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「乳がん検診」へ思い立って行った結果、涙した話

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2017年6月22日(木)に小林麻央さんが天命を全うされたと、夫である歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが会見を開きました。

海老蔵さんの丁寧な言葉のひとつひとつに、麻央さんへの大きな愛と悲しみが感じられ、終始涙がとまりませんでした。強く、優しく、そして美しく。自身の人生を精一杯生き抜いた麻央さんの姿に励まされ、救われた方々も多かったのではないでしょうか。

麻央さん自身の乳がんが公になったのが2016年6月。そのときすでに麻央さんは病気と闘っている最中だったとのことですが、海老蔵さんの開いた会見に衝撃を受けたことを思い出します。

麻央さんの公表がなければ行かなかった乳がん検診。その結果は……

麻央さんと同世代の筆者。2人の子どももほぼ同年代で、勝手に親近感を抱いていました。そんなときに降って舞い降りた麻央さんの乳がん公表。忙しい毎日の中で、なかなか自分の身体に目を向けてこなかった筆者が立ち止るキッカケとなった出来事でした。

専業主婦だと、健康診断へ行くことすらハードルが高くなります。特に未就園児がいる場合は、子どもの預け先を確保しなくてはならないので、そこまでしなくても……と、ついつい後回しに。

主人との休みを調整して、ようやく訪れることができた人間ドック。オプションで付けた乳がん検診の触診を難なくパスしたのにもかかわらず、超音波検査技師さんの顔色が曇った瞬間を、今でも忘れることができません。

そして後日、自宅へ送られてきた検査結果に時間が止まります。

「左乳房に腫瘤あり」判定E(要精密検査)でした。

頭の後ろをハンマーで殴られたかのような衝撃と、「これから」のことを考えると恐怖と不安で震えました。

全く気付かなかったしこり。細胞診の結果は?

慌てて受診した乳腺外来の先生から「1センチ以上のしこりがあるけど、気づかなかった?」と聞かれます。

そう、全くといって良いほど気づかなかったのです。ただ、何となく左胸が突っ張るかな……と感じたことはありますが、それも結果を見てから言えたこと。日常生活の中では本当に気づきませんでした。人間ドッグでも、胸の触診はA判定だったくらいですし。

生検(がん細胞の疑いのある細胞を、直接ハリやメスなどで採取し顕微鏡で調べる方法)をして10日間結果を待ちました。生きた心地がしなかった、永遠とも思えた10日間。こんなにも自分の「生」と「死」を意識した時間はありませんでした。

結果は良性。その場で涙がでました。

しかし、経過観察は必要とのこと。このまま大きくなるようだったら手術をして切除をした方が良いと言われ、現在半年に一度、超音波とマンモグラフィーを交互に行っています。

先生に聞いてみました。「なんでしこりができるんですか?」

良性ではあったのですが、なんでこのようなしこりができてしまうのか、どういった生活がいけなかったのか先生に訊ねてみました。すると

「ホクロと同じ。何でできるかってまだ解明されていないでしょ? 癌になってしまうかは遺伝的要因もあるけれど、実は誰にしも起こりうることで、運、不運は関係ない。大事なのは自分の身体に目を向けて、検診にくることなんだよ。そうすれば最悪の事態も未然に防げるからね」

とのことでした。

ママになってみて一番感じたのが、「自分の時間」がなくなること。それは自ずと「自分を労わる」時間も減っていきます。ちょっとやそっとの体調不良は見て見ぬふりをして乗り越え、24時間体制の育児で睡眠時間がとれないことも大目にみなくてはいけません。

今回、麻央さんの乳がん公表がなければ、自身の身体をいたわる大切さを蔑ろにしていたであろう筆者。大切な気づきを得ることができたのも麻央さんのおかげでした。そんな麻央さんのことを、ブログを通してではありますがずっと応援し続けていました。
麻央さん自身が走り抜けた34年の人生は間違いなく輝いており、多くの人々たくさんの影響力をもたらしたことでしょう。麻央さんはこれからもずっと人々の心に生き続けていくのだと思います。

そして麻央さんと同じ「ママ」である私たちは、生きていくことの使命として、自身の身体を大切に労わってあげる努力をするべきなのかもしれません。生前に「乳がん検診を」と声を上げていた麻央さんのために、または自身の愛する家族のためにも……。
皆さん、是非「検診」に行きましょう! 自身の身体を大切にし、労わり、メンテナンスすることも「ママ」として家族を支える大事な仕事のひとつのはずです。

最後になりましたが、麻央さんのご家族の方々にこれからも幸多からんことを願い、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

文・渡辺 多絵