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孤独と感じるママたちに、そっと寄り添ってくれる場所を―「sage femme(サ―ジュファム)」のススメ

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「赤ちゃんが生まれたら、幸せなことがいっぱいあるんだろうな」

経験したことがないというのはとても怖いことだなと、ママ歴3年の筆者は最近よく考えます。
「赤ちゃんはかわいいんだから」「育児は楽しいものだ」というイメージを持って、子育て中のママに接することが、時にママたちを”追い詰める”ことになってしまうことを、自分がママになり初めて知ったからです。

夫がいても、すぐ会える距離に家族がいても、育児中に”孤独”を感じるママは多いです。

この”孤独”は「わかってもらない」「私の気持ちが伝わらない」「理解してもらいたい」という気持ちが積み重なった時にふと、ママたちを襲う感情だと思います。

■孤独を感じたママがどうなるか

 「ママになったんだから、頑張らなくちゃ!」

ママたちは、無意識のうちにこんな気持ちを抱え、そのプレッシャーに押し潰されそうになります。

そんな時、あなたには「助けて」と言える人がいますか? 「聞いてあげるよ」と言ってくれる人がいますか?

世の中には、助けを求める場所もわからず、1人で悩みを抱えているママがたくさんいます。
また、勇気を出して信号を出しても、それを受け止めてもらえずますます孤独になるママも少なくありません。

『何カ月健診の時に育児相談があって、ノイローゼ気味だったから相談したけど、へー、そーみたいな対応で相談しても無駄だと思った。それ以来「お母さんの体調どうですか?気持ちの面とか」と聞かれても「大丈夫です」と答えてる』

『役所の育児相談に相談したところで、なんの解決にならなかった。むしろダメ出しされて逆に辛くなった』

「1人では解決できない!」と思い、勇気を出して受け入れてくれるだろう場所へ相談に行っても、そこで思っていたような対応をされずに帰ってくるママがたくさんいます。

最近も牛乳アレルギーのある子どもに牛乳を飲ませ、故意に呼吸困難などのアナフィラキシーショックを起こさせ、殺害しようとしたとして母親が逮捕されたというニュースがありました。このママは、事件を起こす前に何度も児童相談所に助けを求めていたそうです。(参考

このニュースを見て「何度も助けを求めていた」という点に、同じ母親たちは心を痛めます。「我が子を苦しませるようなことをしてはいけない」と、頭でわかってはいても、”孤独”を感じてしまった母親は、時に冷静な判断ができなくなってしまう。そんな時、「助けて!」と発した言葉をしっかり受け止めてくれる存在は、育児をするすべてのママたちに必要なものなのです。

このようなニュースを見る度に、”ママたちに寄り添ってくれる場所”が増えることを願わずにはいられません。

今回「育児で悩むママたちに寄り添える場を作ろう」と、2016年6月に、助産師さんたちが立ち上げた産後ケア「sage femme(サ―ジュファム)」の皆さんに取材をする機会を得ました。

■地域のママたちを支える「sage femme(サ―ジュファム)」とは

一般社団法人ひと・まち・みらい創生社が母体となっている東京都調布市の「sage femme(サ―ジュファム)」は、経験豊富な助産師さんたちがチームとなり、地域のママたちを支えています。
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「地域のママたちが笑顔で育児ができるために」
「人知れず、虐待で辛い思いをしている子どもが一人でも減るように」

”産後ケア”と一言で言っても、その内容は多岐に渡ります。

マネージャー助産師 バースセラピストの江口さん

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『助産師がやっているケア施設なので、ママからの相談は、おっぱいに関する悩みが多いです。
赤ちゃんの体重が増えているか、おっぱいはきちんと出ているかという相談から、卒乳に関することまで、成長と共に変化する悩みを一緒に解決していきます。
卒乳・断乳に関しての相談ができるところは意外と少ないんですよね。
パパが一緒に来て、育児に関する話を聞いて「そんなに大変なんだ」と感じて帰る方も多いんです。そう感じることで、育児に対する意識が変わったりするのは、ママにとっても良いことですよね。
ここを訪れる方には、「専門的な知識を持つ人が相談相手になってくれるという心強さ」を感じてもらって、困ったことがあったら「サ―ジュファムに行こう」と思ってもらえる場所になれたらと思っています』

sage femme理事の西川さん

『昔と違い、1人で育児をしているお母さんがたくさんいます。子育てをしながら『孤独』を感じることは、お母さんにとってもお子さんにとっても解決すべき大きな問題です。
「サ―ジュファム」は、そんなお母さんたちの気持ちに寄り添えるような場所として、たくさんのお母さんたちを受け入れていきたいと思っています。
経験豊富な助産師さんたちが、ここを訪れるお母さんたちのお役に立てるように遅くまで勉強会を開いています。
地域密着と言っても、近隣の市町村から訪れる方も多くいるので、ぜひ気になることがあれば立ち寄ってみてください』

筆者は産後1年間、市が月に2回開催する無料の助産師の相談会に参加していました。

そこでは、おっぱいの悩みから、育児の悩み、子どもの成長に関しての相談、離乳食の相談に乗ってもらえたり、子どもと一緒に手遊びをしたり、地域で同じように育児をしているママたちと交流ができるので、毎回楽しみにしていました。1回3時間、助産師さんにおっぱいの相談をすると詰まりのマッサージを受けたり、産後のホルモンバランスのせいで、相談しながら泣いてしまうことがあっても、「大丈夫、大丈夫!」と言ってもらえて安心できたり。産後1年、あの回に参加していたことで助けられたり、救われたりしたことがたくさんあります。

初めての出産・育児はわからないばかり。その中で、子どもの成長を把握してくれているコミュニティは、なくてはならない貴重な存在でした。

今回取材させていただいた「sage femme(サ―ジュファム)」も、きっと育児中のママたちにとって“なくてはならない”存在になると思います。

マネージャー助産師の江口さんは、「できれば妊婦さんの時から来てもらい、出産後の育児に関しての不安を、妊娠中からケアしていきたい」とお話してくださいました。

妊娠中から育児に関しての相談を聞いてもらえる場所を見つけられたら、「孤独」を感じるママが減るのではないでしょうか。育児中のすべてのママが、「寄り添ってもらえる場所・人」と出会えますように。

sage femme(サ―ジュファム)

HP: http://sango.or.jp/
blog: http://sango.or.jp/category/topics/

取材、文・鈴木じゅん子

参考トピ(by ママスタジアム)
育児、市役所に助けられた人いる?