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子どもの歯ブラシ事故が多発!万が一にはこう備える【朝ごふんコラム】

※2017年3月時点の情報です。

歯ブラシ①
ごはんやおやつを食べた後、健康な歯を守るためにも子どもの歯磨きは欠かせません。ですが、この歯磨きの時に使う歯ブラシが原因で、入院するほどの大きな事故が起きているのです。今回は、子どもの歯ブラシ事故についてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
出口小児科医院院長 小児科専門医 出口貴美子先生の紹介画像

歯ブラシが原因の事故は1歳児に多発

医療機関ネットワークによると、子どもが歯磨きの途中に歯ブラシをくわえたまま転んでケガをしたという報告が約2年の間に50件寄せられています。(平成22年12月~平成25年1月末)(※1)
そのうち6歳以下の乳幼児は49件あり、年齢別でみると1歳児の23件が最も多く、2歳で12件、3歳で8人、4歳で4人となっています。この事故は、歯磨き中に歩いて転んだりしたことで起こっているのです。具体的な事例をいくつかあげてみましょう。

「歯ブラシを持ちジャンプして遊んでいた。泣き声で気づくと口から大量の出血あり。止血したが、数時間後に発熱、翌日には細菌による炎症を併発して入院となった」(2歳)

「夜、ベッドで飛び跳ねながら歯磨きをしていて転落。うつ伏せで、喉の奥に歯ブラシが数センチ突き刺さっていた。救急搬送され入院」(3歳)

「夜、仕上げ磨き後に、歯ブラシをくわえたままソファーで転落。仰向けで多量の出血あり。約1週間入院」(1歳)

(※2)

安全に歯磨きをするためには、必ず保護者の方が横に寄り添い、以下のことに十分気をつけてください。
・歯磨きをするときは、必ず椅子や床など安定した場所に座らせる
・子どもに歯ブラシをくわえさせたまま歩いたり、遊ばせない
・兄弟でふざけ合う場合もあるため、まわりにも気を配る

柄が曲がる歯ブラシが新開発!これを使えば事故は減らせる

歯ブラシ②

歯磨きをするときは椅子や床に座ってすることが基本ですが、万が一に備えて、歯ブラシの柄の部分が曲がる新しいタイプの歯ブラシが開発されました。これを使えば、もし転んだとしても、ちょっとした傷はできるかもしれませんが、のどや脳に突き刺さるような命に関わる事故は、防ぐことができ安心です。

子どもの歯茎はやわらかいので程よく力を抜くこと

この曲がる歯ブラシは、歯を磨く時に力がかかりすぎないという点もすぐれています。
子どもの歯を磨く時、お母さんたちはついつい力を入れすぎて、結果歯茎を傷つけてしまうということがあります。この歯ブラシの場合は、程よく力が抜けるため、ちょうど良い力で磨くことができます。「曲がる歯ブラシだと磨いている気がしない」という感覚になるかもしれませんが、そもそもゴシゴシ磨いている時点で力が強すぎるのです。子どもの歯と歯茎はデリケートなので、優しく磨いてあげることが大切です。

歯を磨く時は椅子に座って磨く、万が一のために柄が曲がる歯ブラシに変える。この2点をしっかりと守り、親子で楽しい歯磨きタイムを過ごせるようになるといいですね。

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。

ほかにも、災害時の事故・抱っこ紐での事故 などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。

参考:「乳幼児の歯ブラシによる事故に注意」(消費者庁)、「子供が歯ブラシで遊んでいませんか」(消費者庁)

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