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出生数は過去最低、どうなる?日本の子育て

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あなたは何歳で子どもを産みましたか? または産みたいですか? 現在日本の「平均初産年令」は30歳だそうです。著者もちょうど30歳の時に初めての子どもを出産しました。当時まわりを見てもまだ独身という友達も多く、結婚して子どもがいてもまだ一人目だったり。そんな印象があったので30歳はおおかた予想通りの年齢でした。なので、先月発表された「合計特殊出生率」を見てもとりわけ驚くような危機的数字だと思っていなかったのですが…。厚生労働省によると2015年一人の女性が生涯、産むと見込まれる子どもの数は1.46人。2年ぶりに回復したものの出生数は過去最低でした。国の目指す出生率の1.8人にはほど遠く、どうやら国家レベルで見てみると大問題の数字らしいのです。いったい何が問題なのでしょうか?

日本は世界一の超高齢化社会

「少子高齢化」という言葉を耳にして久しいですが、10年後の日本は4人に一人が65歳以上という「超高齢化社会」に突入します。世界でも類を見ない事態です。今の日本の社会保障制度では、高齢者を支える若者に年金や介護の負担が大きくのしかかります。そしてさらにこのままの水準でいくと、30年後は2.5人に一人が高齢者という事態に! 著者が高齢者になるころ支える若者がいないという社会になってしまいます。なぜそんな事態になってしまったのでしょうか?

消えた第3次ベビーブーム

かつて日本には2回のベビーブームがありました。戦後間もなくの第1次ベビーブームで団塊の世代が産まれ、その団塊世代が子どもを産んで第2次ベビーブームを起こしました。流れからすると、その団塊ジュニアが出産適齢期となる2000年~2010年あたりに、第3次ベビーブームが訪れていたはずなのですが、ブームは起きませんでした。なぜならば、団塊ジュニアである現在のアラフォー世代が思ったほど子どもを産まなかったからです。その理由は内閣府がまとめた「理想の子ども数を持たない理由」のアンケートから読み取ることができます。

その中で60%以上の人が金銭的な不安を理由として上げています。若い世代ほど、子育てにお金がかかりすぎると感じているようです。他の理由をみても、子育てしやすいとは言いにくい現状があることが分かります。それに加え晩婚化、未婚化もすすんでいるので、出生率が低くなっているようです。少子化対策も迷走中の日本で、このまま出生率も下降して子どもが減り続けてしまうのでしょうか?
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しかし、アノ県の出生率は桁違いでした!

そんな日本において脅威の出生率をほこる県が存在します。それは沖縄県です。出生率はなんと1.94。ズバ抜けて高い数字です。40年以上日本1位をキープしているのは驚きです。このアンケート結果を見る限り、経済的に余裕があるのかなと思ったのですが、調べてみると給与所得では日本全都道府県においてワースト1位でした…。とても興味深いですね。沖縄県には金銭的負担を乗り越える何かがあるのかもしれません。これから出産を控えるママたちに「なんくるないさ~」とエールを送っているような、なんとも勇気づけられる結果ですね。ママの精神的な不安を取り除き、安心して子どもが産める世の中を目指したいですね。

文・編集部

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