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【一億総活躍社会実現対話】「保育園落ちた!」は、あの日会場にいたママの心の声だったのかも

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若者も高齢者も、男性も女性も、難病や障害を持った方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会に向けて開催された「一億総活躍社会実現対話」。学生、非正規労働者、障害者、高齢者、保育士、介護士など12名の人々が、安倍総理、加藤一億総活躍担当大臣と対話を行いました。その中から、今回はそれぞれ違う立場で働く3名のママたちにスポットを当てて、その内容をご紹介したいと思います。

■保育園や学童への入所の難しさから事務の仕事を諦めスーパーの仕事に従事

まず1人目にご紹介する女性は、現在スーパーで働く中村貴美江さん。2児のママ。出産を機に事務をやっていた会社を退職。復帰しようにも保育園は待機児童であふれ、復帰を断念。やりたかった事務の仕事を諦め、現在は近くのスーパーでパートとして働いています。

これからますます教育にかかる金銭的な負担はかなりの金額になります。そのうえ自分の年齢や、夫と自分の老後の医療費、親の介護、家のローンの残債等、これからかかるであろう金銭的な負担を考えますと不安で仕方なく、収入を上げる以外に方法がありません(中略)。これからの日本を背負う子どもは国の財産です。子どもをきちんと育て、きちんとした教育を受けさせ、学びたいと思う学校に入れてやることは、これからの日本を支えていく人材の育成にほかならないのです(中略)。出産後、数か月でも10年後でもどの時点においてでも、母親が「ここだ」と思うタイミングでごく自然に社会復帰できるよう子どもの預け先確保はもちろんのこと、企業や社会全体の子育てをしてきたためにできたブランクの期間に対する理解の促進、雇う方も雇われるほうも安心して再就職を考えられるような、段階を踏んだ社会復帰へのシステム作りが早急に求められます。

■専業主婦期間10年、同一労働同一賃金で銀行のパートナー社員として勤務

次にご紹介するのは、同一労働・同一賃金を実施する銀行で、パートナー社員(いわゆるパート)として働く道又晶子さん。娘の小学校入学を機に10年間のブランクを経て、以前の経験を生かしパート社員として銀行に入社。10年のブランクを懸念して月15日出社にしたものの半年後からフルタイムに。会社の研修制度を利用して、ファイナンシャルプランナーと宅地建物取引士の資格を修得されています。

政府や社会に期待することですが、私の周りの小学生や中学生のお子さんを持つお母様方は、ほとんどが仕事をされております。皆さん家事と仕事の両立で大変苦労されております。結婚後に仕事を続けながら出産を迷われている女性もたくさんいます。私の場合は会社に配慮していただきできておりますが、そうでない方もたくさんおります。ですので、女性が家庭を大事にしながらも仕事に打ち込めるような職場環境、社会制度を整えていただけることを望みます。

■会社の働き方改革によりインフルエンザ時の対応が大きく変化

最後にご紹介する福森ちあきさんは、3歳と7歳のお子さんを育てながら働くママ。会社をあげての「働き方改革」の結果、インフルエンザにかかった子どもへの対応、社員の働く意欲の向上により企業の業績もアップしたとお話されました。当時4歳だったお子さんがインフルエンザにかかってしまった時、病児保育もベビーシッターも確保できず、結局仕事を休まなければいけなかったそうです。

自分の仕事に加え、私の仕事も手伝わなければいけない同僚への申し訳なさ、仕事に穴をあけてしまうという悔しさ、そして子供満足に完了できないという親としての罪悪感。これらはとても辛いものでした。
今回のインフルエンザでは会社の働きかけの働き改革のおかげで対応は大きく異なりました。1日は夫が有給を取得して、残りの3日、私が在宅勤務によって対応することができました。仕事に穴をあけなくてすむ、同僚や上司にかける迷惑を最小限に抑えられる。そしてインフルエンザにかかった子供を自分の目の届くところに置いておけるという安心感はとてもありがたかったです。
またなにより大きいのは、今私の会社は労働時間の短い長いではなく成果を出すことを評価してもらえることです。短時間勤務である、子育て中であるということをデメリットとして感じずに仕事ができるということは、日々の業務へのモチベーションにつながっています。私の会社の制度はとても恵まれていると思います(中略)。出産後も働きたいと思う女性が当たり前のようにそうできるように、国、企業、学校、地域、そして各家庭の理解、意識を上げることにより実現したくいただきたくお願いいたします。

■私たち母親の声は本当に安倍総理の心に届いたのでしょうか

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保育園に預けて働くことを諦め、現在もパートとして働く中村さん、専業主婦としてのブランクはありながらも、同一労働同一賃金に取り組む会社の制度のおかげで正社員と同じ条件で働ける道又さん、会社の働き方改革によって子育て中であることに後ろめたさを感じず働き続けられる福森さん。それぞれ働く立場に違いはあるものの、仕事復帰へのサポート、働く環境の改善などについて、私たち母親の声を直接安倍総理に届けていただけたのではないかと思います。

当日の挨拶では安倍総理は「補正予算で保育の受け皿を50万人の上積み、介護の受け皿50万人分の拡大を盛り込む」とお話されていました。育児中のママたちも一億総活躍できるよう、待機児童の問題解消、育児後の仕事復帰がスムーズにできるよう環境整備などをよろしくお願い申し上げます。そして私たち親も、政府や自治体に声を届けるだけではなく、自分自身でできることを考えて1つ1つ実行していくことが必要なのではないでしょうか。

取材・文/ライター 間野 由利子

 

<参考>
政府インターネットテレビ
中村さん、道又さん、福森さんのお話は22分ごろから始まります。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg13250.html