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なかなか解決しない保活問題、今ママたちにできることは?

駒崎さん

「保育園落ちた日本死ね!!!」から1年。今年の春もまた不承諾通知を受け取ったママたちから悲鳴の声があがっています。つらすぎる保活をなんとかしたいと立ち上がったママたちが始めたのが『「#保育園に入りたい」を本気で語ろう』イベント。毎年同じ悩みを抱えるママたちがたくさんいますが、今回は少し流れが変わってきたところもあるようです。

保育園落ちたら怒ってもよかったんだ

イベントの主催者である天野妙さんは、3人のお子さんを育てるママ。これまで三度の保活を経験してきたそうです。

「8年前に保育園の不承諾通知を受け取りました。当時、保育園に入れなかったのは、自分のがんばりが足りなかったからだと、落ち込みはするものの怒りは感じませんでした。去年、『保育園落ちた日本死ね!!!』が注目され、初めて、あのときは怒ってもよかったんだ。ママたちはもっと声をあげていいんだと思いました」

保育園問題が注目を集め、保育士の待遇6000円アップへ

保育園問題が注目された2016年は、待機児童問題をはじめ、保育施設や保育士の不足、保育士の待遇改善など、これまで注目されてこなかったさまざまな問題が表に出てきました。
その中でも大きく変わったことは保育士の給与アップ。

NPO法人フローレンス代表、駒崎弘樹さんは「保育士の給与を上げろということは何年も言い続けてきたけどなかなか動かなかった。昨年、ついに国が保育士の給与を6000円アップしてびっくりしました。やっぱり当事者の思いというのが一番伝わる。これからも叫んでほしい」と、ママたちにエールを送りました。

不承諾通知画像をTwitterでアップ、ママたちの声を届けよう

今まで不承諾通知を受け取ったママたちは泣き寝入りしたママたち。でも、今年は違います! 画像を撮り「#保育園入りたい」をつけてTwitterでアップすることで、ママたちの声を可視化する取り組みも始まっています。

駒崎さんは「アップされた不承諾数値の数値化することはとてもいいことです。保育園に子どもを預けられず失業したら、失業手当も増えるし、所得税もがつんと下がります。これは社会にとってもダメージです。この問題をママだけの問題で終わらせない。夫や、復帰するはずだった会社の経営者たち、地域社会として捉えていくことが大切です」と訴えました。

問題の根底にあるのは「子どもは母親が見ればいい」という考え

待機児童問題が解決しないのは、中心となる政治家たちからなかなか関心を持ってもらえないこと、保育園に子どもを預けて働きたい、または働かざるをえないママたちの気持ちが理解されづらいこと、保育士が足りない、園舎を建てる土地がないなど、いろんな問題があると思います。そのなかでも「子どもは母親が家でみるべきもの」という根強い価値観があるかもしれません。

「3年間抱っこし放題ではなく、お前が抱けよ!」で会場から拍手

ファシリテーターを務めた、朝日新聞総合プロデュース室の浜田敬子さんから「政府は1億総活躍、女性に働いてもらいたいといっておいて、待機児童問題になったら育休を3年間延ばせばいいという話が出てきました。子どもは家で育てろよという意識が強い気がします。根本の価値観は変わりますか?」という問いかけが。

これに対して駒崎さんは「変えないと日本は生き残れない。女性は家で子どもの面倒を見ていれば幸せだろうと思いがちだけど、働きたいと思っている人はたくさんいる。抱っこし放題なんていうなら、お前が見ろよ!」と発言し、会場から拍手が起こりました。

「抱っこし放題万歳」派も「お前がしろ」派も輝ける社会を

あるママは「3年抱っこし放題万歳派のママも、お前が抱っこしろ派のママも、誰にも遠慮することなく輝けたらいいなと思います。ママとパパと地域社会が、仕事と育児を上手にシェアできるような社会になったらいいですね」と、待機児童問題に対する思いを伝えてくれました。

保育園問題は、Twitterで不承諾通知の画像をあげたり、つぶやいたりと、徐々に声を上げる人が多くなってきています。当事者の声を発信することで、より多くの人にこの問題を考えてもらうきっかけになります。いろんな意見やアイデアを出し合いながらみんなで解決策を探していきたいですね。

取材・文 間野 由利子