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一線を越えない「プラトニック不倫」…肉体関係なく「手をつなぐだけ」の法的リスク

提供:弁護士ドットコムニュース
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手をつなぐだけで、一線を越えない男女関係。思春期の甘酸っぱい恋愛ではなく、中年でそのような関係をしている人たちもいるようだ。「プラトニック不倫してる方いませんか?」。両思いの相手とは手をつなぐまで、身体の関係はもっていないという女性が、投稿を寄せたのは、子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板( http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2728275 )だ。

お相手は、職場の上司。2人とも家庭があるW不倫であるものの、手をつなぐだけで「プラトニック不倫」だと主張しています。「すごく好きだけど、家庭は壊したくない。お互いそう思って発展はないです」という投稿主。

レスには「私はキスまでする男友達いるよ」「W不倫(体の関係なし)で彼が離婚して、私も離婚決定してる」という経験者もいた。一方で「エッチしてないのに不倫なの?」「恋愛ごっごしたいだけじゃないの?」などと、否定的なコメントも多数、書き込まれていた。

両思いだけど、手をつなぐだけ。そんな「プラトニックな恋愛」には、法的なリスクはないのか。原口未緒弁護士に聞いた。

法的な問題はあるの?

「不倫で考えられる法的なリスクとは、『不貞行為』と『不法行為』の2つです。そこで、プラトニックな不倫でもそのリスクはあるかどうか、検討してみましょう」

まず1つ目の「不貞行為」について。「手をつなぐだけ」という関係でも、不貞行為となる可能性はあるのだろうか。

『不貞行為』とは、離婚理由となる肉体関係のある浮気のことです。ですので、『手をつなぐまで』という関係であれば、法的には不貞行為には該当しません。そこで、このことだけで、相手の方の奥さんから不貞行為に基づく慰謝料請求を受けたり、自分の夫から離婚を請求されたりする理由にはなりません。

つまり、不貞行為に該当するリスクはないと言えます」

では「不法行為」という観点からはどうだろうか。

「損害賠償請求できる『不法行為』とは何かは、民法709条に定められています。民法709条では、『故意又は過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う』と定められています。

この条文だけを読むと、わかりづらいですよね。具体的に言えば、浮気が発覚したら、その配偶者は傷つくでしょう。その場合、配偶者の浮気により精神的な損害を生じた、つまり『他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した』として、浮気相手に対して、いわゆる慰謝料を請求できるのです。

では、プラトニックな関係でも、不法行為に該当するのでしょうか。結論から言えば、肉体関係がなくても不法行為に該当することはあり得る、ということになります。不法行為に該当すると断定できないのは、実は裁判所でも、判断が割れているからです。

1度きりでも肉体関係があれば明らかな不法行為でしょう。ただ、肉体関係はなくても、そのことが理由となって、別居に至った、離婚することになった。あるいは、期間や関係の深さによっては、肉体関係がなくても不法行為に該当する可能性があります」

「性交渉をしない関係」で慰謝料の支払い命令

原口弁護士も、プラトニック不倫事案を担当したことがあったそうだ。

「以前、プラトニックな不倫関係について争った案件を担当したことがあります。夫(A男)と不貞行為をしたとして、その妻(B子)が相手の女性(C美)を相手取って慰謝料請求をしたのです。しかし実は、訴えられたC美さんは、健康上の理由で性交渉を行うことができません。

妻のB子さんは、夫のA男とC美は、性交渉を伴う不倫関係にあると疑っていました。そこで、C美さんは性交渉ができないことを主張したり、証明したりしたのですが、結局のところ、A男さんとC美さんのメールのやり取りの内容がかなり親密なものであったため、裁判官は、肉体関係のある一般的な不倫とあまり変わらない金額の慰謝料の支払いを命じました」

「肉体関係がなければ、大丈夫」と考えている人も多そうだ。やはり法的にはリスクのある行為だと覚悟しておくべきなのだろうか。

「結局のところ、仮にプラトニックな関係であっても、それにより相手や自分が離婚することになった場合には、慰謝料請求をされる可能性はありますので、十分に気をつけてください。

安易に不倫の関係に陥らず、もう一度、よくご自分の夫婦関係や不倫相手の方との今後の関係などを見直してみてください。もし、今の夫婦関係の不満から不倫へと逃げようとしているのであれば、まずはきちんとご主人と話し合うことが先決かと思います」

提供:弁護士ドットコムニュース

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