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人や環境に配慮した消費活動「エシカル消費」ってなに?【朝ごふんコラム】

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子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回話し合って欲しいテーマは「エシカル消費」。人や環境に配慮した消費活動のことを指しますが、具体的にはどんなことをするの? 消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生にお話を伺いました。

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――最近、「エシカル消費」という言葉をよく聞きますが、どのような意味ですか?

古谷:エシカル(ethical)とは、日本語でいうと倫理的という意味。エシカル消費とは、「人や環境、社会問題の解決に貢献できる商品を選んで買いましょう」という消費活動のことなの。
たとえば、「人への配慮」としては労働者や障がい者など人への配慮をした商品などを買うこと。
「社会への配慮」としては、生産者や地域などへの配慮をするフェアトレード商品や、寄付つきの商品などを買うこと。
「環境への配慮」としては、エコ商品、リサイクル製品、森林や海の資源保護などに配慮した商品を買うこと。
日本は災害が多いから消費者庁の研究会などでは、被災地の物を買って消費することで応援する「応援消費」も含めてエシカル消費といっているの。
ほかにも動物福祉を考えた商品、たとえば動物実験をしない化粧品などを買うこともエシカル消費の1つよ。

「宅配便の再配達をやめることもエシカル消費の1つ」

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――ママたちができるエシカル消費にはどんなものがありますか?

古谷:身近なエシカル消費は山ほどあるわよ。たとえば最近話題の「宅配便の再配達をやめましょう」というのもそう。一般的にはエシカル消費の事例といわれていないんだけど、私はエシカル消費の事例だと思う。宅配便の再配達はドライバーさんへの負荷がかかっているし、トラックを使うから車からCO2が排出されるでしょ。宅配便の再配達をしなくていいように指定の時間に荷物を受け取ることを心がけることも、エシカル消費の1つよ。身近な商品の購入や消費の在り方を見直してエシカル消費にしていくことが重要ね。あまり知られていないものとして、海の資源保護として海のエコラベルといわれている「MSCマーク」のついている水産物を買うというのもあるわね。

海の環境を守って獲った水産物に対して貼られるMSCマークとは?

――MSCマークとはなんですか?

古谷:普段の食事で、魚や貝、エビなどを食べるでしょ。自然に繁殖し、成長するスピードを考えて適切な量を獲ればいいんだけど、獲り過ぎてしまうと生態系のバランスが崩れちゃう。MSCマークは、いつまでも魚を食べ続けられるように海の資源や環境に配慮して獲った水産物に与えられる認証エコラベルのことなの。

――MSCマークのついた水産物を選ぶとどのような効果がありますか?

古谷:MSCの認証を受けた漁業関係者の人たちは、獲ってよい漁獲量や時期、魚の大きさなどを定めたり、他の生物がかかりにくい漁具を使うなど、厳しい取り組みをしているの。私たち消費者がMSCマークのついた水産物を選ぶことで、そういった漁業関係者の人たちを支えることになる。その結果、魚たちの数も安定し、私たちもずっと魚介類を食べ続けることができるのよ。
ほかにもノートなどやコピーに使う紙は環境などに配慮したものを使っているか、食品を安易に廃棄して環境に悪影響を与えていないかなど、わたしたち一人ひとりの行動が社会や環境をよくしていく、それがエシカル消費。まわりを見渡せばママや子どもたち一人ひとりができる行動があると思う。何をしたらエシカル消費になるのか、家族で話し合ってみるといいかもしれないわね。

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、「子どもの食事」などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。
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