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我が子が障害児になってはじめて気が付いたこと①

『えがおの宝物 進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」』の著者、加藤さくらさんによる連載エッセイ(7回目)。
加藤家とさくらさんの紹介はこちら

さて、いきなり質問です!

みなさんの周りに、苗字が『鈴木』のお友だち、もしくはお知り合いはいますか?
お友だちに鈴木さんいるいる!!という方、ご近所やクラスにいる!!という方、もしくは、ご自身が鈴木さんの方もいらっしゃると思います。

では、みなさんの周りに、肢体不自由のお友だち、もしくはお知り合いはいますか?

私が講演会をする際に、この質問を投げかけると、肢体不自由者のお友だちがいる方が会場の1~2割のことが多いです。

現在、日本には在宅している肢体不自由者は181万人いるそうです。(日本福祉車両未来研究所調べ)
そして、全国苗字ランキングで堂々の2位を獲得している鈴木さんは約180万2千人。(名字由来net調べ)

なんと、肢体不自由者の数の方が全国の鈴木さんより多いらしい!!

でも、なぜ、鈴木さんとは知り合えるのに、肢体不自由者とは知り合えないのでしょう?

・教育機関で出会わなかったから?
・そもそも知り合う機会がないから?

私は、我が子が肢体不自由で生まれてきて、生活する中ではじめて気が付いたことがたくさんあります。

とくに思うのは日本って、まぁお出かけしにくい環境だこと!

物理的な課題として、段差や階段などのバリアフリーは昔に比べ徐々に改善してきているようですが、実は、それ以上の課題を日々感じております。

それは、障害をもつ人たちの存在を意識して生活している人が世の中全体でまだまだ少ない、ということ。

例えば、肢体不自由者でいうと、自分の足で移動できない代わりに、腕力がある方は手動車イス、腕力がない方は、電動車イス、もしくは福祉用バギーを使用して移動します。

福祉用バギーとは、一見ベビーカーのようですが、肢体不自由者・その他医療ケアが必要な方用に販売されている福祉器具です。小さなお子さまから、成人までサイズ展開があります。

福祉用なので、オムツ替えができるようにリクライニング機能があるものや、胃瘻や吸引機などの医療道具を持ち運ぶのに便利な収納箇所があるなど、機能性に長けてます。

この福祉用バギーの認知度が非常に低いんですよね。

私の娘も、1才の頃から福祉用バギーを愛用しています。
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手動の車イスも持っていますが、筋力が弱い娘にとって長距離の移動は無理があります。車イスに座っているだけでも疲れちゃいます。

ですので、お出かけのときはほとんどバギーで移動します。

娘が3才くらいまでは、周りの人は完全にベビーカーだと思っているようでした。

ある日、都内の病院に受診する用事があり、少し混雑している電車に乗らなければならないことがありました。

優先席近くや車イスエリアを探して乗車しますが、混雑時はそこにたどり着くこともできず・・・

ついには「(ベビーカー)畳めよ!!」と混雑でイライラした方に一喝されることも。

いちいち乗車する度に「この子は、肢体不自由で立つことも歩くこともできないため、このようなバギーに乗っています。これは、車イス兼用のバギーです」と声高らかに周囲にアナウンスする訳にはいかないので(笑)、車イスマークをつけているのですが・・・周囲の方の意識が高くないと、そのマークにすら気が付いてもらえないんですよね。
べぇ~
妊婦マークもそう、自分が妊娠してマークをつけてから、世の中にはこんなにもたくさんの妊婦さんがいることに気が付きました。妊婦さんはある日突然増えたわけではないので、私が気が付かなかっただけ・・・。

そんなこんなで、3才を過ぎて、一般的にベビーカーを使わない年齢になると、今度はこんな声が聞こえてくるようになりました。

エレベーターで待っていると、「あら~自分で歩かないの?甘えん坊さんね~(*^_^*)」とおばあちゃんに話しかけられるように(笑)
大きい子どもが、まだベビーカー使っている、と捉えたのでしょう。

こういうとき、私にちゃんとお話する心の余裕と時間がある場合は説明するようにしています。

我が子の場合は、「筋ジストロフィーという難病で筋力が弱く、立ったり歩いたりできないんです。だから、車イスの代わりにこのバギーに乗って移動しているんですよ~」とやんわり(笑)
そして、車イスマークをチラリとアピール(笑)

私はもしかしたら、神経が図太い方なのかもしれません。

先ほどの電車の中でどなたかに「畳めよ!」と言われたときも、心の中で「あんたは車イスの人に電車が混んでるとき車イスから降りろって言うのか?!」と反発していたし(笑)、きっとその人は福祉用バギーだなんて知らないだけで、かつイライラしていたのだろう、と推測して事を済ませていました。

おばあちゃんに「大きいんだから歩かないと!」と声をかけられても、説明すればいいと思っています。

知らないなら、知ってもらえればいい。

しかし、肢体不自由者とお出かけをしている介助者(多くは母親)の中には辛い思いをしている方が多いのも事実。

でも、知ってもらえれば、余計な一言がなくなるのも事実じゃないかと思います。
そして、周りの方もヘルプの手を差し伸べやすいのではないかと思います。

お出かけが億劫に感じないような環境になれば、肢体不自由者&介助者がどんどんお外に出て、みなさんが鈴木さんに出逢ったように、肢体不自由者の方とも出逢う機会が増えると思います。

ということで、この記事を読んだ方はもう福祉用バギーの存在を知りましたね!?
まだ知らない方がいらしたらぜひ教えてください、福祉用バギーの存在を!

ちょうど、福祉用バギーの認知度を上げる活動をしている団体がいるので紹介いたします。
一般社団法人『mina family』http://www.mina-family.jp/
代表の本田香織さんのお子さまに障害があり、福祉用バギーを愛用されているようです。(本田さんは子ども用車イスという表現をされています。)

本田さんとは全くつながりがなく、私が一方的に活動を存じ上げていただけなのですが、実は、この記事を書いている最中に、本田さんがfacebookで私のブログをシェアしてくださり、ひょんなことから繋がるという奇跡が(笑)

現在、クラウドファンディングにも挑戦中で、これから福祉用バギー・子ども用車イスの認知度が上がることを期待しています!!

クラウドファンディング先リンク
COUNTDOWN:https://www.countdown-x.com/ja/project/E3936029

誰もがワクワクウキウキお出かけできる世の中になりますように♪

【加藤さくらさんの著書『えがおの宝物 進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」』】

えがおの宝物 進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」