life

ブランドムービー再生145万回以上!自分で歩く喜びを。人々の胸を打つ、あきらめない人の車いす「COGY」

あきらめない人の車いす「COGY」

「COGY(コギ―)」という車いすのブランドムービーが、今年6月の公開から145万回以上再生され、大きな話題を呼んでいるそうです。「COGY」を販売するのは株式会社TESSという宮城県仙台市の大学発ベンチャー企業。会社のホームページを訪れると、鈴木堅之社長のあいさつはこう始まります。

障害のある方も、今はまだお元気な方も、共に好きな場所で好きなことを好きなときにできる喜びを感じながら、毎日を笑顔で過ごせたらどんなに幸せなことでしょうか。

「障害のある方も、今はまだお元気な方も」

そう、健康な人は体の不自由さに関する情報は他人事ととらえがちです。正直、筆者もCOGYの存在を知ったとき、関係ないものと捉えている自分がいました。しかし(あまり考えたくないことですが)事故や病気はいつ自分の身に襲いかかるか分からないもの。そんな心構えでムービーを見るとCOGYに乗る方々の気持ちを、ほんの少し身近に感じるかもしれません。

■145回以上再生されたCOGYのブランドムービー

いかがですか。COGYが動いたときのみなさんの表情はすばらしいですね。ちなみに……COGY(コギ―)という名前には「気持ちを前に漕ぎだす」という鈴木社長の願いが込められているそう。

■COGYが動く仕組み

sub5

では、なぜCOGYは動くのでしょうか?

足は脳からの信号が脊髄を介して動きますが、足が不自由な人は指令がうまく伝わりません。それでもCOGYに乗った人の足が動くのは、脊髄の「原始的歩行中枢」から出る反射的な指令によるものと考えられるそうです。

赤ちゃんの足が床につくように抱き上げると、歩くように足を動かすのを見たことはありませんか? これが「原始的歩行中枢」の反射で、右足を踏み出すと、自然と左足が動くというもの。すべての人の足が動くわけではありませんが、COGYはこの反射を利用しています。

■COGYに感動する人々

sub7

ムービーを見て寄せられたコメントや、鈴木社長がかかわった方のエピソードがあります。

「これはすごい。感動した」

「単純に、ただ単純に涙。すばらしい。できたことができなくなる喪失感はそれまでの人生をすべてくつがえすくらいの感情で、受け入れるまで長き時間を必要とする。それらを受け入れるまでの時間は本当に孤独で寂しい。この製品のアイデアは孤独からの脱却を示唆するもの。本当にこんな製品が広まってほしい」

「事故に遭われて奥さんが下半身不随になってしまったご夫婦がいるのですが(中略)こいで動かせるようになってからは奥様がだんだん外に出られるようになって、立って歩くこともできるようになったんです。なんとCOGYに乗って山登りもされたんですよ!山頂で2人で撮ったお写真が送られてきたときはすごく嬉しかったですね。その後はCOGYと一緒にフランスの旅行にも行かれて、かつて二人が出会った下宿のまえで撮った写真も送ってくださって」(鈴木社長)

そして、鈴木社長は続けてこう語ります。

『「自分で動かせる」というのがみなさんにとってはすごく嬉しいみたいなんです。「まだ自分の足を動かすことをあきらめなくていいんだ!」という気持ちになってくださいます』

■「どこかで見た表情」やっと思い出したのは……

家事をしながら、子どもの世話をしながら、「どこで見た顔なんだろう?」としばらくモヤモヤとしていた筆者。一週間ほどたったとき、やっとひらめいたのです。

「子どもがはじめて歩いたときの顔」だ、と。

それまで伝い歩きはできても、つかまるものから手を離せばうまく動き出せなかった子ども。でもある日、片足を動かしても転ばず、ヨロヨロとしながら、もう片方を出しても転ばない。
筆者はそのときの顔にとてもよく似ていると思ったのです。

何が起きたのだろうとと一瞬考え、「ぼく(わたし)動いてる!」と認識すると同時におどろいて、その瞬間のはじける笑顔。

まして、もういっさい動かないとあきらめた足が動く喜びはどれほどでしょうか……。わが子の歩くときを心待ちにし、ついに迎えたその瞬間は、ひときわ印象的でしょう。おこがましいことを書いたかもしれません。しかし、COGYのムービーが多くの人の胸を打つのは、鈴木社長が話すように「自分で動かせる」喜びがあるからなのだろうと思うのです。