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『癒し屋キリコの約束』はこうして生まれた!小説家 森沢明夫インタビュー

遼河はるひ主演で、現在フジテレビ系で放送中の昼ドラ『癒し屋キリコの約束』。遼河演じる有村霧子が東京・谷中の喫茶店『昭和堂』を舞台に、商店街の人々の心を奇想天外な方法で癒していくこの作品ですが、今回は原作者 森沢明夫さんに『癒し屋キリコの約束』を執筆された裏話をお聞きしました。

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都内、とある喫茶店にて。

― 8月3日から昼ドラが放送されました。 遼河はるひさん(有村霧子役)、前田亜季さん(柿崎照美役)、 A.B.C-Z戸塚祥太さん(上山涼役)といった個性的な面々が演じられるこの連続ドラマですが、原作の『癒し屋キリコの約束(幻冬舎文庫)』を執筆された背景を教えていただけますか。

私自身喫茶店が好きだったということと、それに風変わりなキャラクターを描きたかったんですよね。世の中風変わりな人はたくさんいますが、一見表面的には風変わりな人でも、見えないところで誰かの役に立っていて、実はなくてはならない存在だったりします。そこで喫茶店を舞台にして、表向きは金にがめつかったり、口が悪かったりしても、結果的には人の役に立つ。そういう人を書こうと思いました。

実は『癒し屋キリコの約束』を書くきっかけは、もともと昼ドラのプロデューサーとご縁があり、「原作から一緒に企画をしませんか?」というお話があったんです。ドラマに必ずなるという確約ではなかったのですが、そうした背景もあって、テレビドラマ化しやすいようにキャラを濃い目にしたり、ミステリー仕立てを意識して書きました。

― 『癒し屋キリコの約束』というタイトルにはどんな意味を込められたのでしょうか?

「キリコ」という名前にインパクトがあって、一回聞いたら忘れられない感じがしました。あと、「癒し屋」という職業ってあまりないですよね。だから「癒し屋キリコの○○」というタイトルにしようと思ったんです。それで担当編集者と「癒し屋キリコの○○」というテーマでアイデア出しをしました。僕も最終的に5、6候補を出したのですが、編集者の方から「約束」って言葉が出てきて、「あ、いい!それだ!」と、そのまま使わせてもらいました(笑)。

― 実際にドラマ撮影現場にも足を運ばれてみて、セットや雰囲気はどうでしたか?

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(※実際の撮影現場 ©東海テレビ放送)

すごく、すごく良かったです。ぼくが考えていた原作の喫茶店はもっとシンプルでしたが、原作のイメージより”昭和感”が出ていました。星田監督に「いろんなカメラワークを考えてこのつくりになっているですよ」と撮影現場で解説してもらい、「あそこから撮っているのか!」と考えるのが最近のドラマをみる楽しみです。

― 『癒し屋キリコの約束』では作中で流れる音楽もポイントになっていますね。

音楽って自分の青春時代と照らし合わせたりできますよね。ある曲が流れたとき「ああいうことがあったなぁ。」とか。ドラマではぼくの知らない曲もあったりします。小説にはないその感じを視聴者の方、読者の方にも楽しんでもらいたいと思っています。

― テレビで流れた曲を自分で調べてみてもおもしろいですね。

そういう人も多いかもしれないですね。今はiPhoneのsiriに曲を聴かせるだけで誰のなんという曲かわかりますしね。ぼくは貸レコード屋さんの時代だったから、レコード屋さんの詳しい兄ちゃんに鼻歌を歌って、そのレコードを出してくれると「この人神だな!」って思ってましたが、今はすごい時代ですよ。

― 原作を読まれた方からどんな感想をもらいますか?

霧子さんに癒されてみたい、昭和堂に行ってみたい、カッキーの入れたコーヒーを飲んでみたい(笑)などですね。また、読んだ人の多くが喫茶店の常連になりたいと話してくれるのですが、登場人物同士が人の喜ぶことをしあう「ありがとうの関係性」で結ばれているから心地良さそうに思えるのかなと考えています。

― 最後に読者へメッセージをお願いします。

作中に霧子さんの名言が多数あるのですが、その名言の中に「幸せ」になるためのコツみたいなものが含まれていると思います。ぜひ、小説でもドラマでもその霧子さんのセリフを自分の人生に当てはめてみて、幸せになってほしいなと思います。

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(※左からキララ役(中山来未)本城栞役(吉原茉依香)有村霧子役(遼河はるひ)©東海テレビ放送)

ドラマだけでなく、原作の小説も合わせて読むと、より一層作品の魅力にひたれるかもしれませんね。ますます注目の『癒し屋キリコの約束』。ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

 

森沢 明夫(もりさわ あきお)
一九六九年千葉県生まれ。早稲田大学人間科学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーに。
2006年、「ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三」で第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。
高倉健主演で話題になった『あなたへ』をはじめ、吉永小百合主演の『虹の岬の喫茶店』や『津軽百年食堂』『ライアの祈り』も映画化され、ベストセラーに。その他の著書に『大事なことほど小声でささやく』『夏美のホタル』など。

 

協力:幻冬舎、東海テレビ放送