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発売日にサイトダウン? 激化するランドセル争奪戦(ラン活)に、待った!

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ランドセル商戦のスタートは、数年前まではお盆時期といわれていました。夏休みの帰省時に、おじいちゃんおばあちゃんにおねだりして買ってもらう…そんな流れがあったためです。が、ランドセル市場は年々激化してきていて、メーカー発売日に完売!なんてことも?

実際高級ランドセルで知られる「土屋鞄」では7月1日に来春用のランドセル受注を開始したところ、店舗にもWEBにも注文が殺到。サイトがシステムダウンしてしまったとニュースにもなりました。

同様に高級ランドセルメーカーとして知られる「鞄工房山本」も、発売初日の6月20日にシステムダウン。すべての店舗を当面のあいだ臨時休業し、WEBでの特別措置を取ることにしています。

少子化と高級志向から、高額なランドセルが人気に

ママの中には「来春にこの子が小学生だなんて、信じられないなぁ」と、まだまだのんびりしている人も多いはずです。いったいどうしてこんなことになってしまったのでしょうか?

よくいわれるのは、やはり少子化と保護者の高級志向。さらにネットやSNSなどで「あそこのランドセルがいいらしい」などの情報が、これまで以上に行き交うことになったこともあるでしょう。子どもにランドセルを用意することを意味する「ラン活」なんてワードさえ生まれているほどです。

「土屋鞄」にしても「鞄工房山本」にしても、職人が手作りする高級ランドセルであることが共通点。使い勝手がよく丈夫、デザインも上品です。とくに「土屋鞄」は元が高級革製品ブランドであることを活かし、昨年秋に大人向けの「OTONA RANDSEL(大人ランドセル)」なるものを発売。10万円(税込)というけっして安くはない価格でありながら、予約待ちの状態が続いているそうです。そうして高まっているブランド力も、今回の騒ぎにつながった一因といえるでしょう。

「手作り」をうたった優良ランドセルはほかにも

「サイトダウン!」というニュースがネットに上がれば「それは大変!」「それほどよいものなら、うちもほしい!」と、つい思ってしまうのが人情です。人気にさらなる拍車をかけることにもつながっているようです。

ただ、それってちょっと、いや、かなりもったいない気がしてなりません。なぜなら優良なランドセルはほかにもたくさんあるからです。

たとえば明治以来100年以上続く老舗「黒川鞄工房」においてのランドセルは、100年以上続くロングセラー商品。厳選された天然素材を使用し、手縫い、手作りにこわだり、140もの工程を経て仕上げているそうです。
昨年は8月中に売り切れてしまったという人気の「萬勇鞄」は、手縫いにこだわるブランド。ていねいな作りと丈夫さが、とくに男の子ママに人気なのだそう。
老舗ランドセルメーカー「池田屋」は奇をてらわないシンプルで上品なデザイン、機能性のよさなどに定評があります。多くのメーカーが金属製である背カン(背中のフック)を、やわらかなナイロン製ループにするなど細やかな配慮も。

こうした優良なランドセルメーカーは、ネットなどで探せばほかにもたくさん見つかります。まずはカタログを取り寄せて、何よりも実際に店舗やショールームなどに足を運び試着させてみることが大事。たしかに「土屋鞄」「鞄工房山本」などはよいものを提供しています。でも噂やカタログだけで決めてしまっては、実際に背負ってみて「あれ?」ということがないとは限りません。

ランドセル選びは、絶好のコミュニケーションチャンス

高級ランドセルでなくとも、納得できるランドセルはまだまだあります。そもそもまわりで「使っていたランドセルがダメになった」なんて話、よほどのことでもなければ聞いた覚えがありません。もちろん子どもが安心して6年間使えるよう、どの家庭でもそれなりの価格のものを購入していることもあるでしょう。ただごく一般的な販売店でランドセルとして販売しているものに関しては、信頼がおけるそれなりの理由があるはずです。

量販タイプの代表的なものが「イオン」のランドセル。軽さと丈夫さ、それになんといってもカラフルなカラー展開がウリです。「他の子が使っていないようなランドセルを」と考えるママには物足りないかもしれませんが、子どもは逆にお友達と同じランドセルがうれしいもの。また都市部では少数派になりがちなので、逆に目立ってよいという意見もあります。

テレビCMなどでもおなじみの「ふわりぃ」や「フィットちゃん」、「ララちゃん」、「天使のはね」でおなじみの「セイバン」などは、知名度に比例した確かな作りと充実した機能性が特徴です。購入してまず間違いない、安心感があるのが何よりうれしいところ。このあたりの有名ラインはデザインやカラーに凝ったものも多いので、とくに女の子には大きな引きがあるのでは?

「6年間使うものだから」とつい慎重になり、まわりの噂にも引っ張られてしまうランドセル選び。でも高級なものはいうまでもなく、お手頃価格でもそれなりに名の通ったものであればまず失敗はないはずです。
なかなか入手できないものがどうしてもほしいのなら、それもよし。ただ、ランドセル選びは自我が強くなってきた子どもの主張、そして機能性を重視する家族の主張を伝え合いひとつの結論(ランドセル)に辿り着くという、絶好のコミュニケーションの機会でもありますよね。「これでなきゃダメ!」と固執する前に視野を広げ、あれこれ試してみたほうが納得いくものに出合える可能性が高いのではないでしょうか。

文・鈴木麻子

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