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米・小児科学会が「妊婦のアルコール一切ダメ」と指摘、心配される『胎児性アルコール症候群』とは

記事提供:Mocosuku

米・小児科学会が「妊婦のアルコール一切ダメ」と指摘、心配される『胎児性アルコール症候群』とは

アメリカの小児科学会が、妊婦に対して「アルコールは一切飲んではいけない。たとえ少量であっても絶対にダメ」と呼びかける報告書を発表したそうです。この報告書によると、飲酒は妊娠中のどの段階においても安全とみなすことはできず、アルコールは子どもの生まれながらのさまざまな障害の原因となるということです。

広範囲なリスクの報告も

実は、日本においても妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群」を引き起こす危険があるとして、厚生労働省が注意を促しています。
胎児性アルコール症候群は、妊娠中のアルコール摂取の影響によると推察される子どもの先天性疾患や障害の総称であり、その症状は、以下のようにさまざまです。

・特徴的な顔貌
・出生時低体重
・栄養とは関係ない体重減少
・身長と釣り合わない低体重などの栄養障害
・出生時の頭囲が小さい
・小脳低形成
・難聴
・直線歩行困難などの脳の障害

さらに現在では、妊娠中の飲酒は、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害や成人後の依存症リスクなど、広い範囲で影響が出ていることが報告されており、上記の米小児科学会では、妊婦が1日に1杯飲んだだけでも、生まれてくる子どもの発達障害の危険が高まると指摘しています。

「飲酒しない」ことが最大の予防

胎児性アルコール症候群には治療法はないといわれていますが、唯一で絶対の予防策は「妊娠中は飲酒しないこと」です。たしかに、妊娠中の飲酒量や頻度が増えるほど、胎児性アルコール症候群のリスクは高まりますが、少量のアルコールで症状が出たという報告もあるため、残念ながら「妊娠中に飲んで大丈夫なアルコール量の目安」は存在しないと考えた方がよいでしょう。

問題悪化を政府も懸念している?

近年では、ライフスタイルの欧米化により、女性の飲酒や喫煙は日本においても普通のことになっています。政府では、妊娠可能な年代の女性が他の年代に比べて飲酒率が高いことや、若い女性の飲酒率が増加傾向にあることから、今後の問題悪化を懸念しているとのこと。
もちろん、女性がお酒やタバコを楽しむ自由は尊重されるべきですが、妊娠中のリスクを考えると、どちらも摂取を控えたほうが生まれてくる赤ちゃんの健康のためには賢明です。医学的な検査の前に、妊娠の「可能性があるかどうか」をもっとも早く知ることができるのは自分だけなのですから。
監修:岡本 良平(産婦人科医 東京医科歯科大学名誉教授)
<参考>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151022-35072327-cnn-int

(「妊婦の飲酒は一切ダメ」、米小児科学会が勧告 CNN)

http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-015.html

(胎児性アルコール症候群 厚生労働省)

コラム出典:米・小児科学会が「妊婦のアルコール一切ダメ」と指摘、心配される『胎児性アルコール症候群』とは
(by Mocosuku)