいを痛めないための飲ませ方、乳腺炎のときに役立つ飲ませ方について、助産師の太田愛さんに伺いました。

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乳頭痛には、ママの授乳姿勢と赤ちゃんへの含ませ方がポイント!


まだ上手に吸えない赤ちゃんに授乳して、乳首を痛めることはよくありますよね。乳頭の痛みや、できてしまった傷の改善には、ママの授乳姿勢と赤ちゃんへのおっぱいの飲ませ方を見直すことが第一です。授乳中に赤ちゃんの口が大きく開いている、赤ちゃんの顎(あご)がおっぱいに触れている、赤ちゃんの下唇が外向きに開いているなどを、確認してみてくださいね。

もちろん、授乳中にママが痛みを感じないということも大切です。どうしても乳首が痛くて赤ちゃんに吸わせられないときは、無理をしないで授乳をお休みしていいと思います。そのときは、おっぱいが張ってきてしまったり、乳頭への刺激が少ないとその後の母乳の分泌に影響を与える可能性もあるので、搾乳はした方がいいでしょう。

授乳のときの姿勢、ママは前かがみになっていない?

おっぱいをあげる際に、ママの姿勢が前かがみになっていることがよくあります。赤ちゃんにおっぱいを近づけようとすると、前かがみの姿勢になってしまいます。また、ママの方から赤ちゃんの口におっぱいを入れようとすると、赤ちゃんも飲む準備ができてないために深く乳首を含むことができず、おっぱいの先だけ浅く含むことになってしまいます。授乳するときは、赤ちゃんの口を刺激してパッと口を大きく開けたタイミングに合わせて、赤ちゃんの頭をおっぱいに寄せましょう。乳首は乳輪部まで深く含ませてくださいね。

ママと赤ちゃんが密着し、赤ちゃんの姿勢が一直線になるように

私が病院などでママたちと接していると、横抱きで授乳しているとき、赤ちゃんの体は天井の方を向いて、頭だけがおっぱいに向いていることがよくあります。これだと赤ちゃんの体がねじれて上手に飲めません。赤ちゃんは、耳、肩、お尻までが一直線になっていて、口はママの乳頭に向かい合っていることを確認しましょう。このとき赤ちゃんとママの体は密着させてくださいね。

母乳のためにバランスの良い食事を

食事と母乳の関係についてよく聞かれますが、基本的には何を食べてもいいです。ただ、ママの血液が母乳となるため、たんぱく質・鉄分・カルシウムをバランスよく積極的に摂るようにお勧めしています。

ツライ乳腺炎……その原因は?

母乳育児をしていると乳腺炎に悩む方もいますよね。乳腺炎の種類としては、うっ滞(うったい)性乳腺炎と化膿(かのう)性乳腺炎の2つがありますが、うっ滞性乳腺炎で悩む方によくお会いします。うっ滞性乳腺炎は、赤ちゃんが母乳をうまく飲み取れなかったり、授乳間隔が空いて母乳が溜まっていたりすることが原因です。その他にも、分泌過多で母乳が乳房内に残っていたり、もともと乳管が細く母乳が詰まっていたりすることが原因だと考えられてます。

乳腺炎にならないために、ママができることは

乳腺炎を予防するためには、赤ちゃんにしっかりと母乳を飲んでもらうことが一番です。授乳するときには赤ちゃんの下顎側に吸引の力がかかるので、赤ちゃんの下顎がしこりに当たるような授乳姿勢で飲ませてみるようにお伝えしています。

それでもうまく飲めないときや痛みが軽減しないとき、もしくはママが38.5℃以上の熱が出ているときなどは、ママ一人で対処するのは難しいこともあります。助産師である私自身、二人目の子育て中にひどい乳腺炎になり、助産院に駆け込んだことを覚えています。困ったときは一人で悩まず、お近くの助産院や病院の母乳外来で相談してみてくださいね。

私が関わる「産婦人科オンライン」では、乳頭や乳房が痛くてどうしていいか困っているという相談も含めて、妊娠中から産後に関することをスマホで気軽に医師や助産師へ無料で相談いただけます。どんな些細な内容についても、現役産婦人科医や助産師が丁寧にお答えします。不安なことがもしあれば、ぜひ利用してみてください。

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取材、文・山内ウェンディ 編集・横内みか イラスト・水戸さゆこ

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