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おいしいみかんとりんごから学んだ子育ての話

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秋から冬にかけて、果物の主役となるのはりんごやみかん。りんごもみかんも味は千差万別です。なるべく美味しいものを食べたいですね。
先日、静岡の親戚の家をたずねました。近所に住む叔母夫婦も顔を見せてくれ、お土産にみかんを箱いっぱいに持ってきてくれました。

■「このみかん、おいしいんだよ」

そのみかんは、家の庭のみかんの木から採れたもの。農家が本業ではないから、ほとんど手をかけずに無農薬、肥料もなし、という”自然な”みかんなのです。何も手をかけていないのにとても美味しいと評判で、近所の人が安価でわけてもらう、というローカルなニーズがあるそうです。

叔父「前は、もう一軒、そういう家があったんだけどね」
叔母「そうそう、美味しいみかんの家があったねえ」
叔父「代がかわって息子が戻ってきて、こんなにおいしいみかんなら商売になると言って、本気で始めたんだ。土に太陽の光を反射するシートを置いたり、肥料をやったりしてね」
叔母「そうしたら、とたんに美味しくなくなっちゃって」

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手をかけるとおいしくなくなった。その話を聞いた時、思い出した話があります。『NHKプロフェッショナル 仕事の流儀』でオンエアされた、「りんごは愛で育てる」農家・木村秋則さんの話です。

■農薬を使わない農家・木村秋則さんの話から、子育ての話へ

かつて、農薬を使っていた木村。しかし、その農薬で皮膚がかぶれたことをきっかけに、農薬を使わない栽培に挑戦し始めた。
しかし、3年たっても4年たってもりんごは実らない。収入の無くなった木村は、キャバレーの呼び込みや、出稼ぎで生活費を稼いだ。畑の雑草で食費を切りつめ、子供たちは小さな消しゴムを3つに分けて使う極貧生活。
6年目の夏、絶望した木村は死を決意した。ロープを片手に死に場所を求めて岩木山をさまよう。そこでふと目にしたドングリの木で栽培のヒントをつかむ。「なぜ山の木に害虫も病気も少ないのだろう?」疑問に思い、根本の土を掘りかえすと、手で掘り返せるほど柔らかい。この土を再現すれば、りんごが実るのではないか?

(『NHKプロフェッショナル仕事の流儀』公式サイトより引用)

農薬を使わない栽培に挑戦して8年目、ようやく木に花が咲き、りんごが実ったそうです。本来の生命力でおいしくなるりんご。手をかけすぎないみかん。共通するものがあると感じました。

そしてその日、みかんの話から親戚の皆と、「手をかけすぎはいかんね」と子育ての話になりました。

農業と子育てをひとくくりにはできませんが、子供の生命力を最大限、自然な形で引き出したい、親は少なからずそう願っていると思います。過保護、過干渉、どこからどこまでがそうなのか当事者からは特に見えにくいラインがあると思うのですが、手を差し出す前に、ぎりぎりまでは「見守る」これがキーワードなのかな、と思いました。

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私はというと、小学三年生の娘から日に日に、「今やろうと思ってた!」と言われることが多くなっています。手を出しすぎ、口を出し過ぎの自分を反省しました。

ちなみに娘は、冬になると毎日食べさせられるみかんにありがたみがなくなっていたのですが、その日は新幹線で何個も食べていました。

文・yuki
イラスト・さど