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子どもの自転車事故 「賠償金」は誰が負担するの? #本当にあった育児の話

Beautiful asian girl riding a bike

ある夕方、娘の携帯から電話が。「あのさ、今公園から帰るところだったんだけど…」と、口調は普段どおりですが小学校中学年の娘、いったい何が言いたいのか要領を得ません。すると急に知らない男性の声に替わり、「通りがかりの者なんですが、今自転車で…」と話している途中でまさかの携帯の電池切れ。「もしや自転車事故?!」と、大あわてで娘が言っていた公園まで向かいました。

子どもの自転車が衝突! パトカーが集まり大騒ぎに

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電話の様子から娘が無事であることは予測できたのですが、姿が見えたときはホッとしました。娘の横にはどこかに電話してる男性、そして私の母世代のご婦人が。ご婦人に尋ねると、それぞれが乗っていた自転車同士がぶつかり転倒したことがわかりました。「お嬢さんは大丈夫?」とずっと気遣ってくださるので最初は頭から抜け落ちていたのですが、どうやらご婦人のほうにもダメージがあったよう。
電話をしていた男性は、偶然居あわせた方でした。そうこうするうちに、パトカーが数台到着。さらには救急車まで! どう考えても「たいしたことない」現場だったのですが、あたりが一気に物々しいムードに…。どうやらこれらはすべて男性が呼んでくれたもののようでした。

「念のため、娘さんも救急車に」と言われましたが、どう見ても軽めの打ち傷だけ。本人も「そんなに痛くない」と言うので遠慮しましたが、ご婦人は「ちょっと首が…。でももともと首の調子は悪いので」と迷いつつも病院へ運ばれていきました。
警察に事情を聞かれ(現場にいなかったので推測だけですが)あれこれ書類に記入をし、ようやく解放。救急車で運ばれる前に「何かあったときのために」とご婦人から申し出られたので、名前と電話番号の交換だけはしておきました。

娘の自転車にかすり傷は付いたものの、本人に大きなダメージはなし。ご婦人の自転車もパッと見、壊れたりはしていなかったようです。残る心配はご婦人の身体です。

そのときふと思い出したのが、小学生の乗った自転車が原因で女性が亡くなったという以前のニュースです。たしか加害者側に高額な賠償金が請求されたはず…。
調べてみると、たしかにそうでした。2008年に、当時小学校5年生の男の子が自転車で衝突。意識不明の重体となった女性は4年が過ぎても意識が戻らず、少年の母親には9,500万円の賠償金の支払いが命じられたとか。9,500万円! とてもそんなに支払えない! 自転車事故に対する保険には入っていません。

万が一のために知っておきたい、自転車事故の補償

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今後のことも考え、自転車事故を補償する保険について調べてみることにしました。

一般的に自転車事故は「自転車 対 クルマ」が圧倒的だそうです。その場合自転車は「被害者」になることが多い。ただ今回のような「自転車 対 自転車」さらに「自転車 対 歩行者」の場合は、自転車が「加害者」になることが多いのです。
クルマ(自動車)のように免許が必要なわけではなく、「自賠責保険(強制保険)」の加入義務があるわけでなはいのが自転車。万が一に備えて何かしらの保険に入っておいたほうがいいのかも? 兵庫県や大阪府など、自転車保険が義務化している自治体もあるようです。

自転車向け保険で手頃なのは「au損保」の「自転車向け保険Bycle

でした。月々370円〜と価格的な負担が少なく、auユーザー以外も加入することが可能とのこと。

1年で9,240円〜とやや高額でしたが、「日本少額短期保険」の「BICYCLE保険」にも惹かれました。
いいなと思ったのは、盗難に対する「車両盗難特約」も含まれていること。こだわりの一台を愛用しているのなら、入る価値がありそうです。

自転車向け保険はほかにもあり、どれもそれほど高額ではないので、自転車で通勤通学をしている人、また「いつか自転車事故を起こすかも」とハラハラしているやんちゃな男の子がいるなら、お守りとして入っておくのも悪くないなと思えました。

ただ我が家でもそうだったのですが、じつはすでに入っていた保険が! それは「火災保険」。とくに賃貸住宅にお住まいの方なら更新のたびに再加入する場合が多いので、なじみがあるのではないでしょうか? この火災保険のほとんどについているのが、「個人賠償責任保険」。もちろん専用の保険ほど補償の範囲は広くないかもしれませんが、これで自転車事故もある程度は補えるとのこと。ひと安心しました。

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ほかにもクルマを所有する家庭なら、強制加入の「自賠責保険」以外に任意の自動車保険にも入っているのでは? その中には「個人賠償責任保険」が含まれているケースが一般的だそうです。
さらにクレジットカードの補償で付帯している場合も。気になったママは、あらためて利用しているカードのサービスを確認してみてはいかがでしょうか?

また自転車を自転車安全整備店で購入したり、点検整備を受けるとつけられる「TSマーク」には傷害保険と賠償責任保険が付帯されています。十分な補償内容があるわけではないようですが、それでも何もないよりははるかに安心! ただ、マークに記載されている日から1年間、と有効期間が短いのがネック。年に一度点検を受けて、TSマークを更新するように心がけるのもよいですね。

蛇足ですが、現在事故から1ヶ月近く。ご婦人からは連絡がないので、おそらくダメージは少なかったのだろうと思います。

友人たちから聞いた話によれば、事故現場では「大丈夫」と言っていてもあとからあれこれ言い出す人も少なくないそうです。あのときは「こんなに大ごとになっちゃって…」と、仕切ってくれた男性への複雑な思いを正直抱いていたのですが(本当に申し訳なかったです!)、おかげで双方引きずることなく、すっきり納得のいく事故処理となりました。

相手のご婦人が親切で良識ある方だったのは、本当に不幸中の幸い。二度とこんなことが起きないよう、これまで以上に親子ともども安全な自転車運転を心がけようと思います。

文・鈴木麻子

<参考>
一般財団法人 日本損害保険協会 自転車事故と保険
http://soudanguide.sonpo.or.jp/