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怒りのピークは6秒間!?「怒りんぼ」脱却のための3つのヒントとは?

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何を言っても憎まれ口しか返してこない子ども。子どものことより自分の趣味優先のダンナ。頼みごとばかりしてくるママ友。などなど、毎日を過ごす中でつい怒ってしまったり、イライラすることって多いですよね。
”怒り”の感情はぶつけられた相手だけでなく、抱えている自分自身だってイヤなもの。そんな”怒り”と上手につきあうための心理トレーニング「アンガーマネジメント」が近年注目されています。
そのメソッドのひとつとして生まれたのが「怒らない体操」。7月には子ども向けのキッズバージョンが完成、東京都世田谷区の公立小学校でその記念イベントが開催されました。

安藤俊介さん「怒ることは自然。大事なのは上手なつきあい方」

多数の応募から選ばれたうちの1校で講義を受けたのは、世田谷区の公立小学校6年生のみなさんです。日本の「アンガーマネジメント」の第一人者である安藤俊介さん(日本アンガーマネジメント協会代表理事)が前に立つと、みんなの背筋が少し伸びました。

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「怒ることがある人?」という安藤さんの問いかけに、次々手を挙げる子どもたち。「みんなけっこう怒っているんだね。何に怒るの?」と聞くと、「合奏がうまくいかない」「親とケンカする」「お兄ちゃんが蹴ってくる」と声があがります。

「いろんなことで怒っているんだね。”怒る”ということ自体は全然かまわないんだよ。うれしい悲しいと同じで、人間に備わっている自然な感情だから。ただこれからみんなが大きくなっていく中で、”怒る”という感情とうまくつきあわないとスムーズにいかないことが出てくると思う。たとえば怒って、ぜんぶがイヤになっちゃうときってあるでしょう? それで本当はやるはずだったことをやめちゃうのは、すごくもったいない。今日は”怒る”ことと上手につきあうためにはどうすればいいのか、体操をしながら覚えてもらおうと思います」(安藤さん)。

まずは”怒る”ときの大前提として提示されたのが、3つのルールです。
1.他人を傷つけない
2.自分を傷つけない
3.モノをこわさない
じっと食い入るようにモニターを見つめる子どもたち。
怒ること自体は、まったく悪いことではないんです」と、安藤さんは繰り返します。「『悔しいから、次はもっとがんばろう』とか、怒ったことをバネにしてがんばっている人が世の中にはいっぱいいます」。

怒りのピークは6秒間。うまくやり過ごすための3つのヒント

次に教えてくれたのが「6秒セラピー」。”怒り”の感情がピークにあるのは、長くて6秒と考えられているそうです。この6秒をうまくやり過ごすことで、少しだけ冷静になれるのだとか。方法はいろいろあるそうですが、小学生でもすぐマネできそうな3つをピックアップしてくれました。

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1.【グーパー】
手を握ったり開いたりします。怒った気持ちをつぶす気持ちでグーを握り、それを解き放つようにパーのアクションをします。

2.【6秒カウント】
とにかく6秒数えるだけ。この日は全員で声を揃え、6からカウントダウンしていきました。

3.【温度計】
頭のなかに温度計をイメージ。カチンときたときに今の怒りはどれくらいの温度かを考え、数値化します。怒りを客観的につかめるようになる効果も。

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そしてこの日のメインイベントでもある、「怒らない体操」へ。心と密接につながっている身体を動かすことで、怒りに振り回されにくい体質に近づけていくというものです。さっきまでちょっと緊張気味だった子どもたちも、身体を動かすうちにどんどんリラックスモードに。体操の先生のユーモラスなトークにもたくさんのクスクス笑いがわき、最後はみんな笑顔に。大成功のイベントとなりました。

「怒ってばかりのママ」から脱却するには?

「アンガーマネジメント」は1970年代にアメリカで開発された心理トレーニングです。学ぶことにより自分自身の怒りを理解し、感情のコントロールをしたり、ポジティブな考えを生み出したり、まわりとの良好な人間関係を築くことができます。

ちなみに安藤さんが何度も言っていたように、”怒り”自体はけっして悪いものではないそう。生活をしていれば怒ることが必要な場面は、たくさん出てきます。一方で怒る必要のないことも、同じようにたくさん。怒らなければいけないことはその理由をうまく伝える、逆に必要のない怒りはサラリと流せるようになる。その判断をストレスなくできるようになることが、アンガーマネジメントなのだそう。
完全にマスターするのは難しいかもしれませんが、「毎日毎日怒ってばかりのママ」から脱却するためのヒントは多くありそうです。書籍も多く発行されているので、気になる方は「日本アンガーマネジメント協会」の公式ホームページをのぞいてみてください。

イベントで子どもたちが行った「怒らない体操」は、動画でチェックすることもできます。
「アンガーマネジメント☓おこらない体操」キッズバージョン

文・鈴木麻子

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