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『タリーと私の秘密の時間』は、母として妻としてではなく「自分」として生きることを思い出せる作品

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© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

「あのとき、もし違う選択をしていたら、今とは違う人生を送っていたかもしれない」
人生を振り返ったとき、これまでの人生でしてきた様々な選択が、全て正しかったと言い切れる人はいないのではないでしょうか。

人間はないものねだりの生きものです。自分が置かれている環境がどんなに恵まれているものだとしても「もっと、違う人生が……」と、今、手にしていない何かを求めてしまうものでしょう。
結婚、妊娠、出産、そして育児、求めていた人生を歩んでいると思ってはいても「私の人生、これでよかったの?」と、自分に問いかけてしまう瞬間があります。
『タリーと私の秘密の時間』は、そんな気持ちを抱いたことがあるママたちを、答えに導くヒントが詰まっている映画です。

※以下ネタバレにご注意ください

子育てに追われるママたち全てに捧げる物語

無題

© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

『タリーと私の秘密の時間』の主人公は、子育てに奮闘中のマーロ。仕事に家事、育児と、何ごとも完璧にこなしてきたマーロは、3人目の子どもの出産を機に、今まで頑張ってきた心がポキッと折れてしまいます。
「わたし、ひとに頼れないの」。そう言っていたマーロですが、初めてひとに頼ることを決意。夜だけのベビーシッターに、赤ちゃんのお世話を頼むことにします。
ベビーシッターとしてやってきたのはタリー。20代のタリーは初対面からマーロにタメ口で話し、ファッションやメイクもイマドキ女子。でも赤ちゃんのお世話だけではなく、荒れ放題だった家の中を片付けたり、カップケーキを焼いてくれたりと仕事ぶりはパーフェクト。
タリーがベビーシッターにやってきてから、マーロは次第に元気を取り戻していきます。マーロにとってベビーシッター以上の存在になっていくタリー。しかし、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、自分の身の上は決して語りません。タリーは昼間は何をしているのか? マーロの前に現れた本当の目的とはなんなのか……? そして物語は、衝撃のラストを迎えます。

マーロは私?スクリーンの中に感じる自分の姿

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© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

タリーに初めてベビーシッターを頼んだ翌日、マーロは夫のドリューに「久々に熟睡できたわ。なんだか世界が明るくなった」と話します。子育てで寝不足のママたちにとって、とても共感できるセリフではないでしょうか。
夜だけのベビーシッターとしてやってくるタリーは、ある日マーロに言います。「もっと私を頼って。人生のすべてをケアしなきゃ」と。
育児で抱える不安と、赤ちゃんのお世話で寝不足の日々を過ごしているとき、そばにいる誰かにこの言葉をかけられたら、どんなにパワーになったことだろうと感じる言葉をタリーは次々とマーロに語りかけるのです。

タリーの存在が、マーロの中でどんどん大きくなっていく中、さらに深く語り合うタリーとマーロの2人。子育て中のママたちが共感できるであろう会話もゆったりと2人の口から語られます。
その中でも特に印象的な会話は、ある夜、アルコールを飲みながらタリーとマーロが語り合う中に出てきます。
「若い頃は、回転木馬に乗りまくったわ」と語るマーロに、「彼はどの馬だったの?」と尋ねるタリー。マーロはその問いに「彼はベンチね」と答えます。
独身の頃に想像していた理想の結婚相手、夢見ていた幸せな結婚生活。でも実際の人生は、それとは少し違った人生を生きているように感じているマーロが答えた「彼はベンチね」という言葉に込められた意味が深すぎて、筆者はただただ頷いてしまいました。

理想と現実、求めるものと満たしてくれるもの。
20代の頃は、100%パーフェクトな人生を夢見ていたけれど、30代、40代、歳を重ねて、子どもを育てるうちに、良い意味での「諦め」が幸せを感じる術なのかもしれない……。受け入れるべき答えを前に、若い頃に抱えていた「理想」との決別をするべきときが、人生には必要なのかもしれませんね。

役作りのために18キロ増量したシャーリーズ・セロン

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© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

この映画の見どころを聞かれたら、「ありすぎるので、まずは一度映画を観て」と伝えたくなるのですが、主人公・マーロを演じた、アカデミー賞®を獲得したシャーリーズ・セロンの演技、役作りは見どころのひとつと言えます。

マーロを演じるために、ハリウッドの中でも突出している美貌を封印し、18キロの増量に挑んだシャーリーズ・セロン。マーロを演じながら、見事に何ごとにも頑張りすぎて疲れてしまった女性の魂の叫びを伝えきっています。

またマーロの“救世主”となる謎だらけのタリーを演じるのは、『ブレードランナー 2049』で鮮烈なインパクトを残したマッケンジー・デイヴィス。
この2人の間に生まれる不思議な友情に引き込まれ、タリーの謎が解ける時、もうひとつの物語が立ち上がります。
観る人の心もケアしてくれる、ミステリアスなヒューマン・ドラマである『タリーと私の秘密の時間』。子育て中のママだけではなく、ぜひ子育て中のパパ、これからパパになる予定の男性にも見ていただきたいです。

『タリーと私の秘密の時間』
8月17日(金) TOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショー
公式youtube予告編

文・鈴木じゅん子 編集・しのむ

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