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いよいよ開幕! 四大陸フィギュアスケート選手権のみどころ①〜女子シングル

四大陸フィギュアスケート選手権が始まりました!
アフリカ、アジア、アメリカ、オセアニアの四つの大陸の選手が出場する国際試合で、3月に開催される世界選手権の前哨戦といえる注目の大会。今年は台北が舞台です。
まずはフィギュアの花・女子シングルに注目してみましょう。日本からの出場は以下の3選手です(敬称略)。

宮原知子/本郷理華/村上佳菜子
(出場予定だった浅田真央選手は世界選手権に集中するために辞退。)

 

今や男子シングルでは4回転を組み込むことが主流となっていますが、女子の場合は現役選手で4回転を飛ぶ選手はおらず、次に難易度の高いトリプルアクセルも浅田選手とロシアのトゥクタミシェア選手以外、公式大会では成功していません。今回この二選手は出場していないので、その他の5種類の3回転ジャンプをミスなく下りることが必須となります。トップ選手たちのほとんどはフリースケーティングに5種類7回の3回転ジャンプを組み込んでいます。ミスをせず、さらにGOE(出来ばえ点:空中姿勢や高さ、入るスピード、下りてからの流れなど)加点をどれだけ得られるかが勝利の鍵のひとつ。さらにスピンやステップ、コレオシークエンスなど、ジャンプ以外の要素でも高いレベルとGOE加点を狙ったプログラムを揃えています。トップに立つためには一瞬たりとも油断ができないというのが女子の現状です。

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とはいえ若手・ベテランが入り混じった厚い選手層を誇る日本女子。今回も表彰台を確実に狙えるメンバーが揃いました。

まずは宮原知子選手。

昨年末に開催された全日本選手権優勝、昨シーズン世界選手権銀メダルと、今や押しも押されぬ日本の女子のエースといえるでしょう。宮原選手の魅力は、高い技術と再現性の高さ。そしてそのための努力を惜しまない姿勢です。

フィギュアスケートのシングルは、TES(技術点)とPCS(演技構成点)の合計で採点されます。
TESは、ジャンプやステップといった規定の要素のレベル判定にGOEをあわせた点数で、ジュニア選手でも構成によっては高い得点がもらえます。

一方PCSは、演技面や芸術性などの判定で、印象によって左右される側面があります。宮原選手の場合、少し前までは演技が小さいと指摘され、ジャンプのGOEも抑えられていましたが、地道に練習を重ね、一つひとつクリアしてきました。前回の試合で失敗したところは必ず修正し、安定した高いTESを得られるようになってきました。さらにPCSが伸び悩んでいたものの、欧米選手の中にあって小柄であることを自覚し、少しでも大きく見せようと、目の動き、指先のひとつにまで神経を使い、表現力に磨きをかけてきました。そして昨シーズン後半あたりからその努力が実り、氷上でみごとに開花。高いPCSを得られるようになりました。
人一倍練習し、課題を一つずつクリアして挑む、大人しい見た目とはうらはらの攻めの姿勢が頼もしく、活躍がますます期待できそうです。

昨シーズンシニアデビューし、いきなりグランプリシリーズ・ロシア大会で優勝した本郷理華選手も出場。

長い手足を活かしたダイナミックなスケートに、今シーズンからはPCSの向上を強化してきました。ショートプログラムの振り付けは先輩である鈴木明子さんによるダンサブルなナンバーです。
鮮烈なデビューから好調は続き、自己ベストを更新してきたものの、昨年末の全日本ではミスが重なり4位。キス&クライで採点を待つ間、珍しく涙を見せる姿も映りました。ミスが少ないという印象も、続けていれば必ずどこかでミスや不調には遭遇します。よくない時期をどう過ごし、どう乗り越えていくかがトップ選手への道であり、数多のスター選手たちがみな経験した通過儀礼といえるでしょう。全日本のミス、そして悔しさは本郷選手がトップ選手への道を着実に進んでいる証ですね。その意味では今大会でどんな演技を見せてくれるのか、注目です。

そして村上佳菜子選手。

華々しいシニアデビューから6年、長きにわたり日本のトップ集団に名を連ねています。TES、PCS共に高いポテンシャルには定評があり、なにより大きなメリットとなる花がありながら、大舞台に弱いのか中々本来の実力に見合った結果を出せずにいます。緊張や不安からかケアレスミスを重ねることもあり、ファンはそういうところも含めてファンでいるのかもしれませんが、そろそろ本気の村上選手を見たいものです。実力を100%出せば間違いなく世界の表彰台に立てるはず。今回こそ満面の佳菜子スマイルを期待したいところです。

日本選手のライバルである海外の選手にも注目してみましょう。

最大のライバルは、なんといっても今期絶好調、アメリカのグレイシー・ゴールド選手。全米選手権での優勝をひっさげての出場です。3月の世界選手権でも大きな壁となることでしょう。
また、同じアメリカのポリーナ・エドモンズ選手、カナダのアレイン・チャートランド選手など、若い選手の台頭もあなどれません。

今、日本よりも選手層が厚いロシアは、毎年強力な選手が登場し、まるで戦国時代のような状況です。四大陸選手権にはロシア選手は出場しませんが、世界選手権ではだれが出てきても否応無しに最大のライバルとなることは必至。出場が決まっている宮原・本郷両選手、まずは、この大会で大きな手応えを掴みとってほしいですね。

Text by Atakali