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「男性の育児休業取得13%」を目指すも国会議員の取得はNG!?

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■国会議員の育児休業取得について自民党内でも意見はさまざま

来月2月に第一子誕生のため、育児休暇を取る考えを示している自民党宮崎謙介議員。6日、宮崎議員は、国会議員の育児休業を定めるよう衆議院規則を見直す提言書を大島理森衆院議長に手渡す予定だったものの、午前、午後の2回国対幹部に呼びだされ、「生まれてくる子どもを使って名前を売っている」と批判されました。さらに「議長に提言する場合は国対を通すように」といわれ、提言書は提出できませんでした。

国会議員の育児休業取得については、賛成、反対、さまざまな意見が飛び交っています。安倍首相が宮崎議員に激励の言葉を送り、菅官房長官が「育休を取るための議員立法を超党派でつくったらいい」といい、丸川珠代環境相や野田聖子総務会長らも賛同しています。その一方で、同じ自民党議員からは「こんなことで名前を売っても駄目だ。生まれたばかりの赤ちゃんなんて誰が面倒見ているかわからない。お手伝いさんとか使えばいいんだ」などの発言も出ています。

また、民主党の蓮舫議員は、「国会議員は時間的自由度が高く、育児と公務の両立が可能である」として、国会議員の育休取得について「理解できない」と批判しています。

■育児休業についての提言すらできない雰囲気

現在、国会議員には産休制度はあるものの育児休業制度はありません。そのため育休を取った場合、議員報酬(歳費)が全額支給になります。育児休業給付額分以上を国庫に返納したいと考えても、国庫に返納すれば公職選挙法上の寄付に該当し、違反になってしまいます。

今回、宮崎議員が大島理森衆院議長に手渡す予定だった提言書は、そうした国会議員の育児休業を定めるようにという衆議院規則の見直しについてでした。

提言書が提出できなかったのは、「しかるべき手順を踏んでないから」ということですが、提出前にわざわざ2回も呼びだして、「子どもを使っての売名行為」だと批判する必要はあったのでしょうか。国会議員の育児休業制度について考える前に、意見そのものを潰してしまった印象はぬぐえません。

ある国対幹部は「『休むな』とはいわない。休みたければ勝手に休めばいい。話を大きくしてもらいたくない」と話します。そこにこそ本音が隠されているのではないでしょうか。つまり「男性、とくに国会議員の育児休業の話はタブー=育児休業を認めたら税金を使って子どもと遊んでいると思われ、次の選挙で勝てない」と――。

■「働いてくれ、産んでくれ、育ててくれ」では女性の負担が増すばかり

政府は「女性の活躍推進」「男性の育児休業取得13%を目指す」という目標を掲げていますが、厚生労働省のデータによると2012年で1.89%、2013年2.03%、14年2.30%となっており、3年間で0.1~0.3%しか上がっていない状況です(目標は毎年4%)。目標ばかり高く掲げてみたものの、まったく達成される気配がなく、それどころか上記の発言を見ると、とても本気で達成しようと考えているようには感じられません。

「女性に働いてくれと言いながら、一方で産んでくれ、育ててくれと。押し付けているようでは現状が前に進むことはない」(宮崎謙介議員)とあるように、このままでは男性の育児休業率はあがらず、女性の負担が増すばかりです。
国会議員の育児休業について問題を鎮静化しようとするのではなく、これを機にしっかりと議論をするべきではないでしょうか。

ライター/間野 由利子

参考:厚生労働省/http://www.mhlw.go.jp/