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【理系育児】第一回 WHOガイドラインに学ぶ ”赤ちゃんの食事量”

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初めまして。sumireです。

子どもを持つと、いろんな人からいろんなことを言われますよね。そんな情報の波に飲まれないように、根拠ある育児情報を集めた「ちょっと理系な育児」というブログを運営しています。

その中で、世界の科学者たちによる膨大な研究結果の集大成である、WHOのガイドライン「乳幼児の栄養法」を、WHOに許可を取って翻訳公開しています。

このガイドラインはタイトル通り、「赤ちゃんに必要な栄養についてのノウハウ」という、私たち親にとってものすごく重要な情報が盛り込まれています。

もしかすると「WHOの話は途上国向け」、というような話をどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、そういう声を見越してか、ガイドライン中では「子どもたちが健康に育つために最適な方法は、先進国も途上国も変わらないことが明らかになった」と、わざわざ何度も念を押してあります。

このガイドラインは、【世界中の赤ちゃんのために書かれたもの】なのです。

これから 10回にわたって、離乳食と母乳育児について、このガイドラインを中心に、情報提供をさせていただくことになりましたので、今後ともよろしくお願いします。

<今回のテーマは「赤ちゃんの食事量」>

さて、今回は、Facebookで離乳食の悩みを募集させていただきました。
どれも共感できる悩みで、同じような経験がある方も多いんじゃないかなと感じます。書き込んでいただいた皆様、どうもありがとうございました!

その中でも多かったのが「食べる量」について。

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特に、あまり食事に積極的じゃない赤ちゃんの場合、栄養不足にならないか心配になってしまいますよね。

まず「離乳食」は、字が表しているとおり「乳離れのための食事」で、だんだんと母乳やミルク以外の食べ物に慣れさせることに主眼を置いています。

これに対し、WHOは「離乳食」ではなく「補完食」という言葉を使っています(1)補完食とは、 「月齢6ヶ月~23ヶ月の子どもに、
母乳やミルクだけでは足りなくなったエネルギーや栄養素を補うための食事」です。必要なエネルギーと栄養素がとれれば、量なんてどうでもいい(!)んです。

<量の目安は?>
それを前提に、WHOガイドラインによると、平均的な赤ちゃんが【1回に食べる量】はこんな感じです (2)

月齢6-8ヶ月 30-45 mLくらいから始め、徐々に増やしていく
月齢9-11ヶ月 およそ125 mL
月齢12-23ヶ月 およそ190 mL

では、こんなに食べられない赤ちゃんはどうすればいいのでしょうか?

<補完食は量より質が大事>

「離乳食」では一回の量に注目しがちですが、「補完食」では、1日のトータル(あるいは一週間・一ヶ月単位)で足りているかどうか?を考えます。

たとえば、月齢8ヶ月の赤ちゃんが補完食で補いたいエネルギーは、1日あたり約200 kcalです (2)

●「離乳食」の場合
8ヶ月頃は2回食なので、1回の食事で100 kcal必要です(2)
たとえば、全粥(70 kcal/100g)なら約140 g、10倍粥(30 kcal/100g)なら約300 gも必要です (3)

…なんだか無謀な予感がしますね。

●「補完食」の場合
8ヶ月頃の食事回数の目安は、1日2-3回+軽食1-2回です(2)
仮に、1日5回食べるとすると、1回の食事は40 kcalでいいのです。

これはどのくらいの量になるのか、ざっくり計算してみます。

全粥 小さじ2
:(10g ,7 kcal)
ヨーグルト 小さじ2
:(10g, 6 kcal)
かぼちゃの天ぷら 一切れの1/3
:(かぼちゃ7g+油 2g+天ぷら粉 1g, 6 + 18 + 3 = 27 kcal)

たとえば、これで、計40 kcalくらいです (3)

いかがでしょうか。ぐっとハードルが下がったように感じませんか?

<まとめ>

一度にたくさん食べられない赤ちゃんは、食事のカロリー密度(kcal/g)を高く、食事の回数を多くすればいい。

離乳食は「しっかり食べられるようになってきたら、食事の回数を増やしましょう」と言われることもありますが、本来は、赤ちゃんというのは一度にたくさん食べられないものだから、最初から複数回に分けて食事を与える必要があるんですね。

<参照>
(1)WHOガイドラインまとめ|補完食は離乳食と別のものです
(2)WHOが定める補完食の質・量・頻度
(3)文部科学省/食品成分データベース

<質問募集中!>

次回からは、個別の悩みに対して、問題解決できるような・少しでも気持ちが楽になれるような、情報提供をしていきたいと思っています。

今離乳食で悩んでいることや疑問に思っていることなど、専用フォームからお寄せください。

●筆者プロフィール●
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理系出身の研究者で二児の母。第一子の子育て中に、科学的に偏った情報や、赤ちゃんの気持ちを無視したアドバイスに悩んだ経験から、「根拠ある情報を、世界のトップレベルのスペシャリストから学びたい!」と一念発起。2013年頃から始めたブログ「ちょっと理系な育児」にて、WHOに許可を得てガイドラインを翻訳公開。現在、第二子の出産・育児に奮闘中。


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