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熊谷6人殺害事件のペルー人容疑者が「髄膜炎」で再入院

記事提供:Mocosuku

熊谷6人殺害事件のペルー人容疑者が「髄膜炎」で再入院

今年9月に埼玉県熊谷市で6人を殺害した容疑で逮捕されていたペルー人が「髄膜炎」の疑いがあることが報道されました。この容疑者は逃走時に住宅の2階から転落し、頭の骨を折るなどして入院していました。その後容体が回復したため今月8日に逮捕されていましたが、医師の診断により再度入院し、検査で髄膜炎を発症していることがわかったそうです。髄膜炎とはいったいどんな病気なのか、詳しく見ていきましょう。

髄膜炎のタイプ

私たちの脳や脊髄は、髄膜(ずいまく)と呼ばれる保護膜で覆われています。髄膜炎は、この髄膜が炎症を起こした状態です。原因は細菌やウイルスなどによる感染が主で、炎症を起こした場所によっては命に関わることもあります。
成人の場合、症状として最も多いのが強い頭痛です。また、特徴的な症状として頚部硬直(首の筋肉の硬直)、急な高熱、意識障害があり、これを髄膜炎の3徴と呼びます。ほかに、明るい光を嫌がったり、大きな音を怖がったりする場合もあります。
感染源は、真菌、細菌、ウイルスなどが多く、ほとんどはウイルス感染によるものです。また、稀に寄生虫や薬品、膠原病などの別の疾患が原因となることもあります。原因別に以下のように分類されます。
【細菌性髄膜炎】
髄膜炎菌をはじめとする細菌感染で発症するタイプで、組菌が脳に入ると脳障害を起こす場合もあります。中耳炎、服鼻腔炎などから病原体に直接感染する場合や、肺炎や心肉膜炎などによって血液に入った病原体から感染する場合、頭部外傷・脳外科手術時の感染が原因となる場合があります。
【真菌性髄膜炎】
悪性血液疾患や悪性腫蕩のための薬剤や、臓器移植のための免疫抑制剤などに
よって免疲力が低下した人が「真菌症」を発症し、その症状として髄膜炎が現れるタイプです。また、病原性が強いクリプトコッカス菌に感染した場合は、齢者でも発症することがあります。ほかの髄膜炎と同じで、頭痛、発熱、頚部硬直、嘔吐、意識障害などの症状が見られます。
【非感染性髄膜炎】
がんや医薬品、体内に侵入した寄生虫、膝原病、血管炎症候群など、非感染性の原因によって引き起こされるタイプです。

手術が必要とされる今回のケース

ペルー人容疑者がどのタイプの髄膜炎であるかは明らかになっていませんが、逃走時に頭蓋骨を骨折していることから、この時の外傷によってウイルスや細菌に感染した可能性があります。
髄膜炎の治療は抗生物質や抗ウイルス剤の投与がメインとなります。ただし、今回の報道では、警察が容疑者に手術を受けさせると話していることから、何らかの合併症を発症していることが考えられます。
髄膜炎の合併症で手術が必要なものとしては、脳脊髄液がうまく排出されない「水頭症」が挙げられます。その場合は、脳脊髄液の排出路を設ける脳室シャント手術が施されるでしょう。
せっかく容疑者の身柄を確保しているにもかかわらず、入院や治療などで取り調べが滞ってしまうのは歯がゆいところです。しかし、事件の全容解明のためには、容疑者に健康を回復してもらう必要があります。治療がスムーズに進むのを待ちましょう。
執筆:諸富 大輔(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医師)

コラム出典:熊谷6人殺害事件のペルー人容疑者が「髄膜炎」で再入院
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