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【潜在保育士のリアルな本音】ママになったからこそ保育に復帰したい!でも現実は…

【潜在保育士のリアルな本音】ママになったからこそ保育に復帰したい!でも現実は…短大卒業後から長年勤めていた保育の仕事を辞め、専業主婦になって丸3年が経ちます。二児の母となった筆者は、保育士資格や幼稚園教諭免許を持っていても、保育所や幼稚園などで働いていない『潜在保育士』です。「資格があるから、子育てはバッチリでしょ?」などと言われることもありますが、園と家庭とでは全く別!慣れない家事や育児で、1日1日があっという間に過ぎています。今回そんな筆者の、潜在保育士としてのリアルな本音をお話しさせてください。

 ママになったからこそ、もう一度保育に復帰してみたい!

【潜在保育士のリアルな本音】ママになったからこそ保育に復帰したい!でも現実は… (2)

私がママになって思ったことは「世の中のママたちは本当にエライ!」ということ。子育て中も炊事洗濯や家の掃除などの家事をして、なおかつ、お仕事をされているママもいますよね。私はまだ働いてはいませんが、時間との戦いの中で、まいにち家事に育児に頑張っているママ業の大変さを身をもって体験しています。

また、自分がママになってみて、産まれてきた我が子はとても愛おしくて日々の成長が嬉しくてたまりません。このように愛情たっぷり大切に育てられてきたお子さんを預かっていた保育の仕事の責任の重さを改めて実感しました。そして、そんな子育ての経験を積んだうえで、『もう一度、保育に復帰したら、もっともっと保護者の方にも寄り添った援助ができるのではないか』という意識もでてきました。

 でも、現実は…

【潜在保育士のリアルな本音】ママになったからこそ保育に復帰したい!でも現実は… (3)

私もそうでしたが、保育の仕事はただ子どもと遊んでいるだけの仕事ではありません。園の方針に従い、子どもの発達に応じた援助や指導、園内外の環境整備や、行事の衣装や製作物の準備に書き物などなど……。定時には上がれるなんてことはほとんどなくて、家でも持ち帰りの仕事をして、次の日はまた早く出勤。私の力量では、小さな子どもを預けてまで、正規職員として働きにでる自信がありません。でも、今までやってきた保育の仕事は、本当にやりがいがありました。日々の生活の積み重ねや行事を重ねるごとに子どもたちの成長を感じ、小さな頃から見てきた子どもたちが卒園となれば、ママたちとともに泣きながら送り出すことも。

そんなやりがいはあっても、保育の仕事に復帰しない潜在保育士が多いのには、やはり仕事内容とお給料の折り合いがつかないからなのだと思います。

 やりがいをとるか、収入をとるか

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保育の仕事に復帰しようとした時、フルタイムでなく、パートで短い時間働きにでるという選択肢もあります。しかし、自分の子どもを預けた園と、自分の働く園とで運動会などの行事が重なってしまったらどうしよう?インフルエンザなどの菌をもらってきて、家族に移ってしまったらどうしよう、、など。自分の子を預けてまで、人の子をみる仕事を選ぶということは、それなりに『もしも』の時の覚悟をもたないといけないのかと。また、今まで担任という立場で必死に頑張ってきた分、保育補助という立場でうまく働けるのだろうか…などなど。現役から離れていた分、自分が職場で役にたつのかという心配もでてきます。

私のまわりでも、育休明けてすぐ正職で復帰した子やパートで保育に復帰、保育を諦めて他の職種で働きだした友人もそれぞれいます。保育に戻った子は「やりがいは感じながらも、独身のようには働けない」「子どもが熱があって家にいるのに、他の子どもの様子も気にかけている自分といつも葛藤する」などという意見も。また、他の職種で働く友人は、「保育士の資格手当ても、パートだと他の仕事と変わらないくらいの給料だから、仕事内容に見合った収入を優先して今の職を続ける」と話していました。保育に戻ってやりがいを感じながら仕事をするのか、安定した収入をとるのか。私は、まだその決断を決めかねています。

女性保育士

現在、政府も待機児童問題などで潜在保育士の実態把握と再就業に向けて、いろいろと施策の検討をしてくれているようですが……。いまいち論点がずれてる?と思えるような施策もチラホラ。保育の資格がとれる学校からは、毎年たくさん卒業生がでています。やりがいのある保育の仕事は、まだまだ人気があるのではないでしょうか?しかし、夢の仕事で働きだしても、産休育休がとれなかったりして辞めざるをえない環境や、現場に復帰したくても躊躇してしまう理由もたくさんあるのが現状です。そんな、やりがいのある仕事に復帰したくても、判断を決めかねている潜在保育士のリアルな本音をお話しさせていただきました。

筆者はもう少しだけ、可愛い我が子と過ごせる貴重な時間を大切に過ごしていきたいと思いつつも、、今後の潜在保育士の再就業についての実りある改革や、保育の仕事に限らず、世の中のママたちが子育てしやすい社会になることを願っています。

文・赤石 みお

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