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今年の”クレヨンしんちゃん”映画を飾る、高橋優さん新曲「ロードムービー」

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最近はライブに訪れる親子ファンも多いという、シンガーソングライター・高橋優さん。「福笑い」「明日はきっといい日になる」などCMでおなじみの楽曲も数あるだけに、音楽ファンのみならずお茶の間認知度もかなりのものですよね。

そんな高橋さんが4月15日から公開される『映画クレヨンしんちゃん 襲来‼︎ 宇宙人シリリ』の主題歌を担当することに。熱烈な”クレヨンしんちゃん”ファンを公言する高橋さんに主題歌のこと、子どもたちに抱く思いなどをお聞きしてきました。

子どもは興味さえ持てば、どんな難解な歌でも受け入れてくれる

開口一番「僕、子どもが大好きなんですよ!」と、高橋さん。ふたりのお姉さんはすでにママであり、高校3年生を筆頭に親戚中で9人の姪っ子と甥っ子さんがいるのだそうです。そんななごやかなお話から、インタビューがスタートしました。

──熱心な”しんちゃん”ファンだったとお聞きしました。

「僕はしんちゃんと真逆の少年だったんですよ。休み時間もひとりで本を読んでいるような、内向的な男の子で。だから(地元)秋田のテレビ局で”クレヨンしんちゃん”が始まったときは衝撃でした。実際にこんな子がいたら嫌われるんじゃない?っていうくらい生意気なしんちゃんなのに、すべてが笑いで終わるんですよ。しかも人気者。そんなしんちゃんは、僕の中でカリスマでしたね」

──そんなあこがれの作品から、今回主題歌のオファーをもらったんですね。どうやってテーマを絞り込んでいったんですか?

「監督さんにお話をうかがっているときに、”これはしんちゃんと宇宙人シリリのロードムービーなんですよ”とお聞きして。お父さんを探して日本縦断するという内容を聞いて、”旅”がひとつのキーワードになるのかな?と思いました。

で、たまたまそのお話をいただいたのが僕が全国ツアーをしている最中だったんです。ツアーに向かう飛行機や新幹線の中でアイデアを考えることも多かったので、自分にとっても”旅”はキーワードになるのかなと」

──とくに子どもたちを意識した曲作りではなかったんですか?

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「口ずさんでもらえたらうれしいなっていう期待はあるんですけど、あまり考えなかったです。僕の中のイメージですけど、子どもは子ども扱いされるのを嫌がるんですよ。3〜4歳くらいでもちゃんとプライドがある。たとえばオモチャで遊ぶときでも、子ども扱いしているとあまり楽しくなさそうなんですよ」

──それは”優おじさん”の経験からですね!

「そうです! 僕には子どもがまだいないので個人的な見解ですけど、赤ちゃん言葉で話しかけたって伝わるものはそう多くない。子どもにとって重要なのは、相手が真剣に自分と向き合ってくれているかどうかなんです。だから僕は子どもと遊ぶときも、子どもが作ったルールの矛盾点とかを突くんですよ。”さっきと言っていたことが違うぞ!”とか」

──わぁ、遊びづらいです(笑)。

「でも子どもって真剣に向き合うと、”さっきはこうだったけど、これはこうだから”って一生懸命に説明してくれるんですよ。で、そんな僕のやり方が正解かどうかはさておき、それをどう曲作りに反映させたかといえば……”こんな曲を作れば子どもに受け入れられるんじゃないかな?”っていう書き方では、すぐに子どもにバレると思ったんですよ。真剣に生きる意味を問うてる僕の歌でも、子どもって笑いながら歌っていたりするんです。意味がわかるかどうかではなく、子どもは興味さえ持てばどれだけ難解な歌詞でも歌ってくれるものなんですよね。

今回は『クレヨンしんちゃん』の歌ということで子どもたちは聴いてくれるのだろうけど、そこに放たれる僕のメッセージは僕の精いっぱいのメッセージじゃなきゃいけないと思いました。だから僕が今一番人に伝えたい思いを、できるだけそのままの言葉で書こうと」

家族みんなで映画を観て、屈託なく笑ってほしいです

そうして誕生した楽曲「ロードムービー」は旅のゴール地点や結果にこだわりすぎるより、途中で出会うめぐり合わせやエピソードに焦点を当てた楽曲に。今ここにあるつながりや喜びを感じながら歩いていきたいという、高橋さんの思いが込められた1曲となりました。

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──たとえば親としては我が子を思うあまり、つい近道を教えてしまいがちなんですよ。なのでよけいにこの曲の歌詞がグッときました。

「あ、それもアリだと思いますよ。便利なものは便利でいいと思います。ただ、僕の人生は遠回りの連続だったんですよね。メジャーデビューしたのも27歳で、”遅咲き”なんて言われましたし。でもそれでよかったなと、今すごく思えていて。全国の人の前で歌いたいとか目標は僕にもあるんですけど、その途中で出会うスタッフや歌をきっかけに知り合えた友達とか、家族にもらった言葉とかをないがしろにしながらただ目的に向かうのはもったいない気がするんです。どこにいっても”そこにしかないもの”が絶対にあって、何かしら理由があって巡り合ったと思っているんですよ。だから自然とこういう歌詞が出てきたというか。
”遠回りしたから失敗だった”と思って今日を終わるよりは、”遠回りしたけど今日の道はおもしろかった”と言える人のほうが、人生がちょっと楽しそうじゃないですか(笑)? ま、この歌詞はあくまで僕が思っているひとつの気持ちです。ただ、”今歩いている道が楽しいよ”っていう歌です(笑)」

──それでは『映画クレヨンしんちゃん 襲来宇宙人シリリ』を観に行く親子に向けて、メッセージを。どんなふうに楽しんでほしいですか?

「僕にとってもそうだったんですけど、家族ってどんなワガママもきいてもらえる場所だと思うんですよ。あ、”許してもらえる”とは違うんですよ? 怒られるにせよワガママをきいてもらえて、自分が一番自分でいられる場所が家族だと僕は思っているんです。なのでお父さんお母さんと子どもが、映画を観て一緒に屈託なく笑っているシーンを僕はずっと思い描いてます。ぜひ”しんちゃん”を観て、みんなで笑ってほしいなぁ」

──笑った最後にこの曲を聴いてグッとくる、そんな展開になりそうですね。ご自身も映画館に観に行くのが楽しみなのでは?

「自分の曲を使っていただいた映画のときは、いつも緊張しちゃうんですよ。”いい映画だったのに、エンディング曲が……”なんて声が聞こえたらどうしよう?とか(笑)。だから何回か、観に行くと思います。この記事を読んで”行ってみようかな”と来てくださった親子の隣の席に、僕がいるかもしれません。そのときは何も言わず、なるべくそっと見守っていただければ……(笑)。映画も歌も、一緒に楽しんでもらえるとうれしいですね!」

 

高橋優 16thシングル「ロードムービー」 2017年4月12日リリース

『映画クレヨンしんちゃん 襲来‼︎ 宇宙人シリリ』は2017年4月15日(土)全国東宝系にてロードショーです。

 

取材&文・鈴木麻子  撮影・山口真由子

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