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軽減税率の充填にも!?健康増進で議論が進む「たばこ増税」のメリットとは 

記事提供:Mocosuku

軽減税率の充填にも!? 健康増進で議論が進む「たばこ増税」のメリットとは 

今年9月、自民党の受動喫煙防止議員連盟が、2016年度の税制改正に向けて「たばこ税」の引き上げを求める要望書をとりまとめたことが報じられました。厚生労働省でも毎年度たばこの増税を要望していますが、今年は文部科学省も増税を要望に盛り込んだことで注目されています。そんななか、また新たな方面から、たばこ税の増税を検討する案が出されています。自民、公明両党が23日、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率を導入する財源として、たばこ税を充てようというのです。2017年4月の消費増税と同時にたばこ増税に踏み切れば、受動喫煙防止の名目が薄らいでしまいそうですが、たばこの健康増進のための取り組みは、どうあるべきなのでしょうか。

問われる受動喫煙防止の対策

もし軽減税率が導入されて、「酒類を除く飲食料品」を対象に消費税率を2%軽減した場合、1.3兆円の財源が必要となるそうです。しかしその財源のメドが立たないため、今回浮上したのがたばこ税です。
そもそもたばこ税の増税については、以前より各方面から要望が出されてきました。その理由としては、2020年の東京でのオリンピック開催に向けて、日本における受動喫煙防止の対策が問われていることがあげられます。これは、2010年に国際オリンピック委員会(IOC)が、世界保健機関(WHO)と「たばこのないオリンピック」推進で合意したためで、2008年の北京オリンピック以降の開催地では、公共施設やホテル、飲食店などの屋内を禁煙とする罰則付きの規制が実施されています。
しかし、日本では2002年に施行された健康増進法において、受動喫煙が罰則なしの「努力義務」として掲げられている段階にとどまっており、オリンピック開催地である東京都においても、都議会や関係団体の反対などから、受動喫煙防止の条例化は見送られている状況です。

日本のたばこの税率は6割強

ちなみに、いまのところ日本におけるたばこの税率は64.4%。1箱430円のたばこなら、そのうち276.73円が税負担となる計算です(JTのサイトより)。
このようにたばこは国内において、もっとも税負担率の重い商品といわれていますが、アメリカ(州によってたばこの値段が異なる)やヨーロッパ、オセアニアにおける嫌煙ムードの強い国や地域では、イギリスやオーストラリアのように税負担率の高さからたばこが1箱千円以上するケースも珍しくありません。

受動喫煙の防止が事業者の努力義務に

喫煙者が出す煙をまわりの人が吸い込んでしまう受動喫煙については、肺がんをはじめとするさまざまな健康被害のリスクが指摘されており、特に成長の途上にある子どもや未成年が影響を受けやすいことが懸念されています。
また、厚生労働省の資料では、こうした受動喫煙は、喫煙室や喫煙スペースをつくる分煙や空気清浄機などでは完全に防ぐことができず、屋内においては全面禁煙以外に防止する方法がないことも報告されています。
今年6月に改正労働安全法が施行されたことから、職場の受動喫煙対策は事業者の努力義務となっていますが、周囲の人の健康に影響を与える受動喫煙の防止に十分な効果があるとはいえず、法整備によるさらに抜本的な対策が求められているのが現状です。

「無自覚な喫煙」を防ぐ

たばこ増税については、値上げによるたばこの消費の落ち込みにより、結果的に税収減となることも懸念されていますが、どのような名目であれたばこを値上げするメリットとして、とくに未成年に対する喫煙防止の効果を指摘する意見もあります。
本人がリスクを知った上で喫煙することは自由ですが、未成年者や、喫煙者の周囲にいる人々を、「無自覚な喫煙による健康被害」から守るためにも、必要な対策といえるでしょう。
<参考>
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/pdf/factsheet02.pdf
(受動喫煙防止対策について 厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000088931.pdf
(労働安全法改正 厚生労働省)
http://www.crs.or.jp/backno/No649/6491.htm
(中高生の喫煙状況と2010年のたばこの値上げの影響 中央調査社)

コラム出典:軽減税率の充填にも!?健康増進で議論が進む「たばこ増税」のメリットとは 
(by Mocosuku)