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「妊娠中の温泉NG」に根拠なし!?それでも気を付けておきたい事とは

記事提供:Mocosuku

「妊娠中の温泉NG」に根拠なし!? それでも気を付けておきたい事とは

妊娠中の女性は、身体も自由が利かず、気持ちが不安定になることもあります。それでもお腹の赤ちゃんのために、ゆったりした気持ちでいることは大切です。そんなとき、ゆっくり温泉にでも浸かれたらうれしいですよね。
じつは昨年、温泉法が改定され、32年ぶりに妊婦の温泉入浴が認められました。宿泊施設では、出産前のひとときを快適に過ごしてもらおうと、マタニティー旅行=「マタ旅(たび)」の専用プランを設けるなどして人気となっているそうです。ただ、妊婦さんの旅行は人それぞれ体調に合わせて。解禁になったからとはいえ、温泉入浴にも注意事項はあります。産婦人科医にうかがいました。

温泉の禁忌症とは?

温泉施設で目にしたことがある人も多いと思いますが、温泉法では、脱衣所などの見えやすいところに温泉の成分や禁忌症など、入浴時の注意事項を掲示することが義務付けられています。
禁忌症とは、温泉入浴を控えたほうがいい病気や症状のことです。温泉法では、泉質別、含有成分別に細かく定められていますが、温泉全般にあてはまる「浴用の一般禁忌症」として、これまでずっと『妊娠中(とくに初期と末期)』という項目がありました。しかし、妊婦が温泉に入っても医学的には問題ないとされ、専門家から見直しを求める声が上がっており、昨年、「妊娠中」を削除する改定法が施行されたのです。
現行法では「浴用の一般禁忌症」は以下のようになっています。
・病気の活動期(特に熱のあるとき)、
・活動性の結核
・進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
・少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
・むくみのあるような重い腎臓の病気
・消化管出血
・目に見える出血があるとき
・慢性の病気の急性増悪期
かつて妊娠が禁忌症とされた理由について環境省は「記録が残っておらず定かではない、外国の文献や俗説を参考にした可能性がある」と説明しているとのことです。

それでも気をつけたい妊婦の温泉

とはいえ、妊娠の入浴には気をつけなければならないことがあります。温泉に出かける際にチェックしておきたいことは、以下の通りです。
●浴場の清潔さ
循環式の温泉でごく稀に発生することがあるのが「感染症」です。さまざまな菌に感染しやすくなります。カンジダやクラミジア、レジオネラ菌など、入浴することで感染するというよりは、脱衣所や浴場の設備(椅子など)に気を付けましょう。冒頭の「マタ旅」プランなどではその辺の配慮も万全かと思いますが、温泉宿を選ぶときは、清潔さを重視するにこしたことはありません。また源泉掛け流し、というのも選ぶポイントです。
●湯の温度と入浴時間
個人差もありますが、リラックスして入れる湯の温度は40℃前後です。あまり温度の高すぎる温泉では、のぼせの原因となります。適正な温度でもあまり長湯はせず、5〜10分浸かる、という短時間入浴を何度か楽しむ、という程度がいいですね。のぼせてしまうと、貧血をおこしたり、体型変化でバランスがよくないところで、転倒などにつながってしまいます。
●刺激の強い泉質は避ける
妊娠中は皮膚が敏感になります。『硫黄泉』『強酸性泉』といった刺激の強い温泉は泉質別禁忌症にも記載があるとおり、皮膚の敏感な人は避けるべきとされています。
●安定期に・体調をみて
法的に、温泉に浸かることが妊娠初期に身体に与える影響はない、との見解が出されたとはいえ、安定期に入っていない時期は、温泉旅行は控えましょう。またいつ産気づくかという臨月もNGです。妊娠中の体調は人それぞれ。心配な人は、温泉に出かける前に医師に相談し、注意事項を確認しておきましょう。
監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)
<参考>
温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意に掲示等に関する新旧対照表
http://www.env.go.jp/nature/onsen/docs/shinkyuu.pdf

コラム出典:「妊娠中の温泉NG」に根拠なし!?それでも気を付けておきたい事とは
(by Mocosuku)