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頭の中が味噌煮込みうどん!?出産直前に夫に去られたママの質問に学ぶ「しなやかさ」

出産直前に夫に去られたママの質問がなんか面白い。

去年1月~5月、『村上さんのところ』というサイトが期間限定で公開されました。作家の村上春樹さんが、読者から質問や相談を大募集。それに返事を書いていくというスタイルです。

サイトの公開は約4ケ月間。質問の募集期間は1月下旬のたった17日間でしたが、37,000通をこえるメッセージが寄せられました。

恋愛、結婚、親子、仕事、人づきあい、生き方、趣味のことなど……様々な分野の話が舞い込みました。

娘の反抗期がたいへん、実は不倫をしている、無駄に話が長い上司のこと、無人島にもっていく1冊は何か? キャベツの一番おいしい食べ方は? 猫になりたいと思ったことがあるか?など、ありとあらゆる話です。今回はその中の一つの質問をご紹介します。

■『出産直前に突然去っていった夫』

村上さん、こんにちは。先日出産一週間前に「僕の直感によると僕の幸せはここにはない」と言って夫が去っていきました。突然のことに呆然としつつ、赤ちゃんの世話に追われ寝不足で朦朧とする頭で彼の幸せとは一体何だったか、そもそも直感とはなんなのかを考えてみるのですが、焦げ付いた味噌煮込みうどんの土鍋のように頭の中がドロドロとしてしまい途方に暮れています。なので今日の昼食はなんとなく味噌煮込みうどんにしたのですが、村上さんは味噌煮込みうどんはお好きですか?
生きていると好むと好まざるとにかかわらずいろんな事が起こるんですね。

(味噌煮込みうどん、女性、32歳、主婦)

「え? ほんとに食べたんだ…」と思いませんでしたか。これを読んだ筆者は「これ面白い」と思わず夫にも薦めました。

ちなみにこれに対する村上さんのコメントは、夫に責任をとらせる現実的処置のアドバイスでした。

■この女性のように「しなやかに」

筆者はなぜか女性に好感をもちました。とてもひどい話だし、彼女自身も深く悩んでいることと思います。にもかかわらず(不謹慎を承知で言いますが)、投稿からはどことなく、冷静さのようなものが感じられたのです。ただただ途方に暮れているだけなのかもしれません。でも、女性の心のどこかには、何があっても落ち着きを保つ一部分があるような。大変な自分と、それを見つめる、もう一人の穏やかな自分がいるような……。それは「しなやかさ」とでもいうべきでしょうか。

質問者の女性が書くように、生きていれば色んな出来事が起こりますね。それでも、心のどこかに「しなやかさ」をもっていたい。些細なことにでもすぐオロオロとしてしまう筆者は、この話を思い出すたび、ちょっとした笑いとともに、そんな思いをいだきます。

引用・参考書籍:『村上さんのところ コンプリート版』(答えるひと:村上春樹、新潮社、2015年)