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我が家のヤドカリ物語

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数年前、当時幼稚園児の娘が通う某実験教室で、持ち帰り教材としてヤドカリが配られました。飼育できない人は置いて帰ってよいとのことでしたが、生き物好きの娘はもちろん持ち帰りました。

名前は「ハッピーちゃん」。ヤドカリの飼育は初めてだった私たち。幼稚園のお友達から、白い南の島の砂を分けていただき、お引越し用の貝も準備していました。しかし数ヶ月後に貝から全く出てこなくなり、そのまま息絶えてしまいました。

■新しいヤドカリ

翌年、ペットショップで偶然ヤドカリを見かけ、「もう一度飼いたい」ということになり、二匹のヤドカリを迎えました。今度は飼育についてもうちょっと詳しく調べようということで、図鑑を買ってきたりネットで調べたりしました。オカヤドカリという種類であること、この種類は水の中では溺れてしまうけれど湿らせる程度の水分は必要なこと、10℃以下になるとダメなこと、など。湿度を保つための霧吹きも用意して飼育が始まりました。

■癒しの時間

この二匹、当初は茶色の貝に入っていたのに、新しい水槽に入れたとたんに、「お着替え」が始まりました。すばやく貝を脱ぎ捨て、新しい貝に入る。ヤドカリの着替えるシーンを見るのは初めてで大興奮。どうやら私たちが用意した緑色の貝がお気に入りのようで、二匹とも緑色の貝を狙っていました。

結局、一匹が無事緑色の貝におさまり、その子の名前は「マッチャ」、別の白と茶色のミックス貝におさまったほうが「コーヒー」となりました。

この二匹は、娘いわく「兄弟」だそうで、とても仲良し。二匹並んで高い所に上り、私たちが水槽の外から張りつけた「海とウミガメのポストカード」を眺めていました。癒しの時間がありました。

ヤドカリがこんなにおもしろいとは思っていませんでした。よく動くし、よく遊ぶし、観察するにも楽しい生きものです。

■緊急事態

ある日、緑の抹茶が貝を脱いでしまいました。貝を脱ぐときは、貝の大きさが合わなくなったとき、そして…弱ったときです!

一生懸命水分を補給したり温度管理をしたりしました。また着替え用の貝もSS,S,Mと三種類の大きさのをいれておきましたが、マッチャは他の貝には入らず、三日後にまた元の緑の貝に戻ったのでした。よかった、戻ってくれた!と思ったのも束の間、また貝から出てきて、動かなくなってしまいました。

すると!白い貝の方のコーヒーが、私たちが見ている水槽の前面に躍り出て、手足(?)をふりかざして大きな動きをするのです。「大変なことがおきてるよー!」と言わんばかりに。こんなコーヒーをみたのは初めてでした。わかってるのかな??

やがて、動かなくなったマッチャ。再び動き出す気配はありません…。

腐ってしまってはコーヒーにもよくないので、水槽から出そうかという話になりましたが、「まだ弱っているだけで、死んでないかもしれない」と娘が言うので、「じゃあ、一晩だけこのまま様子を見ようか」ということになりました。

■生き返った!?

数時間後‥「ママ!マッチャが動いてる!」

嬉し涙を流しながら私に駆け寄る娘。「え!ほんと!?」と水槽を見ると、緑の貝のマッチャが歩いています!
よかった、様子を見てよかった…生きてたんだ…。

しかし。

…よく見ると、それは「瞬時に緑の貝に着替えたコーヒー」の姿でした。

「…さっきまで、緊急事態を知らせてたよね!?緑の貝が空いたとたん、着替えるのかコーヒー!!」
私は突っ込まざるを得ませんでした…。娘も「そういえば、いちばん最初から、コーヒーも緑の貝を狙っていたもんね‥」ですって。

その変わり身の早さに驚き呆れ、またその執念に感嘆した私たちでした。

■長生きしてね

今、緑色になったコーヒーは、一匹で広い水槽にいます。もう一匹迎えようか、迷い中です。ヤドカリは長ければ10年、20年と生きるそうなので、できる限り我が家にいてほしいなと思います。

水槽の中は「南の島のジオラマ」となり、なかなか、おもしろいですよ。ヤドカリ、オススメです。

ライター:yuki