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かつての恋人を「さん」づけで呼ぶ日

足

人は生きていればそれなりに、苦しかった恋・忘れられない恋の一つ二つはするものでしょう。みなさんには、旦那様を差し置いてでも、墓場まで持っていきたい恋の思い出はありますか?

先日放送されたTBS『マツコの知らない世界』に出演した小室哲哉氏が、かつて自身がプロデュースしたアーティストであり恋人でもあった華原朋美さんについて語っていました。

『とにかくマライア・キャリーが好きで』
『彼女のシンデレラストーリーを作ってあげようと思った』

90年代にティーンエイジャーだった私にとって、当時日本の音楽界を席巻していた小室哲哉氏が創る唄は、青春時代のそこかしこを彩っていました。華原朋美さんの透き通るような歌声が響く『I’m proud』、なんど聞いたことでしょう。

その後ふたりは残念ながら破局を迎えるのですが、その後の二人の人生はというと。

小室哲哉氏は、同じく小室ファミリーだったglobeのKEIKO(kco)さんと結婚するも、小室ミュージック全盛だった時代はうつろいJ-POP界で彼の名を聞くことは少なくなっていきました。そして2008年、詐欺容疑で逮捕。翌年有罪判決を受けた後は、くも膜下出血で倒れた妻KEIKOさんの介護の合間を縫い、地道に音楽活動を再開しています。

華原朋美さんは華々しいシンデレラストーリーから一転、小室哲哉氏と別れてからは“自殺未遂”“薬物依存疑惑”などでワイドショーをにぎわす程度になり、たびたび休養。長いブランクの後、2012年の『FNS歌謡祭』の復帰を果たし、彼女なりのペースで活動を続けています。

そして今回の『マツコの知らない世界』への小室氏の出演。リアルタイムで観ていたという元恋人の華原朋美さん。

かつては「ともちゃん」と呼んでいた彼女を「華原さん」と呼びながらも思い出を語る彼を観て、華原さんは自身のブログやSNSにコメントを投稿しました。

『一言では申し上げられませんが、言わせていただけるのでしたら感謝しかございません。あの当時、とてもお忙しい小室哲哉さんの作って頂いた華原朋美の曲を今もどんな歌より大切に大事に心込めて丁寧に歌わせて頂いています。小室哲哉さんの作って頂いた歌を今もコンサート等テレビ番組で歌わせて頂けることに感謝しています!私の過去は誰よりも幸せでだれよりも最高でした。マツコ・デラックスさん、小室哲哉さんありがとうございます。

華原朋美オフィシャルブログより引用)』

かつて愛称で呼んでいた恋人を、他人行儀に「さん」づけで呼ぶとき、どんな気持ちでしょう。20年たってもなお残るであろう思い出に蓋をするのは、どんな気持ちでしょう。しかし20年たってそれぞれの人生を歩み改めて思い出す、人生を大きく変えてしまったであろうかつての恋は、どんな色をしているのでしょう。

私は、大好きな夫と子どもたちに囲まれていることで今は幸せな人生を送っていると胸を張って思っています。

でもこの先もう会うことはないだろうと思っていた過去の大切な人にもし偶然にでも会うことがあれば、どんな顔をするのだろうかと、華原朋美さんのコメントを見てしばし思い出に浸っては考えてしまったのでした。

「たまには、夫以外の人のこと考えても、いいよね?!」などと言い訳しつつ背徳的な妄想で悶々とし、「せやから、忙しいねやて!」を魔法の言葉代わりに“女子力”を完全に失って久しい、スウェット&スッピンのアラフォーかあちゃんの、子どもを寝かしつけた後の無意義な時間でした。

あぁ、早よシンクに溜まった洗いもんしなアカンわーー。

文・桃山順子