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「いい母の定義なんて、誰が決めた!?」ママたちの潔い手抜き術、そのウラには……

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先日ママ友から「今度、子どもを寝かしつけたあとカラオケに行こう」と誘われました。「行く行く!」とふたつ返事をしそうになったところで、2歳の息子が夜中に泣くことがあるのを思い出し、断りました。でも、あとから胸に浮かぶのは後悔の念。やっぱり行けばよかったなーと思ってしまいました。

後悔を繰りかえしていた矢先、子どもと絵本を借りに行った図書館で、こんな雑誌の特集に目をしました。「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」でおなじみ30代ミセスに支持されるファッション&ライフスタイル雑誌『VERY』のバックナンバー、2016年10月号の特集「いい母の定義なんて、誰が決めた!?」。その上には小さく

「周囲の目だけじゃない。囚われているのは自分自身かもしれない⋯⋯」

とあります。

挑発的なタイトルに興味をひかれ、中をのぞいてみてビックリ! そこには、自分が何となく目を背けてきたママのあり方があったのです。

VERYが発信「いい母の定義なんて、誰が決めた!?」

「ママも、子どもも、家族も、みんな個性があるように、子育てだってそれぞれ違っていいはず」という一文ではじまるこの特集。専業主婦ママの手抜き術や、働くママのリフレッシュ法などが紹介されているのですが、その方法が突き抜けていました。「それもアリなの!?大丈夫!?」と不安に感じながらも、その潔さが気持ちいいんです。

専業主婦だけど、掃除はアウトソーシングに決めたママ

専業主婦だけど、子どもを週3で預け、習い事に通うママ

電車で自分はスマホ、子どもにiPadを見せるママ

週末は早寝早起きをやめ、朝ごはんをセルフサービスにしたママ

週5保育園に預けながら、週末もずっとは子どもと一緒にいないママ

週1で飲み会に行くママ

……などなど。

比較的あっけらかんと、潔く語られる内容に、清々しさを感じながら目を通した私。しかし合計17人の話を読み終えるころの私は、うっすらと涙ぐんでしまいました。

潔さのウラにはきっと、ママたちの切ない葛藤がある

「専業主婦だけど」

「周囲の目が気にならないわけじゃないけれど」

「はじめは罪悪感しかなくて」

「自分は母につきっきりで育ててもらったのに」

これらは各エピソードに書かれている言葉。書かれている文字を目で追いながら、私はママたちが抱えていたであろう葛藤を想像したのです。

紙おむつを筆頭に、便利な育児グッズがあふれる時代。一方、子どもと親だけで暮らす核家族は増え、ママもバリバリ仕事をするのが当然という風潮……。十分なサポートは受けられず、常に時間に追われている。「いい母」でありたい、けれど体力や気力、環境がそれを許してくれない歯がゆさなら、私も知っていると思ったのです。

例えば、うまく疲れがとれず朝寝坊、子どもの「お腹すいた」コールで起きる朝。私はこう思います。(ひもじい思いをさせてごめん。でも、ママだって疲れてるの……。)

例えば、一日の疲れでボロ雑巾のようになった体にムチ打って、なんとか子どもとお風呂を済ませる夜。(楽しい時間にしたいのにイライラしてごめん。でも、ママだっていっぱいいっぱい……。)

母と子で体調を崩し、旦那は出張、実家は遠方。どうにか乗りこえなきゃいけない一日。(看病してあげたいのにお粗末な対応でごめん。でも、ママだって……。)

心のなかで「ごめん」と謝りながら、でも「ママだって疲れる、ママだって大変」と、つぶやくもうひとりの自分がいます。それでも、そんな姿は見ないフリ、そんな声は聞こえないフリ。私は育児に家事に仕事に、奮闘しつづけます。

子どものために頑張る自分も、もちろん嫌いじゃないけれど、無理を重ねることで、失われてしまうものがあるのかもしれない。「身も心もボロボロになる前に、周囲や自分自身の常識なんて吹っとばして、子どもとの楽しい時間をとり戻してみせる!」特集「いい母の定義なんて、誰が決めた!?」からは、ママたちのそんな頼もしい決意の声が聞こえてくるようでした。

だから……今度は深夜カラオケ行ってみようと思います!

かけがえのない育児のときが、苦痛でしかない時間にかわる前に。

参考:雑誌『VERY』 2016年10月号(光文社)

 

文・福本 福子