life

おかあさんの知らない、ぼくとぼーるの特別な時間。

子どもが可愛くて仕方がない。子どもが心配で仕方がない。
だからこそ、四六時中でもそばにいてあげたいし、ずっと見守っていたい。

母親ってありがたいですよね。
そうやって見てくれているからこそ、子どもたちは安心して遊んだり、笑ったり、泣いたり、マガママ言ったりできるわけです。

「あなたのことは、ぜーんぶわかっていますよ」
なんてほくそ笑みたくなるものです。

……だけど、全部わかっているって本当かな?
ふと夕食のおかずのことを考えている隙に、美しく生けたお花に見とれている瞬間に、必死に自転車をこいでいる間に。
意外と子どもたちは知らない世界へ大冒険と繰り出していたりするものなのです。

この絵本を読んでいたら、そんなことを想像してしまいました。

■ 『ぼーると ぼくと くも』

350_Ehon_114247「ぼーると ぼくと くも」
作: 加藤 休ミ 出版社: 風濤社

ぼくが道の途中で出会ったのは、持ちきれないほどの大きな赤いぼーる。ぎゅっとつかんだまま、おかあさんの自転車のうしろに乗っていたら、坂道をくだる勢いで、ぼくごと……飛んだ!

そしたらね、空に浮かんだぼくにぼーるが話しかけてきたの。
「くもと あそんでゆこう!」

ホワホワモコモコまっしろなくもたちに、赤いぼーるはよく似合う。
おおきなしろうさぎの目になったり、ショートケーキのいちごになったり。野球遊びだってできちゃうよ。さんかくのくもには、ぼくとぼーるでおにぎり!
ところが、あまりに美味しそうな出来上がりに、くいしんぼうのおおざるくもが追いかけて来た!?ふわりふわりのぼくとぼーる、ちゃんと逃げられたのでしょうか。

クレヨン画家・加藤休ミさん、最新作の舞台は空の上。柔らかそうだけど厚みのある真っ白な雲の表現が、意外な程しっくりきていてます。子どもらしい豪快さとのびやかさ。なおかつやっぱり美味しそうなところが期待を裏切りません。

さて、思いっきり飛びまわった後には自転車の後ろの席にもとどおり。いつのまにかぼーるもちょうどいい大きさになって。これからはふたりで遊びます。おかあさんの知らない、ぼくとぼーるの特別な時間。いいね、いいね。そんな体験をしている息子の姿は、例え絵本でしか見ることができなくっても嬉しいものですよね。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

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子どもと一緒に読み終わったら、今度は母親が妄想の世界にひたってしまうかもしれません。なにしろ、子どもだった頃に誰もが憧れた遊びですからね!

その隙に子どもたちはまた……。
意外とそういう時間が大切なのでしょうね。

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絵本ナビ:【記事】「『ぼーるとぼくとくも』加藤休ミさん インタビュー」
絵本ナビ:【シリーズ】「らいおんbooks」シリーズ