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四大陸フィギュアスケート選手権のみどころ②〜男子シングル

台北で開催されている四大陸フィギュアスケート選手権、いよいよ男子の登場です。日本からの出場は以下の3選手。(敬称略)

無良崇人/田中刑事/宇野昌磨

エース・羽生結弦選手は出場しないものの、今の日本の選手層の厚さを考えると表彰台は射程圏内、どころか一番高い位置に登る可能性は充分にあります。

まずは宇野昌磨選手。

世界ジュニア選手権優勝を経て、今シーズンから本格的にシニアに参戦。そしてグランプリファイナル3位、全日本選手権では羽生選手に次ぐ堂々の2位と、1年目とは思えない活躍ぶりです。

ノービス・ジュニア時代から注目されてきた選手であり、その頃から表現力に優れ、際立っていました。ジュニア上がりの選手の場合、女子も男子もTES(技術点)はそれなりに出たとしても、表現を重視するPCS(演技構成点)はなかなか上がらないもの。しかし宇野選手は、深いエッジワークを駆使したステップや腕や首の動き、表情など音楽の世界観をしっかり表現し、高いPCSを得ています。さらに一昨年修得したばかりというトリプルアクセル・4回転トゥーループといった高難度のジャンプが加わったことで、もはや世界のトップ選手と肩を並べるポジションに立っています。

フリースケーティングの曲『トゥーランドット』といえば、2006年トリノオリンピックで荒川静香さんが初めて日本に金メダルをもたらした曲ですね。イナバウアーこそありませんが、終盤に見せるクリムキンイーグル(氷上すれすれに腰を落とし、直線を滑る技)は圧巻。会場は大いに盛り上がります。ジャンプミスさえなければ優勝への期待は一気に高まります。

そして無良崇人選手。

ソチ以降の中心メンバーとして存在感も増してきました。豪快なジャンプが持ち味ですが、昨年くらいからスピン、ステップといったジャンプ以外の要素や表現力の向上を目指して練習を重ねてきました。大会ではなかなかノーミスの演技がかなわず、結果につながらない期間が続いていましたが、年末の全日本では久々にショート・フリーを揃え、3位という好成績を収めました。4回転はもちろん、彼のトリプルアクセルは高さ・飛距離ともにトップクラス。ぜひ今回もビシっと決めて表彰台を狙ってほしいところです。

それから、昨シーズンシニアデビューした田中刑事選手。

全日本では4位と健闘しました。さらなる飛躍のためにも、国際大会での経験を積み、どんどん上を目指して欲しいですね。もうワンステップ上がれば平昌オリンピックの出場選手に名を連ねることだって可能ですから。

さて、ライバル選手となる海外選手にも注目。

カナダのパトリック・チャン選手がどのくらい本調子を取り戻してきたかによって結果が大きく変わりそうです。往年の彼の演技が復活すれば大きな壁となるでしょう。

伏兵として注目すべきは中国の新星・金博洋選手。宇野選手同様今シーズンからシニアに参戦しました。公式大会では彼しか成功していない四回転ルッツを武器に、サルコウ、トゥーループも含め3種類の4回転を盛り込んだプログラムは、すべて成功させるとかなりの高得点になりそうです。

男子フィギュアは今、4回転が入って当たり前の時代。それも1回ではなく、何種類を何回入れるかという次元になっています。しかし一方でジャンプだけでは決して優勝は望めないというのも現状です。フィギュア本来の要素であるスケーティングに加え、スピンやステップ、表現力などすべてのレベルを上げ、しかもノーミスで終えなければトップ争いに加われません。そんな中で選手たちは少しでも高みを目指して、練習を重ねています。来年はもう平昌オリンピックのプレシーズン。今シーズンの大会で活躍した選手たちの戦いになることは間違いなく、今の姿、そしてこれからの成長や飛躍、応援しつつも大いに楽しませてもらいましょう。

Text by Atakali