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バス・タクシーの運転も補聴器着用で可能に? 聴覚障害者の運転や就労をめぐる問題とは

記事提供:Mocosuku

バス・タクシーの運転も補聴器着用で可能に? 聴覚障害者の運転や就労をめぐる問題とは

バスやタクシーを運転できる第2種免許の試験において、聴力検査の際に補聴器の使用を認める「道路交通法」の改正案を、警察庁がまとめました。この改正案について、全日本ろうあ連盟の理事は「聴覚障害者の職域を拡大するうえで大きな一歩」と評価しているとのことです。聴覚障害者の就労拡大の可能性についてはさまざまな議論があります。今回の運転免許の改正案を機会に、考えてみたいと思います。

重度の聴覚障害者も免許取得が可能

上記の改正案は、一般からの意見公募を経て来年4月に施行される見込みですが、聴覚障害者の運転免許取得については、2008年にこれまで運転免許の取得が不可能だった重度の人(補聴器を用いても10mの距離で90デシベルの警報音が聞こえない)も、ワイドミラーや補助ミラーの装着などを条件に普通自動車の運転免許を取得することが認められるなど、徐々に規制が緩和されてきています。

「聴覚障害者標識」と罰則

しかし、現在でも聴覚障害者が車を運転することを不安視する意見もあり、重度の聴覚障害者が自動車の運転時に装着を義務づけられている「聴覚障害者標識」も、いまひとつ浸透していない面があります。
現在の法律では、聴覚障害者標識を装着した車に対して、「幅寄せ」や「割り込み」をした運転者は「5万円以下の罰金」などの処罰の対象となりますが、こうした標識を見た場合、周囲の運転者には、安全の上でも徐行や減速といった思いやりのある配慮が求められているといえるでしょう。

聴覚障害者の就労をめぐる問題とは

また、聴覚障害者の就労をめぐっては、障害を理由に本人の希望と違う仕事(人と接することがすくない部署など)に配属されるというケースがよく見られます。こうしたケースでは、担当者が「聴覚に障害がある」という部分だけを見て、各人のコミュニケーション能力をきちんと見ていないことも考えられます。
今回の改正案について、全国のバス会社でつくる日本バス協会では、「運転者不足の解消につながる」ことを歓迎する一方で、「乗客の転倒や口論といったトラブルに対応できるか不安」と述べていますが、聴覚障害者の職務拡大においては、技術面・安全面に加えて、職業上問題のないコミュニケーション力を有することがもっとも大きな課題といえそうです。ただ、そのためには、まずさまざまな職場で門戸が開かれ、サポートしていく環境をつくることが必要でしょう。
<参考>
http://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo20/leafret1.pdf
(聴覚障害者標識と罰則について 警察庁)

コラム出典:バス・タクシーの運転も補聴器着用で可能に? 聴覚障害者の運転や就労をめぐる問題とは
(by Mocosuku)